ひっそりと群生

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【はるかぜどりに、とまりぎを。2nd Story ~月の扉と海の欠片~】感想

【男性向け18禁】



MANYOさんの担当されたゲームをクリアしていく企画40弾。



2010年01月29日発売
SkyFish』※リンク先公式HP(18禁)
はるかぜどりに、とまりぎを。2nd Story ~月の扉と海の欠片~】(PC)(18禁) ※リンク先wiki
以下ネタバレ含めての感想です。








プレイ時間は約15時間くらい。
7でもインストール、起動可。
ディスレス起動可。


SkyFishの作品は5作目。
SkyFish3作目『はるかぜどりに、とまりぎを。』(※リンク先感想)の主人公、沖奈真悟の父、沖奈亘が主人公の学生時代の物語。


シナリオは「はるとま」の素浪人さん、巳無月さんに加えひろもりさんと御厨さんが参加。
御厨さんは今後姉妹ブランドのCabbitでシナリオ担当されているみたいです。
旧作の過去を描いた物語でしたが、かなり整合性が取れた話になっており、旧作があるからこそ出てくる不満点が殆ど無いという出来栄えとしては満足度の高い一作になっていました。
「はるとま」にて登場していた父親の亘。
彼がどうして沈んだ街のサルベージ業に人生を懸けるほどに熱中するのか、奥さんと別居しながらも決して愛が途切れた訳ではなく、どうしてここまで二人は夫婦で居続けるのか。
前作では脇役で奇抜な人生を送る面白おかしい人間として描かれていた父親のその奇抜な部分を物語として綺麗に落とし込んで居たのには驚きました。
ただの面白いオッサンの変わった人生で終わらせても良かったのに、しっかりと理由付けがされていて。
丁寧に理由付けされ「はるとま」の父親を見る目が変わる程の過去でした。


更に「はるとま」の時には世界観を綺麗に見せる為で、言ってしまえばファッション設定でしかなかった、「温暖化で沈む街」と「自分の死期を悟ってしまう「さとり病」」この二つが見事に物語やキャラクターの心情に関わってきて。
前作で「世界観としては綺麗な設定だし盛り上げるけど、そんなに重要な設定じゃなくね?」となっていた要素がちゃんと話に関わってきた事にも驚き。
前作の不満点が見事に解消されていました、これには天晴。


一部で恋人になった少女、星の死後、二部では星と夢の中で会話が出来たり、学校にある桜の樹の精霊と夢の中で会話が出来たり。
現実でも死に誘われた際には現実からかけ離れた裏路地に迷い混んだり。
生と死、それぞれの世界の境界線が曖昧に描かれ、現実でありながらも一歩間違うと死の世界に足を踏み入れかねないほどの危うさがあり、その危うさが独特な世界観を形成していました。
そういう世界観の中で「死生観」や「恋愛観」などがとても重要になっていて、正直「はるとま」よりもその辺りの描き方が上手かったと思います。
特に「恋愛観」はかなり独特の位置にあったなーと。
エロゲで「一部、二部に分かれていて、一部で恋人が出来、一部の終わりに恋人が死ぬor恋人と分かれ、二部で傷を癒やし新しい恋をする」という手法自体はかなり見かける構成ですが、本作は小枝子というキャラが居る事でかなり独特な関係が描かれていました。
幼い頃ずっと側に居る約束を交わし、肉体関係を一度持ち、でも決して小枝子は主人公の恋を受け取らず恋人には成れず。
そんな中、病院で運命的に出会った少女、星と恋をする。
星は「さとり病」で最初は全てを諦めており主人公の恋を受け止めませんが、主人公の熱意と自分の気持ちに気付き付き合うようになり。
小枝子は決して主人公の恋を受け止めず、小枝子との複雑で、でも決して離れる事は出来ない関係を持ちながらも星と恋をする。
ある意味での三角関係物。
でも決してドロドロはしておらず、三人がそれぞれに向ける想いを納得しながら、主人公と星が恋愛をしていく流れが非常に上手かったです。
結構こういう関係ってドロドロになりがちなのですが、小枝子の価値観が独特故にドロドロにならないという。
言ってしまえば小枝子の心情が理解できないと「ただ高慢で主人公の恋は受け取らないくせに主人公を物扱いしてずっと側に置いておこうとする自分勝手な女」になり、それこそまさに女王様になってしまうのですが、小枝子の心情を理解出来ると前作「はるとま」の件も合わせて亘と小枝子は非常に奥深い関係に感じるかと思います。
全ては小枝子への理解で変わるので、かなり小枝子ゲーになる所は大きいです。
ただ、前作での感想で「主人公が初体験をした相手が攻略キャラに居る場合はそのキャラが一歩先に行くという補正がかかるので、よっぽど魅力的なヒロインじゃないと納得できない」と自分の性癖を書きましたが、その点はオールクリアでした。
前作の冬子より圧倒的に魅力的(まぁ冬子は冬子でオールエンドでの展開で納得したので良いのですが)。
小枝子は主人公との過去や、それに関わり交わした約束、そして初体験をした後の心情などが主人公の性格形成、そして小枝子自身の良い意味で繊細、悪い意味で面倒くさい心情の在り方に直結していて、全く無駄になっていませんでした。
「ヒロインの中に既に主人公との初体験済みが居るのが苦手」持ちの自分でも「小枝子との初体験は小枝子との今の関係を描写する為に必要」だと思うので絶対必要項目でした。
星との関係も、小枝子と恋人になってたら絶対に築かれなかった関係ですし。
まぁ何よりも自分が小枝子を魅力的なヒロインに感じたんですよね。
この物語は星の事で傷付き引きずる物語ではあるけれど、小枝子の真意を知る物語だと思います。
ある意味では小枝子の為にある物語かと、なので、主人公と小枝子の関係が小枝子の真意を知るまでは決して恋人にはならない関係で良かったと思います。


絵は綺麗…というか背景水の表現が凄い。
「はるとま」よりも「沈みゆく街」が重要になっていた所もあり、沈んだ街の背景が多い、むしろ水が描かれていない箇所が無いくらいでした。
特にタイトル画面の教室が水に浸る演出は未来の「はるとま」を知っていると、「彼等が過ごしたこの教室も海に沈むのか…」と感慨深いものがありました。
CGも綺麗で、蔓木さん、唐辛子さんに加わりメインではひなたさんが参加。
お三方とも並んだ時に違和感は無かったです。
若干、小枝子の私服時のバランスに違和感を感じたくらい。
あとは立ち絵、CG、塗り綺麗だったと思います。


エロは純愛のエロという感じ。
特殊シチュエーションもあまり無く普通、前作のようにニッチなシチュは無し。
小枝子との初体験は関係を築くというよりも関係を見失うエロで新鮮でした。
エロのシチュエーションで言うなら卯里の心が繋がった上でのエロが好き。
あとはオマケの卯里+お姉さんの3Pが好みでした。


ボイスは全員お上手、ただ、友人の文兼が女性声優さんなのはうぅん…
女性声優の少年声は好きなんです、好きなんですが、高校生くらいの少年は既に声変わりしてるかと思うので男の娘とかでない場合は男性声優が良かったなーと。
声質や演技は良いので、キャラの見た目に声が合うか合わないかという点で微妙でした。
他の方も演技は全員お上手でしたが個人的には藤森さんが素晴らしかった。
興味無さそうに見えて絶妙に気にしてるような演技が上手い。
孤高で完璧でありながらも孤独な演技が凄く良かったです。
個人的にはりんごりん好きなのですが、りんごりんはギャグの時よりもふとした時のシリアスが入る演技が上手いなーと再確認。
アイキャッチもりんごりんな所にSkyFishがりんごりん好きなのを感じます。
あとは、やっぱり、子やs…生類さん。
OPの入りとEDの入りの語りでしか声が聞けないのですが、導入部分の語りが上手すぎます。
一言で惹きつけるのでやっぱり凄い方です。
音楽は全曲MANYOさん、最高。
どの曲も良いのですが、「泳げない魚・飛べない鳥達」「駆け抜ける想い」「龍笛の調べ」が好きです。
でも「駆け抜ける想い」は一箇所でしかかからなかった気がするので残念でした。
歌唱曲はOP「君のいる場所へ」も最高に素晴らしい曲なのですがED「心のパズル」がズルい。
今作の主題…というか「はるとま」で亘がサルベージをしている理由が今作で明かされるのですが、「人は何かを失う時に心のパズルが欠ける」「街が海に沈んだ際に、人が置いてきてしまった、置くしか無かった物も誰かの心のパズルである」だから、人の欠けた物を取り戻す為にサルベージを行っていて。
亘は星を失った事で心に穴が空き、それは決して同じ形で埋まる事は無いけれど、人との出会いや新しい恋で癒やす事は出来て。
そういう「失った部分を癒やす」という主題が所々で語られ、その結末に「心のパズル」が流れるの、ズル過ぎます。
もうね、「心のパズル」というタイトルがズルい。
勿論、OPの曲も歌詞も間違いなく最高です。
本作のサブタイトルの「月の扉」と「海の欠片」には「月の扉」が死者が向かう先で、「海の欠片」が生きている人が失った物が眠る場所という意味があり、「月の扉」という単語が曲のここぞというフレーズで入るのでグッと来るのですが、EDの「心のパズル」の破壊力はEDを締めるという意味で一級品。
バラードをあまり聞かない自分がグッと来ているので間違いないです。
二番で他の楽器が入る事も無くピアノ伴奏と歌唱だけでここまで聴かせる曲も珍しいかと。
好きなMANYOさんバラードの中で五本の指に入ります。


「はるとま」は秋穂ルートでのドロドロが好きだったりオールエンド時の展開がドヒットで。
それに対して「はるとま2」はメタ的要素は無く、メタ展開大好きな自分の好みのヒットの仕方は無かったのですが、未来がある上での過去を描いた作品としてはとても出来が良かったと思います。
とにかく一つ一つ「はるとま」の出来事を回収し、未来に感情が繋がるように設計されていて丁寧でした。
ドロドロ展開やメタ展開では「はるとま」、丁寧さでは「はるとま2」という感じ。
どちらも自分の好みの部分があり、無印、2共に満足出来ました。


しかし…上記の主人公と星と小枝子の関係、そして二部での「星を想い続けてる所も含めて主人公が好き」と言うヒロイン達。
「主人公が他の女性を想い続けている事を了承した上で付き合う」or「他の女性と居る事を知っていて了承した上で関係を持つ」など、ある種では浮気に見える構図を違和感無く描く事がSkyFishは上手いなーと思います。
こういうの描くとドロドロしそうなのに、そういうドロドロ無しで描かれるんですよね。
一途系童貞主人公が好きなので個人的には主人公は性癖に全く刺さらないのですが、「浮ついた心を持つ主人公」と「それを了承するヒロイン」の納得する描き方、空気感が特有の物があると思います。
なんだろう…プロディースしてるひろもりさんの性癖な気がする、ドロドロしない三角関係や了承された浮気や3P。
オマケでも3Pは遺憾なく発揮されていましたし。
一途系が好きなので性癖には刺さらないのですが、性癖持ってない人間も納得させるパワーや世界観や空気感の構築があって、プレイしていてMANYOさん追い抜きでも中々に面白いメーカーだと思いました。



プレイ順は攻略通り
小枝子→こるん→千鶴→卯里→おまけ
の順で攻略



織姫星 ルート』
一部ヒロイン。
小枝子との曖昧な関係の中で運命的に出会う少女。
その後の主人公の生き方や死生観に大きな影響を与えます。
一応前作でも春音が「さとり病」を患い死に至りますが、世界設定的に数々の分岐があり、オールエンドでは彼女の運命を改変する形になったので「さとり病」を患わない世界があり、分岐によっては生き残っていた中、星は本編では決して運命を改変する事が出来ません。
「さとり病」を患い絶対的な死を迎えるヒロインが前作では居なかった中で今作では星がその運命を背負い、星の死がその後の主人公に大きな傷痕を残すので、「さとり病」の設定が重要な位置に来てファッション設定になって居なかったのが非常に上手い構成でした。
ヒロインとしては無邪気さ、清楚に見えて自分の意思が強い見た目とのギャップ、そして儚さなど、本来持つ陽の気質と昔から病弱で自分の身体の事を知った上で「さとり病」を患っている為に持っている人生への諦めから陰の気質が合わさり、「生と死」両方を垣間見せるヒロインでした。
主人公の考え方や性格形成には影響を与えますが、ヒロイン単体で見た時に個人的な好みで言うなら「普通」ではあり。
「星ぃぃぃ!!!」と叫びたくなるような魅力は自分は感じなかったかなー。
単純に好みの問題ですが、「死を背負う少女」という面や、「決定された死の運命で人生を諦めていた中で主人公と出会い、生きたいと願い幸福を知る」という部分は好きだったのですが、彼女自身の性格は直球に良い子だったので自分の女性の好みのインパクトには届かず。
クセのある性格の女性キャラ好きとしては「良い子」で止まってしまったのが残念。
主人公の小枝子との関係も強い嫉妬はあまり向けず小枝子も好きで受け止めてて。
完全な聖女キャラになる事も無く、クセがある考え方をする事も無く、「良い子」で、その普通らしさが魅力ではあるとは思いますが、行き過ぎた聖女キャラや面倒な思考を持つキャラの方が好きなので、重要キャラではありますが、自分の中ではあと少し!という感じでした。
小枝子を含めて主人公が好きな部分や、自分が居なくなった後に主人公の隣には小枝子が居る事にモヤモヤしている姿は結構好きでした。
彼女の気質は二部で新しく登場する3人の少女達に綺麗に分かれていたなという印象。
無邪気さは小雪、見た目と意思のギャップは千鶴、儚さは卯里と、他の3ヒロインは星の気質を三等分にした気質をしているなーとプレイしていて感じました。
そういう子達と恋愛関係になる部分に主人公への影響力や主人公自身の好みが伺えたのが面白かったです。
それでも、小枝子のインパクトにはやっぱり負けるというか。
星は「死にゆくヒロイン」だったから小枝子と並ぶ事が出来たとは思います。
彼女に「さとり病」が無かったらこういう関係にはなっておらず、小枝子の存在には並べなかっただろうなーと。
オマケでIFの世界が描かれますが…あれは完全にオマケで、「さとり病」の彼女の運命があったからこそ映えた一つの可能性で。
やっぱり星はこういう言い方はおかしいですが「死にゆく事でヒロインになれた少女」だったのだと、そう感じました。


『川越小枝子 ルート』
小枝子様、あぁ、小枝子様。
面倒な思考を持つヒロイン教としては推さざるを得ません。
彼女の複雑な思考を理解する事が本作の最大の目的だと言っても過言では無いかと。
主人公とずっと一緒に居る約束を交わしながら主人公の想いは決して受け取らず、主人公が他の少女と付き合うのを容認しながら、けれど主人公を自分の物だと宣言する。
この辺りの行動、小枝子の真意を理解しないと「意味が分からないヒロイン」で終わるんですよね。
「なんでこれだけ一緒に居て主人公に好意的なのに主人公の気持ちを受け取らないのか」「主人公の気持ちを拒否しながら自分に縛り付けるとか何なのか」理解できないとこういう気持ちになって「面倒くさい女」で終わるかなと。
小枝子を理解するか、しないかで本作の評価は二分化すると思います。
そういう意味では完全に小枝子ゲー。
実際、小枝子、めちゃくちゃ面倒くさいです。
まず発端として二人の関係は主人公の母親と小枝子の父親の働く病院が同じで、母と父二人が不倫している関係から始まります。
二人の家庭は家庭としてはほぼ機能しておらず、そういう爛れた親の関係の中で二人は縁を持ち出会います。
父親と暮らしながらも別居している母親の方に心を寄せていた小枝子。
しかし、小枝子の誕生日、彼女が求めたプレゼントによって小枝子の母親が事故に合い死に至ります。
心の拠り所を失い自暴自棄になっていた小枝子を主人公は放っておく事が出来なかったのと、自分の母親と小枝子の父親の関係をなんとなく察し、小枝子の母親や家庭に対しても罪悪感を持っていた主人公は小枝子とずっと一緒に居るという約束を交わします。
その約束の通り、ずっと一緒に居続け、主人公は小枝子に好意を持って行きます。
思春期のある日、自分達の関係が何なのかを考えながら小枝子といつもと同じ様に自分の部屋で背中合わせて居た時、ふとした事をきっかけに二人は肉体関係を一度持ちます。
けれど、肉体関係を持って分かった事は「小枝子と自分は真正面からの距離では無く、背中合わせが正しい距離だった」という事、そして、自分の想いは、恋は小枝子は決して受け入れない事知ります。
それから二人の関係は「家族よりも大事で絶対に離れない存在だけれど、決して恋人では無い」という独特の関係に。
主人公は小枝子とは恋を出来ない事を知り、そんな時に星と出会い恋をする。
これが本編前の軸なのですが、ここでの小枝子の心情が非常にややこしいというか。
小枝子は母親を失った事で好きな人がずっと生きている訳ではない事を幼少期に突き付けられ、世界に「さとり病」が蔓延している事もあり「失うなら最初から大事な物は作らない」という結論に至ります。
でも約束を交わした主人公はどうしても大事で。
「大事だから一緒に居たい、けれど、失うなら最初から要らない」という思いから「主人公は自分の物でずっと側には居続ける、でも、恋人としては受け入れたくない」という思いで側に置きながらも決して恋愛では受け入れないという体制を取り続けます。
この「恋愛としては受け入れない」部分というのは自分の両親が不倫関係にあった所も大きく関わっているかと。
彼女の中で「恋」や「愛」というのは非常に脆く、両親のようにいつかは崩れてしまう物だという認識になってしまっていたのではないかなと。
だから「恋」や「愛」などで側に居るのではなく、それ以上の大切な存在として側に居て欲しいという気持ちで主人公と築く「恋愛」を拒んでいたのではないかなと思っています。
「主人公が他の女性と恋しても構わない」という所に、両親の不倫のように「恋愛関係にもしもなって主人公が他の子に心変わりをしたら決して受け入れられない、ならば最初から恋愛関係ではなく別の決して離れられない関係を築こう」という気持ちが見え隠れしているというか。
要するに小枝子は「恋愛」による関係を全く信じていないのと、「人はいつか死んで離れる時が来る」という考え方から主人公との永続的な関係を信じては居ないんですよね。
「人は死ぬからいつかは別れる」という諦めと、「恋愛的な部分で両親のようにゴタゴタになって主人公との関係が壊れるくらいなら最初から恋愛をしない」という諦めが合わさった事で非常に心情が面倒な事になっている人で。
更には「どんな事よりも主人公に嫌われる事の方が怖い」という思いから「恋愛をして面倒な女になりたくない」と思っている部分も垣間見え、そこが既に面倒な女になっている要素で。
全ての思想が凄まじく「女の部分」に直結していて、サバサバしているように振る舞いながらも「女」を捨てられない所が凄くリアルで。
だからこそ小枝子、凄く好きです。
面倒な思考を持つヒロイン好き教にはたまりませんよこういうの!
この思考を理解して受け止められるか、理解出来ないかで本当に小枝子への印象が180度変わります。
彼女のルートでは病院の子供が「さとり病」でまた大切な人の死に直面し、耐えられなくなった彼女が病室で独白しますが、そこでようやく彼女の真意がどんな物かを知る事が出来るので、それまではよく分からなかったのですが、あの独白で「なるほど…」と唸りました。
「はるとま」をプレイ済みだと彼女とのEDが正史ですし、やっぱり小枝子ゲーなんだなと。
星の存在も二人の死生観としては重要ですが、主人公と対になり永遠に側にいるのは小枝子だとは思っています。
罪悪感により結ばれた約束と離れられない関係、最高に良いですよね…
彼女の複雑な心情、人間の女性らしい面倒くささ、そして主人公との幼少期からの関係。
どれを取っても他ヒロインを圧倒する存在でした、まさに小枝子様。
本作は彼女の為にあると言っても過言では無いです。
まさに孤高で完璧に見えて幼少期から時が止まっている、そんな孤独な少女でした。


『沖奈小雪 ルート』
星の無邪気さを引き継いだようなヒロイン。
昔から主人公へ好意を寄せていて、でも小枝子の一件から疎遠になって。
彼女との会話やお爺さんとの会話が主人公がサルベージに情熱をかけようとするきっかけになるので、「はるとま」時にどうしてサルベージにあそこまでかけるのか?という解答になっていました。
彼女のルートではまさかの主人公が「さとり病」発症。
そしてまさかの史上初の完治という、ちょっと都合が良い気もしますが、そもそも「はるとま」世界が籠女の件もあり多重分岐世界なので、「さとり病」完治の世界もあっておかしくは無いとは思ってます。
エピローグでは真語と春音を両方生み、実の姉弟として二人が存在していたり。
小枝子が正史ならIF世界としては非常にヒロイン力が高いです。
昔からの関係を含めるとヒロインとしては2番目に正史な気はします。


『八香月千鶴 ルート』
星の見た目とのギャップを引き継いだようなヒロイン。
清楚に見えて言う所は言うのは好き。
でも、ちょっと主人公への恋心への抱き方描写が微妙というか…
なんかいつの間にか主人公に惚れてたので「いつ惚れた?」という感覚に。
小枝子とか小雪は昔からの関係があって納得しましたが、千鶴はいつの間にか共通で惚れてたのでその辺りがちょっとよく分からず。
他ルートが恋心の描き方が丁寧だった分、その辺りが雑に感じ印象が薄かったです。
でも、他の何かを助ける為に自分の身を犠牲にするような行動を取る千鶴に、主人公が「俺が助けに来る事を願ってそういう行動を取っているなら好きになる事は出来ない、生きたくても死ぬ人間が居る、自分の身を大事にしない人間を好きになれない」と思っていた所は星の件を引きずっている価値観をしていて一部からの繋がりを感じて非常に好きだったのと、その事に関して千鶴が「身を犠牲にしているのではなく、助けたいものを助けて精一杯後悔しないように生きている」と言い、主人公とは真逆の生き方をしていたというか…「千鶴の方が今を精一杯生きている」を主人公が気付き千鶴の告白を受け入れたシーンは好きでした。
予想外に自分の考えをひっくり返す系ヒロイン好きなので。
ただ、告白された側だから選択権があるとはいえ、主人公が千鶴の告白後に「こういうタイプに告白されるのも悪くは無いけど、どうしようかな…」とイキった感じで告白の返事を渋っている描写はあまり好きでは無かったです。
所々で告白された側の余裕的なイキりを感じたので見ていて苛立ちました。


『花咲卯里 ルート』
星の儚さを引き継いだようなヒロイン。
純粋な恋愛物としては一番好きです。
他が結構変化球なので直球の恋愛をしていたのが印象深く。
双子の姉を自分のせいで失い姉の死を背負い続けている少女。
主人公と同じ様に「大切な人の死」で縛られていてそういう部分に主人公は惹かれて行きます。
彼女のルートは作品の独特な世界観と絡まり、「生と死」が混在している流れが見ていて綺麗でした。
そして何よりも、主人公が卯里に惹かれまくるので読んでいて楽しくて。
自分はヒロインが主人公に惹かれるよりも主人公がヒロインに惹かれて好き好きしていく描写が性癖なので主人公がどんどん卯里を好きになっていく描写を見ていてとてもニヤケました。
霊的な力で主人公の心と繋がってしまうシチュも好き。
恋愛の流れもシチュも話も大好きで、見た目とかキャラとかも大好きで。
コンセプト的には小枝子が強いのですが、恋愛物としては個人的に一番楽しめたルートでした。
エロも好きな雰囲気でしたし。
ただ、小雪と同じ原画家さんだからかフェラが小雪とポーズが被ってたのが若干気にはなりましたが…そこだけかな、気になったのは。
「生と死」が曖昧な世界観で死者と会話したり霊的な現象が起こったり、不思議な世界観をふんだんに使ったルートでした。


『おまけ ルート』
IF、もしものお話。
完全にギャグルート。
オールエンド後のエピローグではIFの星との出会いがありますが…
上記でも書いた通り、「さとり病」ではない星は小枝子と戦うと分が悪い気はします。
このオマケは完全に星が「さとり病」を患うから映えるルートで。
星には生きていて欲しい、でも、「死ぬからこそヒロインになれた子」ではあるので、中々に生きているシーンを描くのが難しいヒロインだと思いました。
ですが、オマケはオマケ。
IFでは皆で仲良く楽しく生きていて欲しいです。



総評として、「はるとま」でほぼファッション設定だった設定をよくここまで綺麗に作品として消化したなという印象。
人間関係のドロドロは無かったですが、その点は小枝子が一人で心理的にドロドロを背負っていて「こういう方向でドロドロさせるか…」とドロドロの方向性が面白かったです。
ラストにインパクト無いですが、丁寧に丁寧に前作を壊さず話を収集し、前作に繋げた所は好感が持てます。
こういう丁寧さはかなり難しいと思うので、見ていて気持ちが良かったです。
「はるとま」「はるとま2」二つ揃って一つの作品であると強く言える、細やかな作品でした。



※ゲームの攻略で検索される方がいらっしゃるみたいなので参考にさせて頂いた攻略サイト様を失礼します。
参考攻略サイト様:愚者の館(アーカイブ) 様
http://sagaoz.net/foolmaker/
 はるかぜどりに、とまりぎを。2nd Story ~月の扉と海の欠片~ ページ
http://sagaoz.net/foolmaker/game/h/harutoma2.html