ひっそりと群生

ひっそりと持ってるCDの情報やゲームの感想上げたり。購入物の記録など。気ままに。飽きっぽいので途中で止まったらご愛嬌。

【痕 ~きずあと~ リメイク版】感想

【男性向け18禁】



なんとなくLeafのノベルゲーム作品を最初からプレイしたくなったので購入part25。



2009年06月26日発売
Leaf』※リンク先公式HP(18禁)
痕 ~きずあと~ リメイク版】(PC)(18禁) ※リンク先wiki
以下ネタバレ含めての感想です。








システム面は7でもインストール起動可能。
ディスクレス起動可。
プレイ時間は約10時間15分くらい。
え…Leaf作の間にあった君が呼ぶ、メギドの丘で…?
知らないですね…
面白いと言われてる物なら頑張りますが、RPGでアレな噂しか聞かない作品は流石に…飛ばします…


痕 ~きずあと~』『痕 ~きずあと~ リニューアル』(※リンク先感想)と二度目のリメイク作になります。
2度もリメイク、凄いです。
でも、元々はコンシューマとして作ろうとしてた物だったけれど、「作風から全年齢化は無理」と断念してPCに持ってきたらしく。
確かに敵の怒涛の陵辱シーンを考えると難しいかと。
陵辱を暴力に置き換えたらいけなくもなさそうですが、それをしても全年齢は難しそう。


一番の変更点はまず見た目で目を引く絵柄にあると思います。
オリジナル版、最初のリメイクで絵を担当された水無月さんが退社されているので新規絵は甘味みきひろさんに。
いやぁ、可愛らしい絵柄になってしまわれて…
正直この絵柄、絵柄自体は悪く無いのですが、非常に「痕」の世界観からはかけ離れたものになったと思います。
2009年でコンシューマで出す事が前提にあったなら、まぁ確かに当時の流行りはこの絵柄なので分からなくも無いですが、初代から追ってるとどうしても違和感が。
絵的には問題無いんですけどね…立ち絵もCGもオリジナル版と同じ箇所で同じポーズと同じ表情の絵が出て、ちゃんと梓の回し蹴りやおまけで一度しか使われない胸揉み立ち絵もあり、男キャラもちゃんとオリジナルそのままの見た目で立ち絵がありますし、イラストレーターさんの頑張りとオリジナルに近付けようとするこだわりは感じました。
少なくともTTTの移植版のように「誰だお前!!?」となる見た目の変更が無い分好印象です、イラストレーターさんの味に仕上がるのは良いのですが、見た目そのものが変わるの苦手なので。
でもなぁ…これは最初のリメイクでも思いましたが、初代の水無月さんの絵が強すぎるんですよ…
あまりにも伝奇物に合いすぎてて…
千鶴さんの「あなたを殺します」のCGはリメイクを重ねる毎にインパクトが減ってしまってます。
ちょっと最初のCGのカリスマと圧が強すぎました、あのCGは強い。
なので、悪くは無いのですが、伝奇の雰囲気は減ってしまって伝奇好きとしてはかなり残念な気持ちに。
「雫」のリメイクが違和感を感じなかったのは旧絵に合わせた絵柄をしていたからなのだなと。
ですが、背景とかはめちゃくちゃ良かったです。
特に「半月後…」で家のテレビ画面が点く度にLeaf作品の宣伝になってたのには笑いました。
TH2の環のシーンが作中ドラマ(?)として出てきたり、超宣伝してます。
あと、クリア後のおめでとうイラストもオリジナル「痕」のおめでとうイラストのキャラの配置と逆で描かれてて…梓に日の目が当たって良かったです。


話は本筋は全く変わらず、しかし、本筋+おまけ全クリア後に「半月後…」がタイトル画面に追加され、新キャラクターの高砂六花のルートに行く事が出来ます。
10年以上経ったゲームで新キャラクターとか凄い、挑戦的だ。
でも、その新キャラクターなのですが、メイドに緑髪と…かなり萌え要素を全面に出したキャラになっていて。
正直伝奇物としての追加キャラとしてはどうなのよ?という気持ちにはなりました。
今までがそういう萌えを全面に出したキャラが出てて伝奇をしているなら気にならなかったのですが、「痕」のオリジナルキャラって別にそういう要素は無くて、髪の色も普通だし、洋服も普通で。
そんな中にいきなり髪の色パステルカラー!メイド服!!の少女が出るのは流石に…世界観壊し過ぎなのでは???と。
今まで本筋は立ち絵もCGもオリジナル基準で完璧だったのに、いきなり「半月後…」で2009年らしさを出してきて、それはちょっと…に。
せめてオリジナルの作風を壊さない追加キャラの見た目にして欲しかったです。
メイドでももう少し落ち着いたメイド服に出来たでしょうに。
髪の色も落ち着いた色合いに出来たでしょうに。
なんで萌えっ萌えのメイドさんなのか…
どう考えても見た目で世界観ブレイカー過ぎました。
(あと、千鶴の新規衣装は可愛いですが、やっぱりスーツ系が好きだなーと個人的に思いました。)
ですが、話の本筋に無理やり割り込ませなくて本編クリア後に開放という流れは良かったです。
本編だけだと充分に今の技術の「痕」を楽しめました。
エフェクト良いし、プレイはスムーズでプレイしやすいし、そういう部分では楽しかったです。


もう一つの変更点はやっぱり声ですね。
2009年になるとフルボイス当たり前になってる所が時代の流れを感じます。
声は非公開ですが、おそらく今までのLeaf作品に出演された方が出ていらっしゃると思うのと(特に男性陣)、まぁ、ぶっちゃけ「AQUAPAZZA」で柏木四姉妹は出ry
……魂の双子くらいなら分かります。
全員演技が非常に良かったのですが、個人的に初音と梓の声が好み過ぎました。
特に初音の声は、とろける。
なんというか、流石でございます。
音楽は現代の技術で作り直されていて、非常にクリアな音に。
プロデューサーの下川さんが音楽担当でLeaf初期からいらっしゃるのはかなり音方面では強みだと思います。
本人が本人の曲に手を加える…セルフアレンジ?みたいな、そういうのは大体外れが無いです。
旧曲を新しい音質で聞けましたし、新曲も旧曲と並んでも違和感が無く、音は本当にパーフェクトですLeaf
やっぱり「鬼神楽」は格好良い。


良くも悪くも「現代に沿った」リメイクだと思います。
新規の方はここからでも全然良いかと。
ただ、オリジナル版が好きな人は絵柄とか雰囲気で唸りそうではあります。
でも絵柄はもう仕方ない物だと割り切るしか…伝奇に強い絵柄だったらコンシューマ予定では逆に売れなかったとも思いますし…
ただ、萌えを全面に出した髪色&メイドには難色を示しますが。
本作の初回版には「痕」のオリジナル版が付属しているので、オリジナル版が好きだったり伝奇色が濃い方が良い!という方は初回版の購入をオススメします。
セーブロードでCG回収が難しかったり、ルート分岐的にスキップが綺麗に既読箇所のみでの判定は無かったり、動きに関しては現代基準で良くは無いですが、伝奇としての雰囲気は最高に良い物に触れられると思います。
あと、「雫」も旧版、リメイク版と付属していてお得です。



以下、新キャラ六花ルートの感想。



高砂六花 ルート』
主人公と柏木四姉妹の鬼を受け入れたその後や柏木家とは別の鬼の思想や主張、そういうのは非常に面白かったです。
コンセプトは良かった。
しかし、やはり立花の見た目で他の「痕」を知っている分、「痕」の伝奇の世界観は一気に崩壊します。
上記でも語りましたがメイド設定は良いとしてももう少しクラッシックなメイドの見た目に出来なかったのか?髪色は黒とか茶色ではダメだったのか?と非常に悩ましいです。
萌えにしないとウケない!追加キャラは埋もれるかも!!という考えがあるかもですが、駄目な意味で浮いてます。
「痕」キャラの立ち絵の中に立花が並んでたら絶対に他作のキャラ?となりますもん、そういう目立ち方は駄目でしょう。
まぁ見た目に関しては触れると触れただけ出てきそうなのでここで止めます。
話は、コンセプトは良かった、良かったですが…ちょっと朝パートと夜パートでテンションが分かれすぎた所が。
朝パートは柏木四姉妹と立花とのワイワイガヤガヤ、夜パートが鬼に迫る…という感じで完全に分かれてて、夜パートのシリアスが朝になると一気に毛色が変わるので緊張感が長続きせず、伝奇としては非常に残念なテンションに。
別にギャグパートが挟まっても良いのですが、朝!夜!で分けられるとちょっと…うん…
朝と夜で分かれる事に意味があるタイプは良いですが、「痕」は本編でも朝でも犯人に会ったりしてシリアスが続いたりしたので、唐突に何かを目安にして作風の切り替えが入るのはどうかなーと。
あとはエロも個人的には…うぅん…
ってかコレ、『ToHeart2 XRATED』(※リンク先感想)の珊瑚&瑠璃ルートの感想でも言ったのですが、ルート攻略のキャラじゃないキャラで主人公と最初の貫通を迎えんじゃねぇ!!!
私は攻略しているキャラと最初のエロを見たいんですよ!!!
なんで別に三角関係とかNTRとかじゃなく一人を純粋に愛する系で攻略しているキャラ以外のキャラで初貫通迎えないといけないんですか!!!
風花は立花の双子の姉じゃん?じゃあないんですよ!私は立花ルートをやってるの!立花との初体験を見たいの!!!
いきなり風花が出張ってきて「私が挿入ったら立花も入る」とか言って主人公の童貞奪ってきた時には目を疑いました。
色々ヒッチャカメッチャカ状況をかき乱した挙げ句美味しいとこ持っていって…風花勝ち組じゃんよ。
基本彼女の為に頑張る話でもあるしさぁ…
3Pがあるのは結構、でも攻略キャラを最初に抱かせて欲しいのと、せめて選択肢でどっちに最初に挿れるかを選ばせてくれ…
おそらく「本編で誰とも結ばれず事件だけ解決し鬼の件だけ柏木家の全員が知った」という流れで「半月後…」スタートだと思うのですが、立花とのエロで主人公の童貞力が減っていたのも残念。
本編では千鶴や楓で非常に高い童貞力を見せてくれたので、立花ではなんか経験豊富っぽくなってたのが性癖に刺さらず。
いや、空白の半年の間に何かがあったの…かも?流石にそれは無いか。
純愛の方のエロには物申しますが、BADの方の立花の鬼に殺されながら無理やり犯される女性上位シチュは最高でした、血みどろエロ、好きです。
本編後の話なのもあって、「半月後…」では柏木四姉妹の好感度MAXで始まるのも、分からなくもないですがなんだかなぁともなりました。
立花も更には風花も加わり、最後には柏木四姉妹も追いかけてきて、非常にラブコメ、ハーレム色が強くなってたのもなんか本編から考えると違うなと。
恋愛はあっても良いけど柏木四姉妹と主人公は恋愛方面で牽制し合ったりせずに仲良く家族であってほしくて。
立花と風花が出てきた事で柏木四姉妹は「恋のライバル!!?」みたいな流れになったのが…うん…「家族」と「伝奇」の作風であって欲しかった側からしたら「ラブコメ」と「ハーレム」は違いました。
ギャルゲ、エロゲとしては有りかもですが、そういう意味でも萌え色が強くなってました。
立花のコンセプトは良いとしても、存在に関しては色々思う中で、声は非常に良かったです。
おそらく立花と風花は一人二役かな?耳が悪いので断言出来ませんが。
立花に立花の鬼に、風花に風花の鬼に…実質四役で凄まじかったです、特に風花の鬼の低っい声、最高でした。
個人的に立花ルート自体は蛇足感が強かったです。
そもそも本編だけで「痕」は完結しているので仕方ないか…
もう少し、主人公と四姉妹の過去…鬼だった時代の話と絡めて語られるルートかとも思っていたのでそういう事も無く。
まぁ、それをしたらよっぽど上手く無いと本編にメスを入れるだけで終わるので、下手に本編を弄らなかったのは良かったのかもとも思いつつ。
「この時代にリメイクするなら新しい要素も入れないといけない」みたいな空気はあるので、色々と難しい中で頑張った方の新要素だとは思います。



総合的に本編をほぼ崩さなかった事と声の要素と立花の話のコンセプトは良い移植で、絵柄と立花の容姿での「痕」の雰囲気クラッシュ、立花の話の道筋が良くない+個人的な性癖でエロに対しては苦言を漏らしたくなったのでプラマイゼロなリメイクだとは思いました。
良い所もある、でも、オリジナルを知ってると悪い所もある…な感じ。
新規の方には良いとは思うので、リメイクとしては成功作だとは思います。
少なくとも声付きで「痕」に触れられた事は非常に嬉しかったです。


次回はFD?AS?「愛佳でいくの!!」を予定。
FDなのでFD内のノベル系にだけ触れたいと思います。



※ゲームの攻略で検索される方がいらっしゃるみたいなので参考にさせて頂いた攻略サイト様を失礼します。
 参考攻略サイト様:愚者の館(アーカイブ) 様
http://sagaoz.net/foolmaker/
 痕 ~きずあと~ リメイク版 ページ
http://sagaoz.net/foolmaker/game/k/kizuato2.html