ひっそりと群生

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【はるかぜどりに、とまりぎを。】感想

【男性向け18禁】



MANYOさんの担当されたゲームをクリアしていく企画39弾。



2007年10月26日発売
SkyFish』※リンク先公式HP(18禁)
はるかぜどりに、とまりぎを。】(PC)(18禁) ※リンク先wiki
以下ネタバレ含めての感想です。








プレイ時間は約8時間30分くらい。
7でもインストール、起動可。
ディスレス起動可。


SkyFishの作品は『ふぁみ☆すぴ!! ~FamiliarSpirits!!~』『白銀のソレイユ -Successor of Wyrd- ≪運命の継承者≫』『キスよりさきに恋よりはやく』(※リンク先感想)と続いて4作目。
相変わらず背景とか世界設定から感じる雰囲気が凄まじく良いです。
「キス恋」もでしたがSkyFishは背景で水が出て来ると雰囲気がめちゃめちゃに良いです。
温暖化で殆ど水に浸かってしまった日本という設定がSkyFishに合いまくりでした。


そして本作は春音に捧げる春音の為の春音ゲー
とにかく春音が中心でそして春音が可愛く、過去、一年前、そして現在と続く物語で春音がどうやって主人公に惹かれて行くのか、そして春音がどれだけ主人公を好きなのかをとことん描いて居ました。
春音が主人公に対して「大好きー!」とアピールする姿を健気に、そして可愛く見つめ悶えるゲームとなっています。
なので、春音が合わなければ最初から最後まで合わない作品になる事でしょう。
春音が好きか嫌いかで大きく好みが分かれる作風でした。


更に話としても世界観やキャラの性格などで明るく爽やかに見せつつ服従EDがあったり友人の彼女を寝取ったり、「あれ?結構ドロドロしてたり仄暗かったりマニアックな方向性が見え隠れしてるぞ」というのを察せて、それが爽やかさで打ち消せて…るような、打ち消せて無いような…
ルートによっては黒パケもビックリのEDや人間関係に行くので驚きました。
でもその辺りは過去にプレイしたSkyFish作品でも垣間見える所があったのでSkyFishの作風なんだろうなと思ってます。
ドロッドロの人間関係に進んだり闇の結末になってしまうEDもあるので完全純愛光の白パケゲーを求める人には向かないかも。
自分はその辺りが好みでした。
主人公の性癖もアレな方向に偏ってるし非常に面白い。


CGはかなり綺麗。
蔓木さんの絵も唐辛子さんの絵も凄く丁寧で、一緒に並んでも違和感が無い上にお互いに個性があるので良いコンビネーションで良バランスだと。
表情パターンも多く、超弩級メインヒロインの春音は髪型で過去と現在の変化があったり細かく。
背景もとても美しい上に海に沈んだ街というのは美術方面でもロマンの方面でも心を踊らせます。
温暖化で水位が上がるというのは恐ろしいですが世界は美しく映えるなと。
まぁ温暖化が重要になったりもせず、沈んだ街が重要になったりもせず。
作中で出てくる自分の死期が分かる「サトリ病」とか、結局真相とかは何も無かったのですが。
深堀りは何も無かったけれど、良い感じに話を盛り上げるスパイスになっていましたし。
美しい世界観があれば良い!設定なんかあるか!という姿勢を感じて、これはこれで有りでした。


エロは…まぁエロ自体は純愛の範疇。
たまにマニアックにロータープレイ有り。
ですが、冬子と秋穂の服従EDには驚きました。
爽やかにED迎えたように見えたらエピローグで主人公に完全依存&服従してて。
いやー、(一応)純愛ゲーで乳首ピアスが拝めるとは…最高かよ。
乳首ピアス教なのでまさかの供給に驚きました。
どちらも良い感じに精神崩壊してて、乳首ピアスで。
このタイプの作品でこういうEDが拝めると思っていなかったので非常にテンションが上がりました、有難うございます。
でもダークでどう考えても幸福からほど遠いようなアレなED後に穏やかで爽やかなED曲「なみのうた」が流れてEDムービーに行くのには笑ってしまいました。
どう考えてもこの曲じゃ合わんやろでした、このEDだけは歌なし黒くフェードアウトで良かったんじゃないかな?


ボイスは全員お上手、流石。
SkyFishは声にハズレが無いです。
全員お上手でしたがやっぱり一番はヒロインではなく父親の亘役の子やsu…生類さんですね。
濃いキャラでテンション↑↑で非常に難しい役かと思いましたがもう満点超え、この方は間違い無い。
常にテンションが高く適当に見える中で、でも決して親の責務を忘れない暖かさがあり。
適当に振る舞ったかのように見えて大人な部分を垣間見せ嗜めたり助言したり、そのスッと切り替わる部分の演技力はもう職人技でございました。
ボイス登録機能あったら彼のふとした時の落ち着いた台詞で埋まっていたと思います、最高でございました。
音楽は全曲MANYOさん、SkyFish初期は全曲MANYOさんで凄く嬉しいです。
作風もあり大人しめな曲が多く個人的に「これが好み!」というのは無かったのですが、全曲満遍なく良いピアノ曲だったと思います。
主題歌の「SEVEN COLORS」は名曲、アレンジの「七色の気持ち」が好きかも。


正直最初はあまり好みの展開じゃなく疲弊した所が大きかったのですが、一部の流れやED、そして最後の春音END4で一気に「好き」となりました。
最初はどちらかと言えば好みじゃない方の評価だったのに最後にこうも好みの展開に持っていかれるとは。
いやぁ良かった、最後の最後で持ち上がった作品でした。



プレイ順は攻略通り
春音END1→春音END2→春音END3→冬子END1、2→秋穂END1、2→夏乃芽→籠女→春音END4
の順で攻略



『香夜冬子 ルート』
これ自分の好みなのですが、主人公と既に関係を持った事があるヒロインが居る作品というのが苦手で苦手で。
そのヒロインってどう考えても他のヒロインよりも本編前に一歩先に行ってるじゃないですか、そういう特別感がどうも合わなくて。
関係を持つヒロインが超絶好みだったり強い魅力があるとかなら良いのですが、冬子、正直ヒロイン4人の中で一番魅力を感じない人で。
「え、このヒロインが主人公の初めての人?」と頭を抱えました。
見た目もそんなに好みじゃ無い上に、試験に落ちて花嫁修業が嫌で臨時講師になったのにどう考えてもリスキーな生徒との恋愛をしちゃうし。
その初恋の仕方が「占いに出たから」という結構脳内お花畑な理由で恋愛始めるわ良い所のお嬢で箱入りなのも含めて行動が全体的に頭悪く見えて。
特に途中で主人公の携帯に父親からメールが来ていたのを覗いた上にそれが「妹が入院した」という内容だったのに消すという。
流石に性格悪過ぎるでしょう、ビビったわ。
消した後に「性格悪くなれなくて」とかのたまうのも、「いや、十分に性格悪いですが」とその無自覚さにも頭の悪さを感じて本当に全く魅力的に感じませんでした。
どのルートに行っても既に結ばれてる人に対して邪魔してくるし、どこまで性格が悪いのか。
それ故に彼女とのEDではどちらも全体的に周りから祝福されないのと、片方は奴隷ED。
更にオールEDにあたる春音END4では彼女と付き合った事すらも無くなってザマァwwwでした。
本編プレイ中「なんでこの人が初恋の人かね」とずっと思っていて好みに合わなかったのですが、春音END4で一気に反転したので、いやぁある意味で良い当馬役だったと思います。
最後スカッとしました、有難うございます。


『金田秋穂 ルート』
ドロドロ感では一番好き。
春音の告白を受けた状態だと二股になるのですが、秋穂があまりにも不憫で不憫で。
可愛そう萌えみたいなのを自分も起こしてしまっていて、主人公が惹かれるのも非常に分かってしまいました。
というか亮太が最低過ぎるのが。
友人キャラとしては良く見えますが、秋穂と付き合ってる男としては駄目過ぎる。
まぁ二人は告白はしてないのでなぁなぁの関係なのもまた問題なのですが。
それでもまず「好きな人がされて悲しむ事を反省せず何度もやってる」という事実が駄目。
更には亮太の「一夫多妻の国もある、自分の愛は無限にある」理論、いや、その理論で生きてても良いんですよ、良いんですけど自分がそうやって愛が無限にあると言って他の沢山の女性に手を出すのなら秋穂が主人公と関係を持つのも認めないとおかしいんですよ。
自分の愛は無限にあるのに秋穂の愛は自分にしか向いていないといけない、自分は良くて相手は駄目ってどんだけワガママなのかと。
途中で隠してた事に対して殴って来ますが、自分も秋穂に黙って関係持ちまくりなのにそれは理不尽だろうと。
亮太が自分の行動を受け入れて欲しいなら主人公と関係を持って付き合う秋穂を受け入れないと駄目なんですよね。
自分が愛人になる可能性の立ち位置を認めなくて秋穂は絶対に自分が一番好きというのを疑わないから見てて理不尽な上に秋穂が不憫で。
そんな駄目男をずっと想い続けてる秋穂に心が揺れるの凄く分かりました、秋穂健気だ。
春音も秋穂なら良いと秋穂と共に主人公が関係を持つ事を許してくれるので「お、3PハーレムEDか?」と思いきや秋穂の方がそういうのに耐えられないのも秋穂らしいというか、耐えられず従属するEDに行ったのでそういう所にも秋穂の脆さを感じて。
単純に女性キャラとしては秋穂好きだなーとなりました。
従属でも良いよ、秋穂、亮太から離れろ、養ってやる、と思いました。
春音の告白を受けていないEDでは普通に恋人関係を築き指輪を渡して結婚をするので非常に爽やかなEDに。
本当に亮太がダメダメなので秋穂は速攻で分かれて他の男の元へ行き亮太痛い目を見ろと本気で思いました。


『浦島夏乃芽 ルート』
キャラ的に薄そうに見えて籠女が居る事で絶妙に薄くならなかったなと。
あと完全善人キャラ好きなので好きでした。
彼女のルートは主人公とゆっくり結ばれて行くので普通に純愛物。
彼女にだけED分岐無し、まぁ他キャラのハードなEDがあっても困るキャラなので。
地味ではある中で最後の結婚式で主人公の母親がまさかの最後の最後で初登場するので彼女ではなく籠女やら母親やら周りが濃かった印象がありました。
いじめているように見えた子2人もなんだかんだ善人の彼女が好きで放っておけなくて心配してて手伝ってくれるのが最高。
ああいうの好きです。


『籠女 ルート』
ルート分岐、分岐する世界の全てを知っている少女で主人公の子孫…おそらく夏乃芽と結ばれた場合の子孫。
なので彼女が生まれる可能性は一番薄い気はします。
それでも彼女ともEDを迎えられるのが好きで好きで。
全ての自分の可能性を捨てて彼女と同じ時空で生きていく結末は最後が美しくて好きでした。


『桃谷春音 ルート』
そして、彼女の為にある物語。
今までの自分の人生の幸運を対価に、春音の「セツナ病」に向かう運命を変えて、今までの幸運から成り立っていたイベント全てが不運のイベントに変わり最後に彼女と結ばれるという流れ、「一人のヒロインの為にある物語」というのが大好きな自分としては最高でございました。
誰とも関係を結ぶ事無く春音と結ばれる為だけに人生を駆け抜ける、固定ヒロイン大好きな自分としてはこのラストに大拍手でした。
今までのルート全てをかなぐり捨てて一人のヒロインに突き進むとか大好き過ぎます。
このEDがある事で一気に自分の中での好みと評価が書き換わりました、最高の春音ゲーでございました、有難う、有難うございます!!



いやぁ、正直主人公、春音に告白された後も選択肢によってはホイホイと他のヒロインと関係を結ぶし、個人的に好みじゃない冬子と最初に関係を持つしでかなりゲンナリしていたのですが、そういう「他の女性と関係を持つ」という事が主人公補正で「幸運」で、その「幸運」を使い最後に一人の少女を救うという流れになった瞬間に一気に主人公の評価が爆上がりでした。
なんというかある意味「エロゲの主人公」が持つ「モテモテスキル」へのアンチテーゼな所あるなと。
その「モテモテスキル」を捨てて「ルート分岐の可能性」を全部失い「一人のヒロインと添い遂げる」、分岐型エロゲへのアンチテーゼ。
固定ヒロイン好きとしても好きな流れな上にアンチテーゼ系好きなので一気に最後で落ちました、やってくれたなぁ。
冬子との出会いも無くなり主人公の初体験が無くなった事も冬子好みじゃない自分としては非常に良かった、好みじゃ無いのもですが、どう見ても冬子良いヒロインじゃないと思っていたので…
正直、春音のEDの1、2、3を見て、「コレ、春音ゲーじゃん、他のヒロインノイズでヒロイン春音だけで良いのに」と思っていたので最終的に春音固定ゲーに変わりニッコリしました、これだよ、コレを求めていました。
主人公の初恋と初体験も春音に書き換わったみたいで。
一つ我儘を言うなら、書き換わった世界での春音との初体験エロも見たかったです、そこ一番見たかったなぁ。
運命を書き換えた後にエロが無いのはバグでは?と思いました、そこだけが非常に残念。


最初は好みから外れに外れて疲れ果てていましたが、オールEDで一気に巻き返しました。
こういうのがあるからルートが分かれるゲームは辞められません。
次回MANYOさん追いは同じSkyFish系列で続編(?)の「はるかぜどりに、とまりぎを。 2nd Story ~月の扉と海の欠片~」を予定、続編と言いつつ過去なのかな?昔軽く触れただけで終わった記憶があるので今作を踏まえ楽しみにプレイします。



※ゲームの攻略で検索される方がいらっしゃるみたいなので参考にさせて頂いた攻略サイト様を失礼します。
参考攻略サイト様:愚者の館(アーカイブ) 様
http://sagaoz.net/foolmaker/
 はるかぜどりに、とまりぎを。 ページ
http://sagaoz.net/foolmaker/game/h/harutoma.html