ひっそりと群生

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【人形遊び】感想

【15禁】



2020年07月27日配信
『seko』様
人形遊び】(PC&ブラウザ) ※リンク先ノベルゲームコレクション
以下感想です。








6体の人形と遊んで行くホラー。
ホラー?…ホラー?ホラー、コメディ、ホラー?



『さぁ、お好きな人形と物語を始めよう
 ちょっと不気味で、ちょっと不思議で、とっても可愛い人形達がキミを待ってるよ!
 コメディ、ホラー、ミステリー、探索、学園ラブ?なんでもありのお得なパック!』
(公式より引用)


プレイ時間は約4時間15分くらい。
分岐有、EDはBAD以外で20個。


古い人形の店「malum(マールム)」に迷い込んだ主人公はキリンの骨を被った店主に出会う。
店主は6体の人形から遊ぶ相手を選ぶ事を進めて来て。


選んだ人形により話のジャンルが大きく変わるオムニバスストーリー。
人形の過去を聞いたり、人形と親交を深めたり。
恋愛に探索に…ノベルゲームでRPG!!?
まるでごった煮闇鍋のようなお話。


脅かし要素がある為、一番に来るのはホラーだとは思いますが、ホラーだと思って挑むと音楽や空気がいきなり不条理コメディに変わり。
個性的な人形達と独特な人間達に振り回されながら人形の過去に触れたり触れなかったり。
でも進めば進むほどに人形達の繋がりが何となく見えてきて。


混沌、混乱、無秩序、まさにカオス。
昔、子供の頃に人形遊びをした際に設定が支離滅裂になり内容に一貫性が無くなった時ような。
そんな子供の頃の人形遊びの設定を思い出し。
6体の人形のビックリ箱でおもちゃ箱のようなお話に翻弄され続けました。



『システム、演出』
ティラノ製。
基本性能有りですが未読スキップにのみ対応しておらず、スキップは全て飛びます。
EDムービーは飛ばせない為、少し不便でした。


『音楽』
おどろおどろしい曲が鳴ってる、かと思いきや唐突にコミカルな曲に変わったり。
唐突な曲の切り替えに驚きながらも切り替わった瞬間に話の流れや空気も変わるので使い方が上手かったです。


『絵』
味がある絵柄で好きです。
みつるにデルヤに誤郎に、どこかで見たような人々が。
リアルかと思いきや人形姉妹達は可愛く。
可愛さとリアルの混合もまたカオスを生み出していました。


『物語』
コメディ、ホラー、ミステリー、探索、恋愛、円グラフでそれぞれのパラメーターに伸びた後に全パラメーター吹っ切れたような、そんなお話。
どれかと言えばホラーかもですが、コメディも捨てがたく。
一つの人形と遊ぶ毎に見えてくるキャラクターの縦や横の関係は若干の謎解き要素も含み。
少ない要素ですが探索や恋愛でも悩んだり笑ったので切り離す事が出来ず。
全部の人形と満遍なく楽しく遊ぶ事が出来ました。


『好みのポイント』
全体的にこの空気感と設定でよく話に起承転結を生み出せてるなと。
確かに世界観はカオスめいてるのですが、話の中で話の繋がりにモヤッとするポイントはあまり無く。
物語として纏まらないように見えて理解が及ばない所までは行ってないみたいな、そんな作風。
「今何が起こってるんだ?」「何がしたいんだろう?」と思ったり、理解出来ない事でストレスになる箇所は少なかった為、サクサクと楽しめました。
「理解出来ない事」を当たり前だと認識出来る、そんな感じ。
理解出来ない事でストレスを感じる作品も結構見かけるので、そういう意味では雰囲気作りがとてつもなく上手かったです。





以下ネタバレ含めての感想です





攻略順序的には「アワーリティア編」最初、「雪だるま編」ラストが好ましいかなと。
ビスクドールの「アワーリティア編」。
市松人形の「市松いちこ編」。
こけしの「シケ子編」。
人体模型の「人体模型編」。
藁人形の「藁人形編」。
雪だるまの「雪だるま編」。
の6体の人形と戯れ話をしていくオムニバス。
話をしていくと言いながらも人形が一方的に話しかけ、主人公は全く話さない為、主人公の性格も性別も一切謎のままという。
終わってみると一番謎めいていたのは主人公な気がしました。


それぞれの話を追う毎に、人形の過去や登場する人物達との繋がりが見えて来て。
全体で見るとアワーリティア達7姉妹が姉妹を探す話にも見えます。
姉妹達も過去にやった事がやった事だけど、店主もまた外道というか。
自分が気に入ったらお人形にして店に置いておくとか結構アレな人だと言うのが分かり。
「シケ子編」も唐突に始まる恋愛物で笑いつつも、片方のEDの怖さに恐れ慄き。
「藁人形編」は、まぁ、藁人形は悪くは無くとも生まれる過程の物語が胸クソで。
クリア後「あなざーすとーりー」のおみつの日記を読んでおみつの過去と奈美のエゲツなさにドン引きましたし、彼女のせいじゃないのに夫の勇すらも奈美に寝取られるのが大変キツく、こりゃ15禁になるわな、と。
そんなこんなで生まれた藁人形は、まぁ、本人(人?)は悪く無くても呪いを一身に背負ってるよなと納得したり。
人体模型は明るく登場したかと思えば中に入ってる魂の医院長がクソ野郎だったり。
コミカルに見えて過去とか経緯がかなりダーク寄りな魂が多く、そんな背景がある上で脅かし要素もあるので、今作の一番のジャンルは間違いなくホラーだと思います。
純粋に良い子だったの市松人形のいちこくらいでは?
改めて彼女の言動を見ると姿は確かに怖いですが、心根の清さを感じます。
この人形達の中で友人になるなら普通にいちこが良い…


「アワーリティア編」と「雪だるま編」は分かりやすく繋がっていて、姉妹の再会の物語で。
「キャラクターずかん」のアワーリティアの項目で姉妹の真似をして主人公を見定めているとあり、思った以上にシスコンで可愛いなと思いました。
最後の「ねぇね」もズルい、強欲甘えん坊シスコン妹…って盛り過ぎでしょうアワーリティアさん。
最後にEDを見るとそれぞれの妹とも合流したようで良かったです。


主人公の事だけが本編で上手く掴めないほどに話さない感情を見せないのでよく分からないのですが。
異世界に連れて来られて、マンションの一室に部屋を割り振られた魂の清い普通の人間。
で、良いのかな?
性格、男女は全く不明、全く話さないのでどちらでもという感じ(でも所々の選択肢やシケ子の反応的に男性っぽさは感じました)。
マンションが出てくるのは「市松いちこ編」だけであとは部屋の中で人形達と話したり、「人体模型編」で病院跡地に行ったりするので、居る場所は会話する人形でゴロッと変わりそう。
変わらないのは「日本から来た普通の人間」という所だけかな。
そんな普通の人間が個性的な人形や人々に振り回されたり、選択肢一つで振り回したり、「普通」というポテンシャルが逆に個性だったと思います。


とてもフリゲらしく、カオスで、けれど個性に溢れたゲームだったと思います。
「作者よりごあいさつ」を見ると作者様の近況がこのご時世で大変な事が分かり。
色々本当に大変かと思われますが、そんな大変な中ででもゲーム制作をされ、この作品を作られて。
そして、この作品に出会えた事は良かったです。
色々と世の中が落ち着いて普通の生活に戻られながら、でも、その中でゲーム制作して頂けると嬉しいなと思いました。