ひっそりと群生

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【WHITE ALBUM -綴られる冬の想い出-】感想

【男性向け全年齢】



なんとなくLeafのノベルゲーム作品を最初からプレイしたくなったので購入part28。



2010年06月24日発売
AQUAPLUS』※リンク先公式HP
WHITE ALBUM -綴られる冬の想い出-】(PS3) ※リンク先wiki
以下ネタバレ含めての感想です。








10作に一個は名作と呼ばれている作品を挟んでプレイしないと心が死ぬと学びました。
というわけで、この感想がいつ投稿されるかは分かりませんが、2021年の50作目は「WHITE ALBUM -綴られる冬の想い出-」をプレイ。
今回はLeafから発売された『WHITE ALBUM』(※リンク先感想)のAQUAPLUS発売全年齢リメイクになります。
本来ならPC版をプレイ予定でしたが、Leafがいつの間にかWHITE ALBUM2以外のDL販売を撤退していたのでPS3でプレイ。
今まではPC作品はDL版があったと思いますが、いつの間にか撤退していました。
完全にAQUAPLUSに移り18禁からは手を引く予定なのでしょうか?
そういう戦略なら18禁作好きとしては凄く悲しいです。


今作はオリジナル版が1998年、リメイク版が2010年、12年を跨いだリメイクになります。
Leaf作品の中ではかなり時が経ってからのリメイクかと。
おそらく発売日からWHITE ALBUM2に合わせたリメイクだとは思いますが、10年以上前の過去作を今の技術でリメイクする事はノベルゲームでは中々に見かけないので進化を見れて楽しかったです。


プレイ時間はトロフィーコンプまで約36時間45分くらい。
ストーリーを追うだけなら20時間くらいで全員のストーリーはクリア出来るかと。
トロフィーコンプはかなり難易度が高く攻略本を買いました。
リメイク作としてはかなり良質なリメイクだったと思います。
現代に合わせるべき所は合わせながら物語を激しく損ねるような事は無かったです。
ただ、やっぱり良くないと感じる箇所も数ヵ所あり。
良い部分、良くない部分の両方に触れていくつか書いて行きたいと思います。


まずは良くない部分やちょっと気になった部分をいくつか。
1つ目は雰囲気の関係ですが、現代の作風になった絵柄と移動選択時のUIの見た目から、オリジナル版で漂っていた「儚さ」はかなり減ってはいました。
これに関しては時代を重ねてリメイクする限り仕方のない事ですが、どうしてもあの時代の絵柄とたどたどしく使いにくくもシンプルなUIは世界観の形成に一役買っていたと思います。
リメイク版はストーリーラインは同じではありつつもどこかポップで。
雪解けの儚さ、登場人物達の消えそうな空気感はやっぱり圧倒的にオリジナル版が上でした、あの時代だから出来たある種の奇跡なんだと思います。
2つ目はフリーズが多い。
PS3版のみかもしれないのと、今後DL版が無い限りはPS3版のみでしかプレイ出来ない為に問題に上げますが、行動選択肢を選んだ後やキャラクターの立ち絵が切り替わる際に数度フリーズしました。
特に小夜子ルートのフリーズの多さには驚き。
オリジナル版からのルートは3回ほどでしたが、小夜子ルートに入った瞬間に5回以上フリーズしました。
フリーズして電源を落とすとフリーズした箇所までの既読は反映されないので、小夜子ルートは5日に1回、他ルートは15日単位でのセーブを推奨します。
小夜子ルートが他ルートほど複雑化していないのでストレスはさほど無かったですが、これで複雑化してたら投げてました。
3つ目はトロフィーコンプの面倒臭さ。
単純にストーリーラインを読むだけなら問題無いです、好感度を上げて必要な箇所にさえ行くという攻略手順さえ踏めば攻略出来ますし20時間くらいでコンプ出来るかと。
しかし、トロフィーコンプ、てめぇは駄目だ!!
「オリジナル版のマゾプレイが好きだった方にも満足して頂けるように作り上げました!」じゃないですよ!そんなん誰も望んで無いんで!!
トロフィーコンプが本当にマゾい。
特に好感度によって変わるヒロインのAorBイベントとイベント通過した事で開放される会話選択肢の判定が鬼。
美咲ルートなどはその点の分岐が複雑化しているので本当に回収が地獄でした。
このトロフィーを集める為に一人のヒロインに付き一度クリア後に2周も3周もしなくてはならなくなりました。
むしろヒロインだけでなく野郎キャラ巡りもしました。
いや、分かりますよ、トロフィーは収集要素なので凝った作りにするのは分かります、でもあまりにもマゾい+一度ストーリーを読んでしまうとただの作業になってしまうのが残念で。
もう少し面白い要素でトロフィーコンプには出来なかったのか?と。
周回しながらオリジナル版のマゾプレイヤーに向けて作られているのでは?と本気で思いました。


この辺りがリメイク版にて悪い意味で気になった部分です。
勿論逆に良かったと思う部分もあるのでそちらもいくつか。
1つ目は原画が変わらずカワタさんだった所。
オリジナル版と変わらない方で安心しました。
勿論絵柄は現代水準になっていて、当時のちょっとゴテゴテキラキラした感じは無くなっているのですが、カワタさんは「ルーツ」辺りから等身の低い絵柄になっていらっしゃり、「ToHeart2」でもその系統の絵柄で。
あの等身低めのビビッドカラーめいた絵柄も大好きなのですが、「WHITE ALBUM」や「誰彼」の絵柄も好きで、「もう絵柄が変わられたのかな~」と思っていました。
しかし今作で再び「WHITE ALBUM」時代の等身が帰って来て。
現代寄りの絵柄になりながらも当時のキャラ達が内包する物は決して変わっておらず、ご自身の感覚で画風を変えられる方で戻す事も出来る方なのだと驚きました。
最初にカワタさんの絵を知った「ToHeart2」のルーシーが自分の好みにドヒットだったのもですが、過去作に一気に触れて自分はLeaf作の中ではカワタさんの絵柄が一番好きだと感じ、今回のリメイクで再び等身を戻せるその技量を見てますます好きな絵柄になりました。
由綺と理奈の旧アイドル衣装を残しつつも現代寄りのアイドル衣装も追加され、他キャラの衣装も現代寄りの衣装になり。
衣装の違いに洋服での時代の差を感じたり出来たのも面白く、そういう部分にもセンスがあると思います。
Leafの中心原画家の中で一番好きな画風の方です。
モーションポートレートに関しては、静止画を枚数で動かすのではなくヌルヌルと動かす方法にキャラクターを見てて若干違和感を感じるのであまり好みでは無いのですが、技術としては凄いとは思いました。
えもふりやE-moteとはまた若干違った感じで、他の動かすツールよりも滑らかに動いていたと。
立ち絵のポーズが切り替わる際の動きが違和感が無くて良かったです。
人物絵とは違いますが背景も、背景の一箇所をアップにした絵が流れる演出がある事で場を盛り上げていました。
2つ目は単純に攻略するだけなら非常に進めやすくなっていた事。
WHITE ALBUM」は会話選択肢を埋めるのは困難なのですが、攻略だけならば好感度を上げキャラクターの居る箇所に行き、特定のイベントを起こす事で攻略出来るというシステムになっています。
会話経験値は会話選択肢時に必要なだけで好感度を上げる際にはさほど必要では無いシステムです。
しかし、オリジナル版ではその「誰が何処に居るか」が可視化されておらず。
昔のクソ行動選択にありがちなのですが、場所に移動するまで誰が居るか分からないという代物になっていました、本当にクソ。
これによりオリジナル版はストーリー攻略自体が難しく、全イベントを埋める事は夢のまた夢になっていた部分があります。
しかしリメイクで行動選択肢時に「誰が何処に居るか」が可視化されるようになっており、神の改善でした。
可視化された事でトロフィーコンプも面倒ではありますが、不可能ではない物になっていて、確かにマゾいですが、運ゲーでは無かったです。
特にオリジナル版をプレイ済みだとオリジナル版では任意では辿り着けなかったイベントに辿り着く事が出来、オリジナル版では読めなかったイベントをいくつか読む事が出来たので、オリジナル版プレイヤーにも良い作りにはなっていたと思います。
3つ目は話自体は殆ど変わって居なかった所。
文章で読めるタイプの人間ではないので絶対とは言えませんが、リメイク版追加キャラクターの小夜子ルートは別として、他ルートや会話はほぼオリジナル版のテキストと一緒だったと思います。
見た目での雰囲気は変わりながらも原田さんのどこか危うく崩れ去りそうですぐに心変わりを起こす人間らしい生々しい関係は健在でした。
18禁シーンもギリギリまで描かれていて、エロ自体はカットですが、致した描写は残っていて安心しました。
WHITE ALBUM」は肉体関係が無いと形成されない関係が多いので、全年齢の移植でどう変わるか不安でしたが、カットしつつも行為自体は消さなかった所が好感高いです。
特に由綺ルートはギリッギリのCGで微エロが描かれるので、致しているんだけどボカしている描写が大好き党の自分には心の琴線弾きまくりでした、最高でした。
4つ目は一番のポイントだと思いますが、声ですね。
ダブルヒロインに水樹さんと平野さんという演技も歌も上手い表声優をあてがうの、神の采配かと。
更に朴さんに速水さん…昭和~平成前半の声オタで最近の方を知らない耳の悪い自分が知り過ぎているお声でした。
というか水樹さんと平野さんという裏には来ないと思われる方々が際どい台詞言うの、最高過ぎて。
由綺の致してるシーンでの台詞や事後の台詞を平野さんのお声で聞けたり、理奈ルートでの理奈の「私、冬弥君と寝たの――」「どうしていつも…いつも人のものなの…?いつも、いつも…」という名ゼリフを水樹さんのお声で聞けたり。
両者演技力抜群なので聴き応え有りすぎました、全年齢のリメイク版で裏には来ない演技力抜群な声優さんに際どい演技をして貰う、これぞ声無しからの全年齢化での醍醐味!と言わんばかりにお二人の演技が抜きん出ていました。
朴さんも凄い、お声だけで天下を取れる声質なのに、弥生の淡々とした人形のような演技が上手くて。
正直最初は朴さんのお声は好きですが、弥生の外見と声が合ってるか微妙に思ってはいましたが進めば進むほど違和感が無くなっていきました。
朴さんの声帯で弥生さんが語る「過去に男性に抱かれ、女性とも沢山関係を持っていた話」はめちゃくちゃ滾りました。
それくらいお上手、ベテランの風格でした。
戸松さんはマナの変態連呼とバカ連呼が聞けるだけで耳が幸せで、升さんははるかのぬぼ~っとした声が合っていて高本さんも美咲さんらしい品のあるお声が合っていました。
追加キャラの小夜子役の佐藤さんや彰役の小野さん、緒方さん役の速水さんは…まぁ、裏にもいry…まぁそういうのは抜きにしてもキャラに声は合っていました。
特に緒方さん役の速水さんはやっぱり上手い、声が良いのは前提として上手過ぎです。
緒方さんの掴み所が無く飄々としていて、でも絶対的な才能を持っていて自信があるクセの強い性格を見事に演じられていました。
速水さんのお声に一番最初に触れた作品での配役が癖が強くアクが強いキャラでキャラ自体の気持ち悪さを正確に引き出す程にお上手だったのでそれ以降速水さんに対して演技力が有り過ぎて一筋縄ではいかなかったり気持ち悪いキャラを演じられたら最高の声優さんという印象を抱いているのですが、例に漏れず今作でもその演技力を遺憾なく発揮されていました。
緒方さん、主人公から見たら一種の敵キャラであり矜持はありつつも善の系統では無いのですが、そういう絶妙な立ち位置の演技が凄くて、「ムカつく部分が多いけれど嫌いにはなれない」という緒方さん性質をしっかりと演じられていました。
おそらく「WHITE ALBUM」の中で一番ボイスが付いたら難しい役は緒方さんだったと思うのですが、速水さんが担当されて本当に良かったです。
速水さんのお声で公園で対峙する際に言われる「由綺はお前が浮気するのは構わないと思っているけれど、由綺が浮気相手の場合は容赦はしない」の由綺の事を的確に知り、全てを見透かしたような名ゼリフを聞けた事を幸せに思います。
彰は女性声優さんで余計に可愛さ5割増以上になっていて。
どうやらアニメ版では阪口さんでPS3番が小野さんでメディアで違うみたいです。
男性声優さんでも良かったのですが、見た目的に女性声優さんでも違和感が無いキャラで、しかも小野さんの演技が可愛らしく。
…なんで彰、攻略出来ないんですかね?彰君攻略させて下さいよ、本気(マジ)で。
正直単純に人間性の性格だけで見ると彰が一番良い子だと思うので見た目を声も合わさりハチャメチャに攻略したかったです。
彰と一緒に居た方が一番幸せになれるのでは?と思いました。


以上が良くなかったと思った部分と良かったと思った部分です。
あとは音楽に関しては流石のLeaf
オリジナル版の曲はそのままに妙なアレンジも無く作り直されていて聞きやすかったのと、追加の曲も違和感無く溶け込んでいたので、音楽がオリジナル版のスタッフも居るのは強さを感じました。
リメイク版追加のSuaraさんの挿入歌 「君のかわり」が歌詞を含めて「WHITE ALBUM」らしさがあって好きなのと、オリジナル版での挿入歌「SOUND OF DESTINY」を水樹さんの歌声で聞けるという、そしてオリジナル版の主題歌「WHITE ALBUM」を挿入歌として平野さんのお声で聞けるというどちらも贅沢で恐れ慄きました、最高でした。


トロフィーコンプになると話は変わりますが、単純にストーリー攻略だけと物語を追うだけならばリメイク版で全然大丈夫なくらいに出来が良かったです。
オリジナル版は空気感とエロとマゾプレイを求める人が触れれば良いかなーという感じ。
確かにオリジナル版でしか感じ取れない繊細で儚い空気感は間違いなくありますが、プレイの快適さで言うならリメイク版で全然事足ります。
リメイク版もすれ違いの演出の為かポケベルと公衆電話が出てきた時代で変更が無かったのは良かったです。
まぁ、ただ、ポケベルも公衆電話も今後今作に触れる人が居て黒電話レベルで理解できるかは分かりませんが…そこはやむなしという部分でしょう。



オリジナル版のキャラルートの感想はオリジナル版の方で書いたので省略。
以下、新キャラ小夜子ルートの感想。



『如月小夜子 ルート』
PS3版追加キャラ。
分かってはいた事なのですが、シナリオは原田さんでは無さそうです。
文章より展開派なので分かってるか危ういのですが、原田さんの文章から感じ取れていた空気感は無く。
まず文章として「…」など三点リーダがあまり無かったのでEDクレジットでいらっしゃったシナリオ担当の他の方々の文章かと思います。
うーん、なんでしょう、小夜子ルート、好きな部分もありますが合わないと思った部分もあるというのが素直な感想です。
「アイドル物」としては有りですが、「オリジナル版から続くWHITE ALBUM」としては微妙、でも「全年齢の移植」として有り、みたいな、そんな感じ。
「アイドル物」としては非常に良かったと思います。
由綺と理奈が一人でアイドルが成り立つ当時のアイドル像なら小夜子はグループで活動する現在のアイドル像。
一人では表舞台に立つ事が難しく、グループでしか活動出来ない、そのくらいの才能の少女。
偶然と運で芸能界に入りアイドルになったけれど、才能や時の流れには勝つ事が出来ず、グループからの卒業を強いられ。
個人活動になったけれど決して由綺と理奈の才能には追い付けない。
その上、彼女達に追い付く程の努力をしているかと言われれば、口や見栄は達者でいかにも努力してる風を語るけれどその努力は努力では無く、楽な方、楽な方へと進もうとしているだけという。
由綺と理奈と比べると全く努力の「ど」の字の無く、プライドだけは人一倍という見ていてギャルゲーのヒロインとしては好感度は高くは無い女の子。
でも、そういう姿はむしろ人間誰しもが持っている物で、彼女を非難出来ず。
「駄目だけれどそういう駄目さこそが普通の人間」というリアルな人間を描いていました。
普通の女の子が運良く芸能界に入り他の才能に圧倒され、そして努力にも圧倒され、何も出来ない位置から努力も、そして持って生まれたものも、天才の由綺と理奈、二人のアイドルを見て自分の価値の低さに苦しむ話。
そんな彼女を見て、「由綺の恋人でありながらも自分も同じ存在だ」と共通意識を持ち彼女に寄り添い、そして小夜子が努力に目覚め少しの期間でも頑張り、本作のアイドルの最終目標である「音楽祭」に出演する、という話の流れはとても良かったです。
ただ、「アイドル物」としては良いのですが「オリジナル版から続くWHITE ALBUM」としては微妙な感じでした。
何故なら「WHITE ALBUM」は他の由綺以外のヒロインと関係を持ち、浮気をするゲームだからです。
小夜子は主人公との交流で主人公に惚れますが、途中の流れで由綺が主人公の恋人であると気付きます。
そこで主人公と小夜子の関係が進展するかと言えばそんな事は無く。
むしろ小夜子は由綺が主人公の恋人である事を知り、それを受け止め、「今後も友達で居よう」という関係に落ち着くのです。
小夜子ルートは他ルートと違い、肉体関係もキスすらも無いという「WHITE ALBUM」としては異端なルートになっていました。
肉体関係を含めた三角関係が発生しないので、それって三角関係ゲーの「WHITE ALBUM」としてはどうなのよ?となり。
テキストも他ルートと明らかに毛色が違うのも相まって、1つだけ浮きまくったルートにはなっていました。
バグなのかなんなのか、後半で理奈とデュエットした後に理奈と主人公が話すシーンでいきなり一人称から三人称に変わり台本のト書きのようになる箇所もありますし。
複数ライターが書いてるなーという感じ。
(こちらに関してはもしかしたらパッチで改善されているかもです、自分のPS3はネットに繋いで居ないためパッチは当てませんでした。)
そういう部分から「オリジナル版から続くWHITE ALBUM」としては無いかなと思っています。
ただ、「全年齢の移植」としての三角関係としては有りだと思っていて。
小夜子ルートがどこまでも健全だった所もあり、「全年齢で三角関係を描くとしたら」という意味では小夜子との関係は完成されていた所がありました。
小夜子とはキスも肉体関係も築かない、けれど、これだけ沢山の出来事を乗り越えた小夜子と主人公はきっとずっと強い友情で結ばれると思っています。
小夜子と築いた関係って、ある意味で「恋愛よりも強い友情」になっている部分があり。
人の感情に優劣を付けるのはおかしいのですが、主人公はもう小夜子の事を凄く大事だと思うんですよ、決して恋人にはならないけど凄く大事で。
今後、由綺とは疎遠になるかもしれない、緒方さんの件もあり由綺と微妙な関係になるかもしれない。
由綺は今後更に時間が取れず合えない日が続くかもしれない。
でも、きっと主人公は小夜子とはずっと一緒に居る。
それこそ作中で言われていた「小夜子としている事は由綺としたかった事」と言わんばかりに一緒に出かけたり遊んだりすると思います。
そしていつか、由綺と居た時間をも超える時が来るかもしれない。
決して肉体関係を持たず恋人にはならなくても、そういう関係の強さって人によっては恋愛よりも大事な関係で。
小夜子はいつか主人公の中で「一番大切な存在」なる日が来ると、むしろ既にそういう存在になっているとも思っています。
小夜子ルートははるかとの関係を友達で終わったままでもっと踏み込み、異性としての関係を築いた上で肉体関係を持たなかったルートのような感じ。
キスも肉体関係も無いけれど、一番大切な人が変わる。
それもまた「心の移り変わり」であり、空気感や毛色は確かに違っても一種の「浮気ゲー」として成り立っていました。
「全年齢でどこまでも健全なままで描かれる浮気」。
オリジナル版での肉体関係をあそこまで露骨に削らなかったのに、リメイク版での追加キャラでは性的シーンを一切描かなかったのはわざとなのだろうなと。
なので「全年齢の移植」としては完成されていた、リメイク版としての「オリジナル版には無かった「WHITE ALBUM」」でした。
他ルートとは一気にテキストも雰囲気も変わりますが、全年齢のリメイク移植としては面白い試みだったと思います。



オリジナル版のプレイは一昨年くらいなのですが、プレイ時を振り返りながら読む事が出来ました。
何よりも「WHITE ALBUM」は「浮気」という要素をここまで美しく描けたのが凄いと思います。
心情も雰囲気も世界も、そして美しい浮気も、リメイク版をプレイしても褪せておらず新しい要素も含めて楽しめました。


さて、次回、Leaf追いラスト作品になりますが「WHITE ALBUM2 -introductory chapter-」「WHITE ALBUM2 -closing chapter-」を続けてプレイして行こうと思います。
その後に「WHITE ALBUM2 EXTENDED EDITION」にも触れる予定。
丸戸さんが持ち込んだ企画らしく。
WHITE ALBUM」が当時はプレイヤーだったシナリオライターさん達を魅了したのも「WHITE ALBUM」のオリジナル版、そしてリメイク版をプレイして伝わりました。
色んな情報を見ていると「WHITE ALBUM2」は本作のハードルを越えているほどに凄いらしく。
期待値はかなり上がっていますが、どう来るのか、楽しみです。



※ゲームの攻略で検索される方がいらっしゃるみたいなので参考にさせて頂いた攻略サイト様を失礼します。
 参考攻略サイト様:WHITE ALBUM -綴られる冬の想い出- 攻略Wiki
http://wikinavi.net/whitealbum/
 参考攻略本:「WHITE ALBUM -綴られる冬の想い出- ザ・コンプリートガイド(電撃の攻略本)」