ひっそりと群生

ひっそりと持ってるCDの情報やゲームの感想上げたり。購入物の記録など。気ままに。飽きっぽいので途中で止まったらご愛嬌。

【Making*Lovers】感想

【男性向け18禁】



2017年11月24日発売
SMEE』※リンク先公式HP(18禁)
Making*Lovers】(PC)(18禁) ※リンク先wiki
以下ネタバレ含めての感想です。








10作に一個は名作と呼ばれている作品を挟んでプレイしないと心が死ぬと学びました。
というわけで、この感想がいつ投稿されるかは分かりませんが、2022年の20作目は「Making*Lovers」に。


プレイ時間は約15時間15分くらい。
7でもインストール、起動可。
ディスレス起動可。


イチャラブに定評があるSMEE、今回初プレイになります。
ただ、ライターの一人である(というかおそらく中心の)早瀬さんは去年個人ライター作『日向千尋は仕事が続かない』(※リンク先感想)で触れており、その際にとても上質で無駄のない固定カプゲーを作られていたのと、ライターさんの評判の良さから「この方なら大丈夫でしょう」と安心してプレイさせて頂きました。


実際にプレイしてみてその安心が裏切られる事は無く、とにかくテンポが良くてビックリ。
会話と地の文のリズム、ボケとツッコミのテンポの良さが尋常じゃ無かったです。
ブランド色と違わずシリアスの殆どない日常ゲーなのですが、日常会話の面白さはピカイチ。
更に5年前の作品の為、今どきのノリのまま、そして「このネタ古い」と感じる箇所は少なく、良い鮮度で楽しめたと思います、こういうのは鮮度が命(まぁ、この辺りの感覚はプレイした年代でまた変わり、また先の時代でプレイすると「ノリが古い」となりそうですが…)。
一切軽快なリズムが途切れる事は無く、「お、シリアスに入るか…?」となったらボケが入り、「お、ロマンティックを続けるのか…?」という空気になったらボケが入り。
「これ以上シリアスっぽさorロマンティックを続けたらダレるかな~」という絶妙なタイミングでギャグに進む為、全く飽きる事は無いというダレ知らず。
SMEEなので早瀬さんの手腕の力は確かに大きそうですが、他のお二人のライター、モーリーさんと岸田さんの文章にも初めて触れましたが、三人の文章が絶妙に絡み合い生まれた軌跡のリズムだったと思います。
気が付いたら一時間軽く経過しているという恐ろしさ。
更に本作は各キャラ「進展編」が5番までその後に「恋愛編」が9番まであり、全員がそのナンバリングに漏れる事無く進むので話の長さの目安が付きやすかったのと、1ナンバリングにつきプレイ時間が10~15分というある程度の長さも決まっていたので自分の空いた時間でこまめにプレイする事が出来るというユーザーフレンドリー設計でとても快適でした。


テンポ、リズムが良く、話の長さも目安が付きやすいという神仕様な上、今作はとにかく主人公が愉快なヤツで。
色んな仕事を転々としており開始時は決まった職には就いていませんが、ヒロインが決まるとそのヒロイン関連の仕事に直ぐに就きますし、ちょっと我が強く横暴な部分がありつつも、空気は読めるし、要領は良いし、コミュ力はあるし、職場にサクッと入り込めて適応能力も高く、そして何よりボケとツッコミ力が強いというこのタイプの作品の主人公として重要な要素をかなり担っています。
ぶっちゃけ、重度の処女厨、独占厨、恋愛の過程重視厨じゃなければコイツモテてただろう枠。
まぁ、あとは過去の初恋の云々が無ければ絶対に普通にモテてたかと。
大学とかに居て本人のこだわりさえなければフツーにモテてそうなので、こだわりによってイチャラブ系作品の主人公になってた所が面白かったりしました。
「付き合ってからの恋」がコンセプトにありますが、主人公のこだわりがこだわりなので、肉体関係を持ってから~などは無く、「付き合う」は前提にありながらもちゃんと過程を得て恋人になって行くのでその辺りも過程が大好きな自分としては最高の流れでした。
途中のデートの場所を選択できるターンがあるのですが、その際も関係が深まる前からラブホを選択出来、しかもそこで何も起こらずギャグが展開される流れがめちゃくちゃに好きで好きで。
会話が面白過ぎて全デートで選択した場所での会話を見てしまいました。


上記で語ったように主人公が大学卒業しており分岐した先のヒロインのコミュニティに入りそこで同棲したり新しい人間関係が構築され物語が展開する為、「ヒロインの方から主人公の側に入ってくる」という従来の作品とは人間関係の築き方が違ったのもまた面白く。
妹…は義妹が居て、年上年下キャラは居ますが、幼馴染、上級生、下級生、同い年などの学園モノで定型化されたような関係にはあまりなっておらず、ヒロインに沿ったコミュニティの中での新しい出会い…つまりサブキャラとの関係性が豊富で、ルート分岐しなかったヒロインよりも各ルートでのサブキャラとの関係の方が濃いという面白い関係図になっていました。
更にサブキャラはそれぞれ街の中で独自の生活リズムがちゃんとあり、各ルートに進む事でサブキャラの住んでいる場所や職場、生活ルーティンが分かるという仕様。
このキャラの住んでる場所はココで、ココで働いていて、このキャラと友人関係にある、などなど、各ルートに進む毎に開示される設定が楽しく、RPGなどでサブキャラのイベントを追いかけるのが好きなタイプとしては心踊るものがありました。


と、褒めに褒めているくらいに「ダレる所が無い」本作ですが、思った所が無いわけでは無く。
数点思ってる所を上げると、一つは主人公がヒロインのコミュニティに入っていくタイプの作風の為、ヒロイン同士の掛け合いはほぼ皆無という所。
これは固定ヒロインゲーなら良いのですが、折角複数ヒロイン居るのにヒロイン同士の会話が無いのは残念だなーと思ってしまう所があったり。
まぁ、だからこそ下手な修羅場は起こらないので、その点では安心してプレイできましたが、やっぱりもう少し会話があっても良かったなーとは思います、関わってくるの義妹の亜子くらいなので…
二つ目はイチャラブに特化しておりシリアスを極限まで省いた結果、起承転結の「転」の部分が無い為話を全体で見ると平坦になってしまっている所。
イチャラブとしてそこが良いんだよ!と思いつつも物語として見るともうちょっと起伏も欲しいなーと思ったり。
話における大まかな目標が「ヒロインとのイチャラブ」以外に目的があるキャラがほぼ居ない為、いつの間にかエピローグになっていた部分がありました。
その分日常会話が鬼ほど面白いので問題は無いのですが、物語の「転」の部分があったのは亜子と可憐くらいかな?
なので、話を強く覚えてるのがその二名で人気が大きく二人に分かれそうだなーとも思いました。
三つ目はあまりにも日常会話が面白すぎてエロシーンでのエロティックやロマンティックになるとなんとなく「いきなり変わった」感があった所。
いままでハイテンションでワイワイやってたのに、エロでいきなりしおらしくなるので、エロだけテンションが追いつかず、色気というものを感じにくく。
「早く日常会話に戻りたいな~」となってしまうという謎の感覚を味わいました。
とにかく日常会話が面白すぎる為、エロやイチャラブロマンティックになると浮くという、バランスの難しさというものを感じました。


絵は今回が初原画らしい谷山さん。
なんというか…独特の絵柄でした。
等身的には高めで好みなのと、正面絵は良いのですが、横向きと真横を向いた際の顔に違和感があるというか。
顔の輪郭が独特な感じ。
体の肉感や、体型や構図は良く、それぞれのキャラが全く違う体型で巨乳、貧乳、スレンダーからふっくらまで身体の描き分けは最上級に素晴らしいのですが、やっぱり横を向いた場合の顔の部分にどことなく違和感がある為、顔と身体にどこかアンバランスさを感じた所はありました。
今後もSMEEで原画を担当されていらっしゃるみたいですが、その辺りのバランスが良くなると良いなーとは思いました(今は良くなってるかも)。
ヒロインの泣き顔が立ち絵で存在しますが、シリアスがほぼ一切無い為、「シリアスシーンで使われる泣き顔」では無く「ギャグシーンで使われる泣き顔」という面白い使われ方をしていました。
ここまで泣き顔を一切シリアスで使わない作風もまた個人的に珍しかったです。
あと、ヒロイン以外の立ち絵だと数キャラしか立ち絵が無いのでもう少しサブキャラの立ち絵も見たかったなーと思ったのと、各ヒロイン私服のパターンが本当に多く、洋服を見ていても飽きなかったので、クリア後に立ち絵鑑賞モードなども欲しいなとは思いました。
公式HPで数着は確認出来ますが、全部一気に見る場所も欲しかったです!!
背景絵に関してはなんかもう、パーフェクト。
街の背景もですが各ヒロインの部屋がしっかりと書き分けられており、それぞれのヒロインの性格を伺えたり、主人公の部屋にハプニングが起こると背景にも反映されたりと美術方面には隙が無かったです。


エロは上記でも書きましたが「日常会話の方が面白すぎて個人的に盛り上がらない」という謎の感覚になったタイプ。
エロ単品で見ると悪くはない、悪くはないのですが…
盛り上がって好きな人は好きだろうなーと思ったのですが、自分はテンションをどこに持っていけば良いのか分からず、エロよりも日常会話の方にライターさん達のパッションを強く感じた為、あまりエロにノリ切れませんでした。
ただ、イチャラブ物としてのエロとしてはかなり良いと思います。
イチャラブでガンガン抜ける!!というタイプの人には満足度は高いと思います。
ただ、全員エロシーンが平等化して欲しかったというか…回想で亜子と咲だけ5つで他は4つなのはズルさがありました。
亜子はまぁ話の展開的になんとなく分かりますが、それでもここまで全員の話の長さを平等化してるならエロも平等化して欲しいなーと思ったり。
固定ルートが決まってる作品だったり強い主張がある作品以外だと全員なるべく平等が好きなので、そこは好みです。


音楽は主題歌もEDも個人的には強く来る物は少なかったのですが、ジワジワと好きなタイプ、スルメ曲(?)。
特にEDは聴いてるともっとクるものがありそうなので、聴き込もうと思います。
BGMは「IKEIKE&DRADRA」「あわわわわ!」「人生はいつだって戦いだ」が印象に残ってます、戦闘っぽい勢いの良さがある曲が多いのですが…どれもギャグシーンの曲ですね。
テンション高くワイワイガヤガヤギャーギャ―してるシーンが本作でやっぱり一番印象深いです。
と、言いつつも、亜子ルートと可憐ルートで「転」の時に流れる「さあ、走れ」は数少ないシリアスシーンで流れますが、そのシーンが良すぎて印象に残ってます。
やっぱり少しでも「転機」があるルートは印象深いです。
声は、素晴らしい、最高、メイン、サブ共に上手い。
本作はギャグのテンポとリズムが命!な所がある作風なのですが、全員台詞回しが良く、ちょっとした所で笑ってしまう箇所が度々ありました。
今までテンション高く会話していたキャラがスン…と落ち着くギャップで笑いを誘うシーンが豊富なのですが、全員素の演技が上手い上手い。
本作はわりとテンポの7割くらい声優さんの演技力で進んでいたと思います。
亜子役の羽鳥さんは初めてお聴きしましたが、一番ハイテンションからの素の演技がめちゃくちゃ好きでした。
素の時の低っい声でのツッコミたまらなかったです。
咲役の月野さんは「幼馴染のいる暮らし」でお聴きしましたが、こう…エロゲ声優の声質としてのズルさがありますね、月野さん。
演技もですが声質が本当にズルい、可愛い、清楚、庇護したくなる要素盛り沢山で、声質での才能をやっぱりバシバシ感じました。
レイナ役の森谷さんはお聴きするのは3キャラ目かも、キャピキャピギャルしながらもどこか繊細な部分を持ち合わせている演技はGOOD。
ただ、個人的には「ましろ色」の「紗凪」くらいの音域が好きなので、時々ツッコミで低くなる時に「これよこれ!」と思ってました。
可憐役の北見さんは、なんかもう、ベテランの領域。
素になるツッコミ力は正直他キャラよりも薄めですが、キャラクターそのままで演技をするという演技力の面では一番お上手だった気がしました、流石でございます。
ましろ役の恋羽さんは今回一番演技での声質が大変好みでした、ウィスパーボイスはヤバい、弱いんだ…
不思議系少女にフワフワした部分が合っていたと思います、まだ出演作が少なく、他キャラの声優さんからみると演技の面では若干後少しな部分を感じましたが、今後を楽しみにしています。
そしてサブキャラもまた素晴らしい方ばかり。
サブキャラに海原さんやあかしさんは強すぎですよ…特に海原さんのお姉さん声が好きなので母親の気怠げな低っい声を聞く度に幸せでした。
というか海原さんは速攻で声が分かります、流石。
男性キャラの方もまた上手く、 大内さん役の野☆球さんとベッキー役の深川さんが大変良く、ましろのお父さん役の九財さんの声も少し前に出演作の乙女ゲーをプレイした事もあり印象深かったです。
エビのオマール役の榎津さんの「エビエビ」も大変可愛らしかったです、マスコットキャラ系好きなので(エビが可愛いかは微妙ですが…)。
全キャラ掛け合いも当然のように面白く、登場頻度の高いサブキャラの声優さんが基本上手く、聴いててどのシーンも大変楽しかったです。
(そういえば今作、月野という名字の声優さんとキャラが居たり、北大路という名字の声優さんとキャラが居たり、キャラと声優さんがイコールにはなって居ませんが、同じ名字の声優さんとキャラが居たのを見かけた時に何となく面白かったです。)



プレイ順は
亜子→咲→レイナ→可憐→ましろ
の順で攻略



『小鳥遊亜子 ルート』
必然の恋。
超メインヒロイン、義理の妹であり主人公の初恋の子。
ぶっちゃけ、亜子のルートを見てしまうと運命論者の自分としては他ルートが霞んでしまった所はありました。
それだけロマンに溢れていて。
昔から亜子の事が好きで、だからこそ主人公は恋愛にうるさくなってしまい。
でもあくまでも妹だから離れようとしていて、「手を出しそうになったら離れる」という自分の決意の元離れていたという話。
主人公の恋愛音痴に過去若干の影響を与えている為、他ヒロインとは一線を画していた所が強くありました。
亜子が義妹なのは公式から分かっていたので「今どき実妹の時代で義妹とかある意味で攻めるなー」と思っていたのですが…予想を裏切られたのは亜子が家に来た側では無く、主人公が義理の息子で家に来た側だった事が判明するラスト。
義妹って結構妹側が来るのが良くあるパターンなのと、主人公の名字を自分で改名出来るシステムで上手く騙されましたね。
序盤から亜子と母親の血縁は分かるシーンがあったので、母親の連れ子?と思ってましたが…まさかの主人公が義理の息子だったとは…
主人公の両親が亡くなり引き取られた先が小鳥遊家で、そこで孤独な主人公を支えたのが亜子だったというのが初恋の始まり。
そんなん、亜子好きにならざるを得ないというか、幼い頃の思い出とかにめっぽう弱いので主人公が亜子を好きな気持ちにめちゃくちゃ引きずられました。
このルートを初手にやって失敗だったのは、この後に他キャラ攻略していても「やっぱ一番は亜子ルートだな」となってしまった所。
それだけ自分の好みにドンピシャで。
親との関係も決して崩れる事は無く、父も母も、主人公が家を出た時から「分かっていた」というのがニクい。
「シリアスを無駄に引き伸ばさない」のスタンス通り、サクッと受け入れられますが、ラストの「亜子を好きなのは知ってた」という両親の空気感というか、許容がめちゃくちゃ良くて。
シリアスは決して無いけど、主人公と亜子の強い絆がビシビシと感じ取れる、「ロマンティック」という言葉が似合うとても良いルートでした。


『鳴瀬咲 ルート』
偶然の恋。
なんだろうな、咲さん、見た目も声も性格も悪く無いのですが、全部クリアすると個人的に若干薄くなりがちでした。
覚えてる部分が少ない…
テレビ局での仕事風景とか大内さんとの掛け合いとか、面白かったのは面白かったのですが、起承転結の「転」が無いので、「掛け合いが面白かったです」で収まってしまうのがなんとも。
かざみさんと友人関係だったり、実家が裕福なお嬢だったり、年齢から焦りは確かにありつつも優雅だったり。
色々と安定感や安泰なヒロインだったと思います。
マンション買えるご実家とかスゲーなとか、ブルジョア面での記憶が強いです。


『鹿目レイナ ルート』
怒涛の恋。
彼女もまた、起承転結の「転」が薄めなので記憶が薄いですが、咲よりも印象は残ってます。
しっかりとモデルに進む姿が描かれてたりとか、「主人公がスカウトされて海外に行くかも」という「お、シリアスか???」になりつつもレイナは「夢に向かって仕事をする」という事を一番知っているからこそ快く見送って変なゴタゴタやモヤモヤ一切する事無く「夢に向かう為に遠距離になる」を嫌味無く描いていて流石イチャラブに定評のあるメーカーだ…と唸らされました。
他の上手くない所だとこの遠距離という部分だけで薄暗くしがちなので、大変良いサッパリ感。
生活拠点になる女子寮も他のサブキャラの女性キャラである彩夏とかざみも住んでいて彼女達の私生活も見れたり、サブの女性キャラの姦しいドタドタが大変楽しかったです。
さり気にこのルートに出てくる「女子C」の演技と台詞回しがめちゃくちゃ好きでした。


『北大路可憐 ルート』
再会の恋。
大学時代の腐れ縁。
仕事を辞めた日にルームシェアをしていた友人(最早友人か?)に通帳印鑑カード諸々盗まれ家も追い出され浮浪しているという彼女の境遇は本当に可愛そう。
他のヒロインはわりと一人でもなんとかなる感がありますが、彼女は「主人公が助けなかったらどうなってたんだ??」という部分が強く、可愛そう度が強い為、若干同情値が高いです。
主人公のお節介で一緒に暮らし出し、可憐の良さに気付いて行くという…他ルートよりも主人公がヒロインを好きになる過程がかなり丁寧だった為、「主人公がヒロインに対して好きを惜しまない描写」が大好きな自分にはかなり刺さりました。
可憐ルートでは可憐が「フラワーアレンジメントの大会に出る」というのが軸である為、起承転結の「転」も備わっており、物語も平坦になって居なかった所も印象に残りやすく。
最後に大賞は逃すけれど、「結婚」をモチーフにして作った花で「結婚部門」で賞を取れたというのがドラマがありました。
まぁ、「大会に出る」が軸にありながらも話の中であまり花をアレンジするシーンが無い為、「大会に出るならもっとアレンジメントの練習しろよ…」と思わなくもないですが、そこはイチャラブゲーなのでやむなしか…
大学時代の悪友と再会からの怒涛同棲、そして夢を叶えるために大会に出場と色々とターニングポイントの多い「ドラマチック」という言葉が似合うルートでした。


『月野ましろ ルート』
突然の恋。
店員としての会話だけのましろの印象は「ウィスパーボイスで大人しい系か?」と思っていましたが、いざルートに入ると自分の世界を強く持つTHE・不思議ちゃんでテンションが上がりました。
青白い系統の髪や目の色彩にウィスパーボイスで不思議ちゃん…自分の好みの欲張りセットで、一番キャラクター的に好みなのはましろです。
とにかく会話がぶっ飛びまくるのが楽しくて楽しくて。
フィクションでの脈絡の無い会話とか右往左往に内容の軸が飛びまくる会話とか大好きなのでましろとの会話は不思議、独特系会話が好きな自分にはたまらなかったです。
彩夏とかざみの昼の職場であったり、花屋のベッキーが常連だったり、立ち絵があるサブキャラが一番出てくるのはこのルートかも。
エビのオマールの突拍子も無い展開など一番ギャグ色が強いルートだとも思います。
ましろの独自の空気を楽しいと受け入れていく主人公を見ていると「やっぱりコイツ、適応能力高いな」と感心したり。
起承転結の「転」は薄めですが、ギャグ色が強い為、かなり印象深いルートにはなってました。
まぁ、ただ、ラストの「指輪を海に投げ入れるフリをする」というましろの行動は頂けないかなーと思う所はあります。
「投げ入れて無くてわざと」なのは察しては居ましたが、主人公はなんだかんだ勘が鋭かったり気を使うタイプなので、今までのましろの言動から「もしかして自分に自信が無くて分かれる気なんじゃ…!!?」という思考になっても仕方ないですし、そこから焦って海に投げ入れられた(と思っている)指輪を必死に探すのも分かります。
ましろは天然でそういう気は無いのは分かっているのですが、「誰かを試す」という行為が好きじゃないので、ましろの天然からの冗談だとは分かりつつも「うーん…」となってはしまいました。
ラスト以外はかなり全部に渡ってテンションが他ルートよりも高く、「コメディ」という言葉が似合うルートでした。



全てのルートが綺麗にチャプター分けされていて長さもほぼ同じで、全ヒロインに統一感を持たせつつも、亜子と可憐の「最初から主人公を知ってる組」の物語が若干強かった印象はあります。
故に他の3人は主人公との既に持っている関係性以外で戦わないといけない中、戦えてたのはましろの「コメディ」での強さくらいだったのが少し残念ではありました。
それでも、この手のシリアスを最低限まで削りに削り、「日常系」だけで勝負した作品としては常に楽しく、会話でダレる事は決して無いという非常に出来が良い作品だったと思います。
「これ以上笑ってなるものか」と構えていても所々で「くっそwww」みたいな笑いが漏れたので正直負けです。
2017年のエロゲの中でも上位にあり、評判が良いのにも納得の作品でした。
SMEEはイチャラブでかなり強いメーカーだというのは知っていましたが、その強さの片鱗を見る事が出来、プレイ出来て大変良かったです。



※ゲームの攻略で検索される方がいらっしゃるみたいなので参考にさせて頂いた攻略サイト様を失礼します。
参考攻略サイト様:誠也の部屋 様
https://seiya-saiga.com/
 Making*Lovers ページ
https://seiya-saiga.com/game/smee/makinglovers.html