ひっそりと群生

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【紅湖の皇子】感想

【男性向け18禁】



2007年08月22日発売
雨傘日傘事務所』様 ※リンク先公式HP(18禁)
紅湖の皇子】(PC)(18禁) ※リンク先DLsite.com(18禁)
以下感想です。








大事な人の為、彼は覚醒する。
それでも、綺麗なものはここにある。



『辺境の村で静かに日々を送るエルフの親子。
 しかしある日、村に恐ろしい人買いが現れて、彼等の平穏は一転します。
 棲家の小屋は焼かれて無くなり、慕った母はさらわれて無くなりました。
 偶然に知り合った奇妙な少女に手を引かれ、主人公は母を追って旅をします。
 そして、港街の娼館『逢魔刻』では、囚われた母エルフへの淫惨な調教が日々繰り返されています。

 緊縛、肛門拡張、野外露出、浣腸、鞭打ち、異種交配、異形出産、搾乳奉仕など、
 娼館に囚われた母エルフに施される徹底した調教の風景を、余すところなく綴りました。
 また、今回は起用声優総勢7名によるメインキャストフルボイスです。
 音声の演出が加わることで、えっちシーンもそうでない場面も、臨場感いっぱいでお楽しみいただけます。
 HシーンでのイベントCG枚数は52枚。
 肢体の全てを開発されてゆくエルフおかあさんの痴態と、主人公に付きまとう人相の悪い少女とのまったりをご堪能ください。』
(公式より引用)



雨傘日傘事務所作品のノベルゲーム10作目である「紅湖の皇子」をプレイ。
プレイ時間は約4時間30分くらい。
分岐は最後に一箇所有り。


本作は雨傘日傘さん作品一作目である『ラミエルパークのエルフ』(※リンク先感想)のリメイク作になります。
大まかな流れはそのままに、少年エルフのエルの名がリアンに変わっていたり元作ではただのクズでモブだった娼館側の人間がコミカルに描かれ個性的な存在になっていたり、フルボイスではありませんが声が付いていたり演出面が強化されまくっていたりとかなり大きな変更が加えられていました。
中でも大陸シリーズとして他作と繋がる用語がバシバシ登場したり、今まで他作で語られてきた「歌姫」というダークエルフの存在が大きく関わってきたりシリーズを追っていると唸る箇所が多かったです。


大筋はそのままを残しつつも大きく再編成された第一作目。
一作目に無かった戦闘演出は安定に格好良く、戦闘演出だけでなく日常の動きも凄まじく。
クオリティアップし過ぎたリメイクだったと思います。
このクオリティで他の過去作も見たいなと思ってしまうほどでした。



『システム、演出』
吉里吉里製。
今回は分岐が最後の方で分岐後は重複するシーンが無くスキップでの既読未読は特に重要では無かったのでプレイしやすく。
鎖の音と共に鎌が開きタイトルが表示されるのが凄まじく格好良かったです。


『音楽』
違和感を感じる箇所は無く。
シーン回想モードでも流れるのですが、セイルが娼館で働いている時に流れる鬱なサーカスめいた曲が非常に印象に残っています。
今回からフルボイス…では無いですが一部声付き。
演技は…正直2000年代の同人ゲーム感が抜けませんが、この時代の同人で声付きは珍しかったです。
履歴でボイスリピートが無いのにも時代を感じました。


『絵』
戦闘シーンの動きは流石。
序盤の街崩壊や「鉄処女」が地面から生えてくるシーン、クリノラスが斧を回すシーン。
後半は怒涛の戦闘で街の崩壊大爆発が見ていて爽快でした。
エロもかなり演出強化、更には回を重ねる毎に画力も上がっていらっしゃるので進化した画力と演出で昔のエロを拝めるというのがこう、比較対象のある面白さがありました。
戦闘やエロだけでなく日常シーンもやはり素晴らしく。
レヴィアルが話さずパネル会話のみですが、一箇所でしか使わない立ち絵の多さに脱帽。
パネル会話の立ち絵の作業量ハンパないと思います。
横向きに奥を眺める立ち絵などセイル、リアン、レヴィアルの会話シーンは見た目だけでも非常に華やかで楽しかったです。


『物語』
ラミエルパークのエルフ」プレイ済みで大きな流れは知っているので大筋に関しての驚きはありませんでした。
ただ、やっぱり細かい日常や娼館の敵メンバー、そして「歌姫」に関しては新たな驚きが。
娼館2人と傭兵がただの敵にしておくには勿体ないくらいに濃く面白いメンツでもっと色々と知りたいと思う部分があったり。
この人物はあの人と繋がっていたのか!?や、この名前聞いた事がある!!というのが目白押しで、シリーズを追ってきた者の特権を味わいました。
削られてしまった部分で好きだった部分もあるの若干悲しい部分もありますが、リメイクとしては素晴らしかったです。


『好みのポイント』
選択肢によってセイルルートとレヴィアルルート(で良いのかな?)に分かれますが、セイルルートで「ラミエルパークのエルフ」であったリアン(エル)の覚醒理由が削られていなくて本当に良かったです!!
ラミエルパークのエルフ」は演出は初作品故に拙いながらもあのセイルの一言による覚醒でのゾクゾク、高揚感が本当に凄くて。
レヴィアルルートから行ったのであの覚醒が見られず「削られた?」と不安になりましたが安心しました。
やっぱりあのセイルの今まで言わなかった一言からの覚醒…ですよね…
ラミエルパークのエルフ」から知っているとやっぱり本作最高の見どころだと思っています。





以下ネタバレ含めての感想です





まずちょっと残念だったのはではあったエル(リアン)の男娼シーンが無くなってた事!!
確かエル(リアン)も男娼になってそういうシーンがあったと思いますが、どうして、どうして、少年の娼婦…
やっぱりこう、2000年代半ばでは厳しかったのでしょうか?
エロは完全に女性のみになっていました。
フラウロスも身体は男性だからかエロは文章でサブナックへのフェラしか無く。
ぐぬぬ、今の世では男の娘も現役ですが、時代を考えると仕方ないかもです。
エロはほぼセイルのみで、見た目女性のフラウロスやレヴィアルには無し。
2人のエロを見たかったなーと思いつつ。
フラウロスは男性故、レヴィアルは最強故に誰もきっと手を出せずまぁ仕方ないかなとも思っています。
でも、リアンとレヴィアルのエロとか、見たかったなぁ…
ラミエルパークのエルフ」では身体が熟しきったセイルの相手をエル(リアン)が致して母と子から外れ慰めるシーンがエピローグでありましたが、今作ではリアンがセイルを明確に抱くシーンは無く。
母と息子からの開放エロ好きだったので、そこもカットは残念でした。


あとはレヴィアルの件、というか行動が、うぅん、なんとも…
ダークエルフで仲間を増やしているのは分かりますが、こう、彼女のせいでセイルは殺人の汚名を着せられ村から売られ。
セイルもダークエルフにさせられる為に色々と引きずられ。
完全にレヴィアルの私利私欲で今作が動いていて。
その上でレヴィアルの思考がイマイチ分からなくて。
ダークエルフに変えたい」という本能は分かりますし、「綺麗なもの」を自分の側に欲しいという気持ちも分かりますが、話さないのと彼女の地の文が少ない為に、色々な事をしでかした割には感情移入し辛いキャラになっていて、諸悪の根源で最強でなんとなく鼻持ちならない感が拭えませんでした。
どうしても平穏な二人の日常を壊した少女にしか見えず。
いや、あのままでも村人はクズなので娼館メンバーがセイルを買い取ったとは思うのですが、あそこまでややこしくはならなかったと思うと。
やっぱりレヴィアルを全力で好きとは中々に言えず。
もう少しレヴィアルの思想が見たかったです。


ただ、他作で沢山語られていた「歌姫」…レヴィアルの周りの関係が見えたのは非常に楽しく。
ディエル家、ディアブロの一族の500年以上前の失敗作で抹殺対象で。
つまりレヴィアルは「最初の戦争」以前の人物で。
クリノラスとディアブロの関係が見えたり。
ダークエルフでロードやデル家の名が出たり。
今作で「紅湖の皇子」が誕生したり。
他作を知っているとかなり深堀りがされていたと思います。
というか今まで「歌姫」は名前だけ散々出ていたので今作で姿が明らかになり非常にテンションが上がりました。


クリノラス戦でも圧巻のパワーを見せつけてくれたり、レヴィアルがまだ奥が深そうです。
…その戦闘も後半非常に楽しかったのですが、もう一点言いたい事があるとするなら街の崩壊のシーンはフェードアウトなのはちょっとどうかな?とは思っています。
序盤で街の崩壊が描かれ後半でリアン覚醒で街を破壊するのでしょうが、街の崩壊でリアンが暴れた姿はカットで。
リアンのダークエルフとしてのパワー、見たかったです。
ラミエルパークのエルフ」でもあそこはフェードアウトなので順当と言えば順当なのですが、覚醒後の見たさはあります。


ですが、街の崩壊に関しては噂で「ヴィザルの日記」が関わるとのお話を聞いていて。
なので、そちらで更にセイル、リアン、レヴィアルが登場するのかな?と思っています。
間に「霊刀キザクラ」を挟みながら再び彼らに会える事を楽しみにしています。