ひっそりと群生

ひっそりと持ってるCDの情報やゲームの感想上げたり。購入物の記録など。気ままに。飽きっぽいので途中で止まったらご愛嬌。

【サナララR】感想

【男性向け18禁】



MANYOさんの担当されたゲームをクリアしていく企画50弾。



2012年10月26日発売
ねこねこソフト』※リンク先公式HP(18禁)
サナララR】(PC)(18禁) ※リンク先wiki
以下ネタバレ含めての感想です。








プレイ時間は約10時間30分くらい。
7でもインストール、起動可。
ディスレス起動可。


こちらは2005年04月29日発売の『サナララ』(※リンク先感想)のリメイク版になります。
オリジナル版にある4つの章の基本の話はそのままに、各章に追加文章や追加CGを加え、更に今まで他のFDなどに収録された「サナララ」の物語をオマケや本筋として組み込んだ完全版という扱い。
某所のデータでは音声の再収録とCGの塗り直しまでしているらしく。
普通この手のリメイクはCGの塗り直しまではギリギリ分かりますが、音声データに関しては聴きやすくする調整などをかける事はしても再収録をするというのは殆ど無い為、そういうこだわりに驚きながらもねこねこソフトらしさを感じます。
あー、こういう事普通にするメーカーだよね、分かる。
みたいな、そういう気持ち。
実際数箇所気に入ったシーンを「サナララ」オリジナル版と聴き比べましたが…本当に再収録しているのが分かり。
声優さんの成長された新しい年代の演技で昔の台詞を聴けるという豪勢さを味わいました。
絵も画面が広くなった事で端の端まで見えて、視覚的にも背景など楽しく、とても豪華なリメイクです。


ただ、豪華ではありますが、オリジナル版で良かったと思った箇所が減っていた部分もありました。
まず、「サナララ」オリジナルで全4章の最終章、『第4章:Summer Holiday』で終わりを迎える事で、タイトルの「サナララ」がねこねこソフト共通の「色のタイトル」が回収され綺麗に終わりを迎えた事に対し、本作は最終章に『第7章:神のシステムに挑む者』が来る為、4章の「このタイトルも色だったんだ!4章で明かされ綺麗に終わった…」という感覚は薄れてしまった事。
次に、各章の間に「幕間」が追加され、『第1章:のぞみ』ではヒロイン希未の単なる友人キャラでしかなかったゆうこの実家が経営する喫茶店が中心になり、「幕間」で各章や各章ヒロインの繋がりが示唆され大きな繋がりが増えたのですが、「サナララ」オリジナル版で章だけから感じ取れる曖昧な繋がりが好きだった人にとって「幕間」は色々と知れるけれど、楽しみを阻害していたとも思います。
こう…曖昧過ぎるのは好きじゃないけど、しっかりと語られて空白が埋められるのも嬉しくないという面倒臭いオタク心。
『第7章:神のシステムに挑む者』を見ると必要な要素だとは思いますが、「サナララ」オリジナル版での「各章から若干感じ取れる繋がり」が好きだったので、ガッツリ穴埋めされたのは自分には合いませんでした。
あと、パッチを当てても音楽鑑賞モードで「Over the Rainbow」が聴けなかったり、『第3章:センチメンタル・アマレット・ネガティブ』にて「鏡の物語」を語るシーンで次の台詞に飛ばしても前の台詞が切れず音が重なって行ってしまうなどバグがあり、その辺りは困りました。


ただ、そういうバグ以外のシステムはしっかりしていて動きの速さなど速くなり、演出も強化され、履歴も一つずつ戻るのでは無く履歴モードとして一括表示になったので見やすくなり進化は確実にしていましたし、追加の文章でのフォローや追加CG、追加の物語…とくに個人的に『第6章:のぞみかなえ』がとても好きだったので、個人的に残念だった所はありつつも物語としては他でのオマケを完璧に一つに統合した完成型になっていたとは思っています。
「一つに纏め過ぎた」と言える程、手の凝ったリメイクでした。
これほどまでに凝ったリメイクは中々無いと思います、流石、ねこねこソフトのこだわりを感じました。


以下、1~4章までの初見での感想はオリジナル版の感想に書いているのですが、追加要素などや追加部分に思った事を。



『第1章:のぞみ』
この章は追加よりも削除されたCGがあり驚きました。
ネット上で「希未がイジメっぽく励まされているノートを見てレイプ目」になっている画像がコラにめちゃくちゃ使われているのですが、その元になったCGが削除。
ねこねこはそういうネット上での扱いの嗅覚は尖そうなので、そういうコラでの使われ方が嫌だったのかな?と少し思います。
ネット掲示板の文化なので仕方無さはありますが…こういうのは難しいです。
クリア後にはオリジナル版のオマケの「のぞみブルマ」が開放されるのと、「Scarlett」にも収録があった「ぷちショートストーリー」の「パペットマペット」と「ぷちファンディスクみたいなの も、ついでに再掲しました」にある「のぞみ先生H」が「のぞみフィギア」として再掲。
ワイド版でのぞみ先生のコスプレを堪能出来ました。


『第2章:Sweet days,Sour days』
オリジナル版の感想にも書いていた「いくらループする世界でも食べ物を粗末に扱いのはあまり…」と思っていた部分に対し、本編中に粗末にはしますがヒロインのあゆみに「ループでもしないと食べ物を粗末にしない」という台詞が追加され、一部の行動に細かい心理描写が挟まりフォローが入っていたのでオリジナル版よりも受け止めやすくなっていました。
この部分はとても良かった追加要素で本当に有り難かったです。
少しフォローが入っているのを入っていないので受け止め方が全然違います。
追加の要素はそういう細かい文章の違いとイベントとCGにあゆみのキウイ風呂に入る描写が追加。
クリア後には「キウイおまけH」が解放されます。


『第3章:センチメンタル・アマレット・ネガティブ』
物語の最初と最後に三重野の…おそらく常世とあの世の間で「神(?)」と対話するシーンが追加した事と、クリア後に他FDに収録されていたらしい「三重野サイドストーリー」が再掲。
「三重野サイドストーリー」は彼女の亡くなるまでの一年間になっています。
三重野の運命はオマケを追加しても絶対的に不動な所が切ないですが物語としては好きです。
この「チャンスシステム」はもう完全に亡くなっていて確定している生死に関わる事柄はどう足掻いても動かせない事が分かります。


『第4章:Summer Holiday』
話の追加は特に無かったですがクリア後に「由梨子おまけシナリオ」とFDに収録されていたらしい「由梨子さん腐女子伝」が「由梨子さん」として再掲。
「由梨子さん」の画像の汎用性の高さに驚きました、「腐女子辞めますか?それとも、人間辞めますか?」。


『第5章:魔法少女ヒグチ』
Scarlett」にも収録があった「サナララショート」が「魔法少女ヒグチ」として再掲。
クリア後には「サナララのHなの」が「ヒグチ」として再掲。
内容はほぼ変わりませんでしたが、樋口と沢野の関係が好きだったので本筋に組み込まれてまた読めて嬉しかったです。


『第6章:のぞみかなえ』
リメイク版オリジナル。
のぞみ先生のナビを担当したかな恵さんが対象者だった時の話。
この追加ストーリーが一番好きでした。
かな恵さんのナビ担当の糸川さんがあまりにも好きで好きで好きで。
見た目お人形のように可愛いのに痴女のように登場するわブルマ盗むわパンツ被るわ変態オッサンも驚きの変態っぷり。
その破天荒さ変態さな上にCV:みるとか…神の采配ですか?
みるさんの可愛い声で変態オッサンのような台詞を言うの反則過ぎます、それだけで強い!
そういう破天荒さはありながらもかな恵さんを本気で心配して、かな恵さんの推しが弱い所にはしっかりと芯の通った事を言い、かな恵さんを引っ張って行く姿が本当に良くて。
彼女もまた病気持ちの子ですが、最後の最後まで諦めない姿勢が精神的に逞しくかなり好きなキャラでした。
最後はかな恵さんの機転で糸川さんの担当の医師に間接的に気付けをして手術を成功させる所に「チャンスシステムに頼らない人間の足掻き」を感じてそういう部分もとても好きでした。
作中唯一の同性コンビですが、二人の関係性が関係性での百合な感じで…見ていて楽しかったです。
故に、本編は良いのですが、クリア後に「かな恵ちゃん25歳」が解放されるのですが、かな恵さんのエロは要らないというか…
かな恵さんと結ばれる男性、ぶっちゃけ1章の冷やかしのシーンと6章のラストにしか登場しないので、オマケで唐突に主人公視点になっても「え…いきなり?」感が強くて。
かな恵さんのエロを入れる為だったとは思いますが、こんなちょい役の男を視点にしてもさほど感情移入出来ない…となってしまい。
ぶっちゃけ6章同様かな恵さん視点、女性視点でエロを書いた方がまだ納得出来ましたし、それが難しいならいっそかな恵さんのエロは無く、退院後の糸川さんとかな恵さんが少しでも話すシーンがあった方がまたユーザー的には楽しめたと思っています。
本編はとても良いのに、エロでの唐突なちょい役の男の視点で興を削がれた所がとても残念でした。


『第7章:神のシステムに挑む者』
4章のナビを永続的に続けている主人公、洋一に出会い、仮願いを叶えた後に立ち去られた7章主人公の陽一が、新しいナビであるひかると共に神のシステムの穴を突いていく話。
「ナビと対象者は仮願いをするまでは引き合う」「仮願いの後、本願いをせずにナビと一週間離れるとナビとの関係が消え対象者に新しいナビが配属される」「願いを叶えなかったナビの資格が消える事は無い」「ナビ同士は出会う事は無い」この辺りのシステムを突き、ひかると一週間共にした後に本願い出来る最後の日だけ離れ、今度は任意で出会い再び陽一とひかるがナビと対象者の関係になり何度も仮願いをしていくという…
本作の「チャンスシステム」を利用した話としては面白かったです。
ただ、ラストはお互い惹かれ合う事で「このままひかるをナビのままにして世界から隔離して良いのか?」という疑問が湧き、「お互い正しい世界で生きて行く」という選択をするのですが、そういう流れ自体は4章でありましたし、惹かれ合った者同士が「チャンスシステム」後に記憶を失う事を恐れ、「また再び会える事」を願いに託すというのも他の章で扱われている題材の為、「チャンスシステム」の穴を突くというのは面白いのですが話自体は他とキッチリと差別化が出来ていなかったようにも思っています。
主人公に好意を隠さないひかるは可愛くて好きなんですけどねー。
「幕間」でゆうこに認識されないひかるの謎などはこの章で理由が判明し、全章が繋がりますが…
やっぱりどうしてもタイトルを回収した4章が話的に強くて。
悪くは無いのですが、そういう回収をした4章がラストだったオリジナル版の余韻にはどうしても敵わない物がありました。
クリア後には「ひかるねこ」が解放。
1章のオマケのブルマもですが、記憶を失っても「チャンスシステム」の時のコアなコスプレに心をときめかせ「なんか前に見た気がして心が踊る…」となるシチュは大変好きです。


『おまけ』
7章クリア後に「ゆきいろ」で「チャンスシステム」をする「北の3姉妹」と「そらいろ」で「チャンスシステム」をする「マイシスター」が解放。
…すいません、どちらも未プレイなのでサクッとは読みましたがキャラを知らない為100パーセントの楽しみ方を出来ませんでした……



今作は珍しくクリア後にスタッフルームが無かったので少し残念でした。
ねこねこのスタッフルームでの無法地帯っぷり好きです。
…まぁ、オマケに過去作でのスピンオフを思いっ切り持ってくる時点で無法地帯な気もしますが。
普通、他のメーカーではあまり他作に他作のスピンオフを入れるとかを見かけないので、「ゆきいろ」「そらいろ」に関してはねこねこらしかったです。


MANYOさん追いとしてはオリジナル版でも語ってますがやっぱり「春の終わり」は最高に好きな曲です。
良い曲にプラスして良いシーンで流れるのがまたズルい。
MANYOさんでは無いですが、「思い出して」もまた良い曲で…
使われる場面もあり「春の終わり」と「思い出して」は印象に残った人が多いのでは?と思っています。
追加の歌唱曲もどの曲もハズレが無く流石のねこねこクオリティ。
でも、やっぱり歌唱曲ならオリジナル版から続いてある「サナララ ~花咲く月曜日~」が印象に残っています。
なんだかんだオリジナルからある曲は強かったです。


追加要素で好みが減った部分もあれば、好きな追加要素もあり、全体的に見るとプラマイゼロな感じでした。
新規シナリオは背景が文章と噛み合ってない箇所や使い回しなどもありましたし…
やっぱりオリジナル版をやっていると補正がかかります…そこはやむ無し。
ですが、新規にプレイするならリメイク版で全然問題無く、再配色や再収録などスタッフのこだわりを存分に感じる、そんなリメイクでした。



※ゲームの攻略で検索される方がいらっしゃるみたいなので参考にさせて頂いた攻略サイト様を失礼します。
参考攻略サイト様:誠也の部屋 様
https://seiya-saiga.com/
 サナララR ページ
https://seiya-saiga.com/game/nekoneko/sanarara_r.html