ひっそりと群生

ひっそりと持ってるCDの情報やゲームの感想上げたり。購入物の記録など。気ままに。飽きっぽいので途中で止まったらご愛嬌。

【こいとれ ~REN-AI TRAINING~】感想

【男性向け18禁】



MANYOさんの担当されたゲームをクリアしていく企画35弾。



2007年06月29日発売
銀時計』※リンク先公式HP(18禁)
こいとれ ~REN-AI TRAINING~】(PC)(18禁) ※リンク先wiki
以下ネタバレ含めての感想です。






プレイ時間は約20時間30分くらい。
7でもインストール、起動可。
ディスレス起動可。


悪名高かったらしい銀時計。
前作の完全なパッチを出さないまま解散したのでそこはまぁ。
そんな悪名高い中ででもそこそこに評判が良かったので始めましたが…うん、ビックリするくらい合わない部分が多かったです。
合わなかった中で良い所も確かにあったのでまずは良かったと思う部分から。
キャラの動き、スクリプト部分は凄く頑張られていたなと。
動きが細かくてシナリオライターの方がスクリプト担当なのも納得の動きでした。
視点が三人称になるとメッセージウィンドウの色が変わったりして読みやすかったのも良く、UI関係はかなり良。
パッチ関係で修正しなくても問題無しなのは前作の噂を聞く限りでは凄い事かと。
会話も恋愛関係を色んな分野で説明して行ったり恋愛心理学を語るのと様々な箇所で推理的に理論を突き詰めて行くのは面白かったです。
駆け引き要素がミステリーでの推理フェイズの流れ組んでいたのは読んでいて大変盛り上がりました。
ルート個別で見ると好きな部分もあり、主張も中々に面白く。
恋愛とは娯楽であるから無くても人間セックスは出来るし繁殖は出来る。
けれど、恋はあった方が気持ちが盛り上がるし何よりも楽しい。
これをエロさえあればエロゲになる、恋愛を描かなくても、陵辱や抜きゲーでも究極的にはエロゲになるという媒体で書いているのが面白いなとも思いました。


…と良い所も確かにありましたがしかし今作、恋愛に対してある程度の自分なりの解答を持っている人間には向かないとも思いました。
自分の中で恋愛というものは「愛はきっと奪うでも与えるでもなくて 気が付けばそこにあるもの」とミス◯ルから教わりました。
まぁ冗談っぽく歌詞を引用しましたが、結構本気で。
自分は「いつの間にかそこにあったもの」が恋愛だと思っています、なので、この歌詞を最初に見た時には自分の恋愛観をピッタリと言語化されていて驚いたものです。
個別ルートに入ると主張や共感などで好みの話もありましたが、共通ルートの恋愛観が非常に合わず。
本作の恋愛部の発端ですが、まず、主人公は別に恋愛をしたい!と強く思っている存在では無いです。
むしろそれ以外の事が本当に大変で。
作中、雅が「恋愛は嗜好品」だと言っていますが、これは非常に的を射ていると思います。
恋愛とは自らが「したい!」「無いと生きて行けない!」と思っているタイプでない場合、心の余裕が無い人間には難しい物だと思っています。
戦争や飢餓が激しい所でも恋は確かに生まれますが、いつの間にか芽生えていたり恋愛を自らグイグイと進める人間以外で、戦争や飢餓、それは極端だとしても鬱などで心や生きる事に余裕が無く恋愛に重点を置いていない人間が恋愛にまで心のリソースを割けるか?と聞かれたらNOだと思っています。
他人から「恋しろ、恋に時間を割け」と言われてYESと答えられるとは思えません。
では、作中、主人公には開始時に余裕があったか?と聞かれれば自分はNOだと思います。
開始時の数日前に唯一の親である母を亡くし、妹と二人で暮らしていくと決めた主人公。
生活なんてゴロッと変わりますし、新しい生活に成れるだけで手一杯です。
そんな中、いきなり「恋愛部に入ろう!」と誘われます。
最初は断る中で、誘ってきた女子部員が主人公の手を掴み自分の胸に主人公の手を当て既成事実を作った所から勝手に恋愛部に入れられる事になります。
まず、やり口が汚いなと思いました。
こんなん男性拒否できるわけないじゃないですか、こんな女の武器を使って既成事実を握られたら入るとしか言えなくなる。
痴漢冤罪で訴えられてる男性と同じ構図ですよコレ。
しかも、誘った側は主人公の家庭環境も全く顧みず「恋愛しよう!」「恋愛は余裕がないと出来ないんだから余裕を持とう!」という流れになる始末。
余裕、どう考えても今の主人公の状況では無いでしょう…と。
「余裕がないと言い聞かせていた」と主人公は言いますが、言い聞かせるも何も実際この状況は余裕が無いと思いますし。
開始から「恋がしたい!」「恋が分からない!」とか自ら言って悩んでるタイプでも無いですし。
それに対して「余裕を持とう!」みたいな流れも分からないし、こんなに自分の家庭事情を見てもくれない人ばかりで既成事実を作って入部させる部活に好意的になったり「もう一度部活に行きたい!」となる主人公の発想が異次元でひたすらに???でした。
自分だったらこんだけ忙しくて大変な状況になった家庭事情を汲み取ってくれない人間に好意的にはなれません。
「深層心理では恋をしたいと思っていたが気付いて無かった」と言われたらそれまでで、それが無いものを探す「ホケマクイ」なのかもしれないですが。
そうだとしても「ホケマクイ」を探す時でも「ホケマクイ」が欲しいという認識はあるわけで、もう少し開始最初、恋愛部への勧誘前から主人公の恋への心理、恋を知りたいなどの描写を書いて欲しかったです。


さらにはラブロワというゲームとしての恋愛部分。
この「ゲーム自体」はルールに大きな穴があるのを除けば大変面白い内容だと思いました。
ただ、「恋愛をゲームとする」という方法は自分には合いませんでした。
「恋愛をゲームにしても本気になれば本物になる!」という言い分ですが。
そりゃ「ゲーム」をゲームとして本気で遊べば本物になります。
でも恋愛って根本がゲームではないじゃないですか。
PSのゲームやボードゲームを指差して「これはゲームですか?」と聞いたら10人中10人が「何言ってんだコイツ」と思いながらもゲームだと答えるでしょう。
でも「恋愛はゲームですか?」と聞いた場合10人中10人がゲームと答えますか?という話。
確かに数人は「ゲーム」と答えるかもしれません、そういう価値観の人も居ます。
しかし全員が全員「ゲーム」と答えるとは思えない上に、1人は「恋愛はゲームである」という価値観に嫌悪する人も居る可能性があります。
この、「本来はゲームでは無い物をゲームとする」というのは非常に危うい物で。
例えば「勉強をゲームにする」これは結果さえ出ればおそらく問題は無いです、何故なら勉強する自分も教師も親も最終的に覚えて成績が上がる事が目的だから。
誰かの感情に差が大きく出る物では無いからです。
しかし恋愛は違います、「恋愛はゲーム」とする事で嫌悪感を覚える、傷付く人間が出るからです。
恋愛部でのラブロワは確かに「部員以外に迷惑をかけない」というルールがあります。
しかし、「パートナーが部員以外と恋愛する事」をルール違反だとはしていませんでした。
ここが上記で書いた大きな穴で。
ゲームではない物をゲームとした場合、必ずと言っていいほどゲームで無かった本来の目的とゲームで勝つ事の手段が入れ替わる事が起こります。
ゲームになった以上、勝ち負けが存在するようになり、「ルールに反さず穴を突いて勝てば良い」という流れが起こります。
ラブロワの穴というのは、「パートナーが部員以外と本気の恋愛をしているように見せかけてエッチの前で寸止めにしつつ、自分の安全は確保した上で組んでいる部員が他のパートナーを脱落させるように仕向け、最後の最後でパートナーが部員以外の人をフる」という構図が成り立ってしまうわけです。
部員以外に迷惑をかけているように見えますが、パートナーが「本気の恋愛だった!」と主張すればそれはまかり通ります。
ルールが感情に左右される以上、感情で押し通してしまえばそれは通ってしまう。
そうなったら確実にラブロワで使われてしまった部員以外の人物は傷付きます。
本作ではそういう行動を取るような人物は登場はしませんでしたし、カナが大丈夫な人だけを部員にしていた~とありますが、それは結果論であって、ルールに感情で左右される穴がある以上、全力で楽しめる「ゲーム」では無くなってしまっていました。
そして、「恋愛はゲーム」を例えば「友情はゲーム」に置き換えたとして、これで快く部員以外で友人になってくれる人が居るのか?という話にもなります。
居ないと思いますし、ゲームが終わって巻き込まれた部外者に真相を伝えた時点で友情は破綻、もしくは嫌なシコリが残るでしょう。
これは恋愛でも当て嵌まるかと。
ラブロワ…ゲームで付き合っていた事を告げずに居続ける事も出来るでしょうが、その場合は永遠に自分の中で抱え込み、死ぬまで嘘や黙秘を貫き通し、墓場まで持っていって「ゲーム」だった事を本物にするしかないです。
要はやり方が駄目な方の陽キャなんですよ。
「罰ゲームで告白~w」や「告白している人を囃し立てる」のとやってる事が一緒。
あまりにもやり方が陽キャ陽キャで。
しかも部員殆どが美人だったり名家の息女だったり才女だったり…カーストも高い。
そういう嫌な陽キャ独特の「恋愛はゲーム」観に巻き込まれた事のある自分からしたら見ててたまったもんじゃなかったです。
せめて「部員内だけで争う」だったら良かったのに、「パートナーの恋愛は部員以外でも出来る」とかしてるもんだから、合コンやってたグループがいきなり店の外に飛び出して他人を巻き込むのと同じノリになってたのが本当に辛かったです。
陰キャの自分の恋愛観には尽く反していて見てて胸焼けを覚えました。


そして同性愛に対しての行動があまりにも酷い。
蛍子が同性愛者だった時の先天性か後天性か、ここの解説までは学術的な説明で有りでしたが、その後、後天性だった場合の対処法が「同性愛を矯正して異性愛にする」という流れだったのがまぁ見てて気持ち悪くて気持ち悪くて。
いや良いんですよ、コレは男性向けのエロゲーなんですから異性愛が主軸なのは当然です。
異性愛を中心に進むのは当たり前です。
ただ作中に同性愛者が居たとして、それを「変えていこう!」とするのは、それは大きなお世話なんじゃないでしょうか?
人の恋愛観は人それぞれなんだから「それも受け入れよう」「それはその人の価値だから放っておこう」とするのが恋愛への理解なんじゃないのかな?とそこで「矯正」みたいな流れが出た時には流石に「恋愛を理解していこう!」が主題のゲームでそれは無いんじゃ…とビックリしました。
ラブロワでの勝利条件が「異性相手のみ」だったり、作中登場する同性愛者らしい生徒会長への対応もですね。
「ホモ会長」と言って明らかに馬鹿にする方向で人の性愛を語っていて。
「恋愛」を描いてて「恋愛を真剣に探している!」という話なのに他人の恋愛観や性的指向を馬鹿にするのはちょっとあんまりにもそれは…登場人物が偏見に塗れに塗れた表現をしてるな、と頭を抱えました。
「恋愛」を描くなら男女だけを描くにしても男女だけが絶対!ではなく、女女、男男、全方向の恋愛を登場人物達には認めていって欲しかった。
同性愛者=性同一性障害もなぁ。
別に性同一性障害者の恋愛観が=で同性愛になる事は無いとも今は言われていますし。
今とはあまりにも違いすぎてて。
まぁ2007年らしいと言えばらしいですが、うん、まぁもうちょっと書くとしても偏見に見える主張が見え隠れしないように上手く書きましょうよというお気持ちになりました。


主人公やヒロインの性格も、皆ビックリするくらい悪い。
主人公は性格自体は悪いとは言いませんし、生活能力に関しては今まで家事の手伝いしてこなかった人間はこんなもんだと思うので仕方ないとは思いますが、上記の「自分の家庭環境を顧みてくれない人達に対して好意的になる」部分に???だったり、本作は章構成タイプで、章(月)によって攻略出来るヒロインが決まっているのですが、ヒロインを攻略出来る月に入った瞬間に主人公が攻略出来るヒロインへの気遣いや好意や近付き方がいきなりMAXになるのでそこも見ていて急で???でしたし(まぁ、これは別会社の別作でもそうだったので章構成になった故の弊害だとは思いますが)
とにかく主人公の感情の起伏の中間部分…感情の起承転結の転の部分がイマイチ掴めなかった所と、ヒロイン攻略月の攻略出来るヒロインへの対応がモロに変わってもう少しフラグを隠そうや、という気持ちに。
上記で書いたように「恋愛」への無自覚の気持ちもルート分岐してから発覚する後出し感があり、主人公が感情がある人間というよりも単に「物語の主人公」で終わって作者や作品の傀儡感が強かったです。
そしてヒロイン、まぁ全員尽く性格悪いですね。
個人への感想は下記にルート別に書きますが本当に性格が悪い。
そこが面白かった部分でもあるのですが、性格が悪いキャラを「性格が悪い!」として書いてるなら良いですし、性格悪いヒロイン大好きなのですが、性格が悪くても萌えゲーらしいフォローで「でも彼女は本当は良い子なんだよ!」という空気がダダ漏れで、そこが肌に合わなかったというか。
フィクションでの愛嬌があるキャラ的な性格の悪さではなくガチで現実的に性格が悪過ぎてドン引いたというか。
「性格悪いなら実は良い子みたいなフォローはいらないので、性格悪いを自覚して突き進んで下さい!!」と全ルートで思いました。
恋愛に難ある人間が集まってる前提なので性格に難があるのもまたある意味で当たり前なのですが。
「そりゃこんだけ面倒だと恋愛は出来んわな…」というヒロイン目白押しで。
好き嫌い分かれそうですが、そういう意味では大変面白かったです、性格悪いヒロイン好きなので(2回目)。
マシな性格してると思ったのがサブキャラ界隈くらいなので、プレイヤーとして素直に恋愛成就と幸せを願うのが主人公やヒロインではなくサブキャラだったのも中々に業が深いなと思いました。


エロに関しても、想いが通じ合って速攻で致すので他の萌えゲーと同じになってしまったのも残念。
各ルートの主張は面白いのと、恋人になってから3ヶ月~とかいう話もあったので、もう1テンポ追いて、想いが通じ合って恋人を堪能してからエロシーンに入って欲しかったです。
あとエロゲとはいえ小学二年生に他人がガスガス偏った性知識教え込むのどうかと思うよ?
抜きゲーとかギャグゲーならまだしも仮に「恋愛」を真剣に中心にしていてその部分も真剣に向き合ってる作風なのでやるならやるで囃し立てたり笑い事にせず、ちゃんと性教育して欲しかったです。


ボイスに関しては不可無し、名前有りキャラには全員ボイス有り。
キャラの性格はアレとしても、風音さんの演技は最高でございました。
そして誰よりも海役のこおろg…河合さんが本当に素晴らしく。
正直、海は母を早くに失った境遇とその聡さから自分の立場、立ち位置を理解しており、根がねじ曲がって無くて、今作で一番性格が良いキャラで。
世間の色々なものに塗れていない分、自分の感情が一番真っ直ぐで正直な性格をしていたと思います。
打算も駆け引きも無くて、ただあるがままに好きだと思った人を真っ直ぐ愛する。
最も「人を愛する」という感情に一番近かったのは海なのではないかと。
「恋」では無いのでは?と言われそうですが、「一番好きな人が好き」その感情には恋も愛も関係無いと自分は思っていて。
単に人がカテゴライズする為に言語化をしているだけで、本当は言語化出来る物では無く、「恋」も「愛」も変わらないと…「好きになってしまったら親子だろうが兄妹だろうが家族でも仕方ない」と思っている派閥に居るので、海のカテゴライズしていない「一番好きな人が好き」という感情こそが「人を好きになる事」だと見ていてしっくりしました。
(そういう意味では本作の登場人物達はカテゴライズされた感情にこだわり過ぎてて…そこもまた自分の恋愛観と違うと思った所だったり。)
その純粋さ、不純物の無さを河合さんは見事に演じられていました。
流石、ベテランは違うな…と、本当に素晴らしかったです。
音楽はMANYOさん追いしているのでサントラCDは持っています。
主題歌の「TIME」は神、バイオリンから始まる旋律が美しい。
CD未収録だった「TIME」のインストverがゲームには収録されていて、インストが欲しかったのでゲーム追いして良かったと心から思いました。
BGMは全体的に普通なのですが、「始まりに涙はいらない」はかなり好きです。
ここぞ!という時に流れるのですが、この曲だけクオリティが違う気が。
CDに収録されている「ラブロワ!」という歌唱曲が好きなのですが、ゲーム中全く流れないのには驚きました。
イメージソングとは知っていましたが、挿入歌ですら無かったとは…好きな曲だったので流れなかったのは残念です。


CGは背景は商業としては並以下かな。
公園でのブランコの遠近感がちょっと…
絵柄は個性的な部類、可愛いですが結構ノッペリ系。
時たま複雑な体位で違和感があったので、そこは残念。
メインの絵柄で強く惹かれるタイプではありませんでした。
ただ、ミニキャラは凄まじく可愛らしく、流石、こもわたさん。
所々で挿入されるミニキャラ表現は最高でした。


全体的に言ってしまえば「価値観の相違」になる部分があまりに多すぎました。
「◯◯をしたら△△をしてあげる」というような駆け引きをしても◯◯をした後に「あれは嘘だ」と反故にする事が多いので駆け引き物としても微妙ですし。
あと、ヒロイン達ばかりが行動面でも精神面でも優遇されていて主人公や男性キャラが不遇にも感じたり。
「男から行動するべき」「男ならデートで先導していくべき」など「男なら◯◯するべき」みたいな部分が多すぎます。
確かにそういうのが一般的に見えるかもですが、あまりにも男性側に押し付け過ぎていて。
もうちょっとこう、恋愛なんだから平等というか、対等さが欲しかったです。



プレイ順は
羽音→小萌→うたは→カナ先輩→恋子(カナ先輩ルート後攻略可)→高偏差値→低偏差値
の順で攻略



『小日向羽音 ルート』
一番「主人公必要だったか?」と思うルート。
羽音攻略月に入ってなんか唐突に主人公が羽音へのLOVEに目覚めるので、???になりました。
小萌に告白されかけてて…というか最早完全に告白と同じ様な事があった上で気持ちを保留にしたまま羽音にLOVEするので、ひたすらに「主人公ちゃんと小萌との事は清算せぇや」という気持ちに。
ひたすらに小萌が不憫で不憫で。
幼少期、比嘉に男子からのイジメを助けてもらっていた羽音、しかしそのイジメは本当は比嘉がけしかけていて。
助けてくれた少年の比嘉を比嘉から貰ったロケットに閉じ込めて大切にしていた羽音…というお話。
今作のヒロインの中では癖が無い方で純粋培養で全てを信じている善人…
に見えて実は比嘉が幼少期にイジメをけしかけていた事を本当は知っている上で比嘉を信じている辺り、彼女もまた他とは違う癖があります。
優しい方の比嘉を信じているように見えて真実を知った上で信じる自分を選んでいて。
彼女が信じているのは比嘉というよりも純粋な自分なんですよね。
比嘉の方が羽音は真実を知らないと思った上で羽音をなんとか恋愛部から開放して寄って来る男を蹴散らし恋愛部を廃部させたいと思っているのだから、正直比嘉の方が凄く純粋だなと。
純粋な少女に見えて計算高い羽音と計算高く見えて純粋な少年の比嘉の対比が面白かったです。
羽音の過去のイマジナリー少年比嘉への想いと、比嘉の無自覚な羽音への執着。
少女と少年のまま時が止まった二人。
お互いがあまりにもクソ重い感情で繋がっていて…こんなん主人公勝てるわけ無いじゃないですか!!
羽音ルートに感じた違和感は、「この二人の関係に主人公が割り込めるわけないよ…」の一点でした。
関係性萌えを持ってたら絶対こうなる。
羽音ルートをスルーすると比嘉とくっつきはしなくても仲良く居続けるみたいで。
正直そのまま主人公抜きで仲良くしてて下さい!と思いながら二人を見続けました。
ルート分岐するけれど、主人公が完全に異物だったなと思います。


『浅香小萌 ルート』
過去、小萌の目を傷付けた事で罪悪感を抱える主人公と、本当は目は治療で治っていながらもその過去を楯に主人公に迫る小萌。
うたはの悪い噂を流したり、自分と主人公が結ばれる為に様々な行為を働く少女。
良いね―、良い感じに性格が悪いよー、こういうヒロイン好きだ。
主人公に「自分が噂を流した犯人だった」と打ち明けるシーンも、「お前、ここで暴露されたら主人公は受け入れるしかないじゃん!」となる場面で打ち明けるので、良い感じに自分が受け入れられる箇所や空気…TPOをわきまえてる計算高い少女だったなと。
ただ、それ故に悪女を貫いて欲しかったというか。
自白するシーンも自分は「おっ、コイツここで自白すれば許される空気とか分かってんな」と思ってましたが、シーンとしては「彼女は実は嘘を貫けない良い子なんだよ~」みたいに描かれていてあくまでも良い子として貫こうとしたのが凄く違和感でしたし。
羽音ルートも、その後の分岐するルートもですが、ルートを逸れると結構あっさりと身を引いたのが違和感で。
主人公への想いは無くなってないっぽいですが、その後妨害も何もしなかった辺りに、「この女はこのくらいで諦めるとは思えねぇ…」と常に思っていました。
あくまでも「良い子」で描かれ続けたのが凄く違和感だったなー、最後まで諦めるんじゃねぇ、敵の目を抉れ!!
作風が作風で一応萌えゲーではあるので、良い子ちゃんを貫かないといけないのは分かりますが、ここまで強かにするなら最後まで強かで居て欲しかったです。
小萌と主人公の関係も、罪悪感で繋がりながらも恋愛に発展して行きますが、ぶっちゃけ罪悪感で繋がってしまう関係大好きなので、罪悪感で繋がったままでも良かったのでは?とも思ったり。
確かに罪悪感での関係は健全なものじゃないかもしれませんが…良いじゃないですか不健全、恋愛は千差万別。
本人達が納得してればそれで良いのでは?と思うのでもう少しダークに罪悪感だけで繋がり終わりを迎える…とかも見たかったです。
綺麗な恋にしちゃってよー、小萌には悪い女のポテンシャルがあっただけに萌えゲーで終わったのが残念でした。
エロは他ヒロインが2回くらいの中で一人だけ3回あるし自慰シーンあるし。
幼馴染特権と今までの主人公への想いの特権でしょうか、非常に優遇されていたと思います。


『沢崎うたは ルート』
小萌がフィクション的な悪い女という意味での性格が悪いキャラなら、うたはは単純に人間として性格が悪い。
見た目はアルビノ系で凄まじく好きなのですが、人としての性格が悪いのでひたすらに引いてました。
なにかある度に「死んじゃえば」と「許さない」の嵐。
あのさ、一年以内に唯一の親の母を無くした兄妹の兄に対して「死んじゃえば」は無いでしょう。
しかも唯一の肉親になった兄に妹の前で「死んじゃえば」とかどんだけ性格ねじ曲がってるんだよ…
いくら過去で主人公が自分と一緒だったピアノの道から外れたのを根に持ってるからと言っても、ねぇ。
かなり常識や倫理観が欠け過ぎてると思って口癖を聞く度に引いてました。
声優さんのトークでも「この口癖がキツくならないように頑張った」というお話があって。
そりゃ身内を近い内に亡くしてる人にこの台詞を吐くという設定では気を使いますよね、声優さんお疲れ様です…と。
主人公がピアノを止めた後の対応とか日常生活でも、自分の思った通りに主人公が動かないと「許さない」と言う始末。
別に主人公はお前のお人形さんじゃないんですよ、しかも言う事を聞かないと逆ギレして癇癪を起こすし。
うたはの話も「実はうたはは主人公の事を思って悪名のある恋愛部からは外そうとしてました~悪名が無い恋愛部なら存続させようとしてました~」な話で、他の恋愛部はうたはのこの事を知ってて主人公を責めますが、それもどうなのよ?
主人公は主人公の視点でしか見れないんですよ。
うたはの普段の態度を見てて「実は深く深く思っててくれました」とか分かりますか?
確かにプレイヤーは「そういう子なんだろうな」と分かりますが、主人公くらいの年齢であの普段の態度で察せられる訳ないでしょ。
「見えてない所も分かってよね!」「私の言いたい事気付いてよね!」ってそれ、典型的恋愛でのよく言われる女性の駄目部分じゃないですか。
人間見えてない部分は分からないし、ちゃんと話さないと伝わらない生き物でその為に言葉があるのに、そういううたはは「主人公を想っている部分」は隠してたのに周りが「主人公分かってない!分かってあげてよ!」となるからひたすらに???で。
主人公が本当に不憫で仕方ありませんでした。
「家族だった想いが変化する」「本当の想いに気付く」というルートでしたが、こんな子絶対に面倒くさいよ、そりゃ恋愛出来ないわ…とひたすらに駄目な部分を見せつけられるルートでした。
エロでも面倒くさいしな。
いや、でもエロは結構他の萌えゲーだとエロまで行くと主人公をサクッと体を開くヒロインが多い中でここまで拒否しまくるヒロインも珍しかったので、中々に珍しいものが見れたと思います。
見た目とエロシーンの新鮮さは好きなんだけどな~
単に性根が腐ってるだけで魅力の無い性格の悪さはやっぱ駄目です、苦手です。


『鹿子木ゆう ルート』
名家の一族の事もあり、男の子として生まれたら良かったと思っている自分を嫌いな少女。
章(月)を見ると最後にあたるのもあり、最終ルートに相応しい話でした。
「自分を嫌いで、女の自分を受け入れる為に男の子に抱かれようとする少女」
「女の自分を受け入れる為に本気の恋愛をしようとする少女」
恋愛部や彼女の恋愛への理由全てが「自分を好きになる為」に繋がっているという心理は面白かったです。
いやーでも、これ、究極的にはカナは「自分を好き」だと思うんですよね。
「自分の女の子の部分を好きになる為」に頑張るのですが、他人を巻き込んで恋愛部を作ったり、本気の恋愛の為に主人公を巻き込んだり、それって結局「自分の為に他人を巻き込む」という行為で。
それって、「自分が大好き!」じゃないと出来ない事だと思うんですよ。
自分が嫌いな人間というのは自分の行動は基本加害だと思ってます。
なるべく波風を立てないように、ひっそりと隅で隅で生きて、周りの要望には応えて…更には他人が自分の為に想いを割く恋愛なんてものは恐れ多くて手を出せないものなんですよ。
でもカナはそうじゃない、「自分を好きになる」というコンセプトは良かったのですが、やり方が「本当に自分を嫌いな人間」の行動からはかけ離れていて、見てて「ファッション自分嫌いじゃん!」「根底は陽キャじゃん!」とか思っちゃったりしました。
まぁカナは「自分が嫌い」というより「自分の女の部分が嫌い」だからこういう行動を取れたんだよと言われたらそれまでですが…まぁどちらにしても自分の為にここまで行動を起こせるのなら「女」の部分を好きになるのはあと一歩だったのでしょう。
自分の「人間」の部分が全て嫌いな側からしたら自分の為にここまで動けるこの行動力はある意味で羨ましいです。
最後のカナに対してのカナだから好きになった!という主人公の主張は好きだったり、女の部分を汚されようとして主人公を想い初めて拒否反応を示せたカナの心理部分は好きでした。
いつの間にか好きになってた系はやっぱり刺さります。
ただ、カナが自分を嫌いだったり、自分の女の部分を嫌いだったりする理由、一族を絡めるよりはもう少し性同一性障害と絡めても良かったのでは?と思ったり。
共通で性同一性障害の話が出たので、そういう子が居るかなーと思ってたのですが全く出ず、ちょっと肩透かしがありました。
本当に精神面で女の体と男の心で悩んでいて。
それでも、「主人公が人間として一番好き」みたいな結論になったら最高に自分に刺さったのですが、絶妙に外れてきて。
この話題を入れるとクソ重い話になってしまうので仕方ないかもですが。
生まれで「男」を渇望されていて「女」の部分に悩んでいて「自分が嫌い」というならその「女」の部分を真剣に受け入れてくれる人が現れたらそりゃ自分を好きにもなるので、深層心理での「女の肉体への拒絶」とかまでは行かなかったのは重くなら過ぎず良かったと思うのと、その重さを見たかったとも思いつつ。
悩ましい所です。
エロに関しては最初のエロで気持ちが繋がってないからと寸止めしたのは大変良き。
簡単にエロに行かない、エロが上手く出来ないとかの流れ好きなので、見ててニヤニヤしました。


『穂村恋子 ルート』
非処女キター!!!!
萌えゲーで非処女&男をとっかえひっかえしてた経験持ちは少ないのでテンションがひたすらに上がりました!!
過去の恋を忘れられない女性を攻略していくのは良いものだ。
恋子は家庭教師への恋をゲームだったから軽症と言ってるけどさー、忘れもせずこんだけ覚えてて、三人称での独白部分では凄く想いを寄せてるの見ると軽症じゃないですよ。
正直なんとも想ってない相手との付き合いなんてぶっちゃけ忘れるようなもんなのに。
その証拠に家庭教師の後に付き合ってきた沢山の男は恋子の中では話題には上がらないじゃないですか。
家庭教師の件は別物で、完全に初恋で特別だったんだと思うよー
このルートで最悪なのは恋もしてない癖に恋子のファーストキスも初体験も奪って行った家庭教師だとは思います
少女の幼気な恋心を踏み躙って全部奪ってから恋はしてないとのたまう家庭教師、嫌過ぎる。
しかも最後は「責任を取って辞めた」とありますが、コレ、恋子は親にも家庭教師との事を報告して家庭教師と付き合ってると言った上で辞めてるから実質逃亡でしょ、面倒だと思った女にこれ以上関わりたくなくて逃げた男の図ですよ。
正直こんなん女性側からしたら傷付きますし、恋子がこの件を「ゲームだった」と必死に理由付けしたの凄く分かります。
そういう理由を付けないと耐えられなかったんだよ恋子。
その後逃亡した後も電話してきてそれっぽい事言う家庭教師も最悪ですね。
こんな傷を負わされた相手から「ちゃんと恋をしろ」と言われたら、恋が何か逆に分からなくもなるし、男をとっかえひっかえするようになるのも分かる。
いや、本当に最初の恋で最悪な男に引っかかってしまったパターンで、恋子ぉ…となりました。
そんな恋子への想いを自分に向ける話、自分の真剣さを知ってもらう話で、そういう意味では大変燃えました。
お前の恋を書き換えてやる!系話、好きです。
完全に書き換わる姿が見える事がEDでは無く、これから書き換えてやる!なので若干「俺達の戦いはこれからだ!」っぽいEDですが…
でも、恋愛に終着点は無いのでこういうEDも有りだなと思いました。
主人公、絶対に恋子を裏切らず想いを寄せ続けてくれ…と切に願うルートでした。
あと、声優さんのフリートークで声が思った以上に高くて、低く演技されているのだと知りました、声優さんってスゲー。


『高偏差値 ルート』
『低偏差値 ルート』
選択肢が鬼のように多くて、本作攻略が無いと絶対無理ですね。
難易度的に凄まじく優しくないゲームだなと思いました。
攻略作って下さった全人の方に感謝。
分かりやすく高感度を稼ぎながらルート分岐しないような選択をしていくと高偏差値へ、好感度が上がらないような選択を選びながらルートをへし折って行くと低偏差値になります。
まぁやりたい事やそうなる理由も分かるし、こう最後に評価されるのは面白い。
でもコレ、言ってみれば女の子のご機嫌取りですよね。
「恋愛とは相手に合わせるものだ」というのは分かりますし、相手への気遣いがないと出来ないのも分かりますが、主人公の自己性は評価対象外なのがちょっと…という感じで。
主人公(男)の気持ちや心情を抜きにして、ヒロイン(女)のご機嫌取りだけを中心にした評価なのでコレはコレでこの場はなんとかなりそうですが長続きはしなさそうな評価だとは思いました。
勿論「ここでこの選択肢は好感下がるな…」というクソ選択肢もありましたが、ある程度自分の気持ちを貫いて相手に合わせて貰うのも大事で、そういうのもまた長続きする恋愛だと思うので。
この評価自体は面白くてもアテにはならなそうだなと思いました。
あと、この章構成型のルート分岐だったら主人公がガチで全ヒロインと関係を持ってラブロワ勝利していく流れも見たかったですが。
それだと作風変わりまくるからダメなんでしょうね、でも見たかったです。



各ルート、色々と面倒なヒロインでそりゃあ「恋愛が難しい」になるよなぁと納得もしてました。
主人公もまた「恋愛が分からない」と言っていますが、主人公は各ルートに入ったら唐突にLOVEが目覚める時はありながらもそのヒロインに対してずっと悩んだりし続けるので、本人は無自覚ながらも想いは寄せていたなーと。
一人の人を良い意味でも悪い意味でも思い続けるというのは、それはそれで相手の事を特別だと思ってる事になるんですよね。
単に言語化の違いというだけで、自分はその「特別」はある意味で「愛」だと思います。
そういう意味では主人公は間違いなく各ルートでヒロインを「愛」していたと思いますし、作中でピグマリオンの話が出てきますが、例え相手側が生きていない、心がない存在でも、自分から一方的にでも「愛」を向けていればそれは「恋」にもなるし「恋愛」にもなると思っています。
二次元への「恋愛」が良い例かと。
片方に心さえあって想いを寄せ続ければ「恋愛」は成立する、心の無い方の心を自分が補う形で「恋愛」になる、ちょ◯っツで習いました。
人間同士の場合は片方だけの思いでは「片思い」にはなってしまいますが、それでも片方の大切な「恋愛」で。
だからこそ、各ルートの主人公は「恋が分からない」と言ってる時に必死でヒロインを想い続ける姿に別作でも言いましたが「世◯はそれを愛を呼◯んだぜ」を爆音でかけてやりてぇ…となっていました。
要は「恋愛」とは自覚するかしないかなんでしょう、日常を支配されるほどの想いはそれはもう「特別」なのだから。


あとはサブキャラがめちゃくちゃに良い奴が多いので是非幸せになって欲しいです。
渡会は蛍子と幸せになってほしいし、比嘉は羽音と幸せになってほしいし。
正直現実的に恋愛をするなら雅と海が一番安定しそうなので雅には自分の恋を頑張って欲しいですし、海は将来絶対に良い相手と添い遂げて欲しいです。
経験豊富そうに見えて実は経験無さそうな雅、大変好きでした。
フリートークで雅と蛍子の中の人も一緒で驚いたり。
全然別人に聞こえていたので声優さんスゲー(part2)となりました。


色々と悪名高い銀時計作でありながらも好きな人は好きという作品に触れられて良かったです。
残念ながら自分は合わない所が多かったのですが…それでもコンセプトは好きです。
無自覚な人達が自覚する為に一生懸命になるというコンセプトは良かったです。
あと、主題歌のインスト版が聞けたのはある意味で一番の収穫でした。



※ゲームの攻略で検索される方がいらっしゃるみたいなので参考にさせて頂いた攻略サイト様を失礼します。
参考攻略サイト様:愚者の館(アーカイブ) 様
http://sagaoz.net/foolmaker/
 こいとれ ~REN-AI TRAINING~ ページ
http://sagaoz.net/foolmaker/game/k/koitore.html