ひっそりと群生

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【槇村葉月の恋語り】感想

【男性向け18禁】



2021年09月24日発売
あざらしそふと+1』※リンク先公式HP(18禁)
槇村葉月の恋語り】(PC)(18禁) ※リンク先Getchu.com(18禁)
以下ネタバレ含めての感想です。








プレイ時間は約5時間15分くらい。
7でもインストール可。
ディスレス起動可。


ヒロインが固定されてるタイプの作品に触れたくプレイ。
1年以内(2021年11月現在)に発売された商業ゲームプレイは9作目。


ざらしそふと系列プレイは2作目。
同年発売の『幼馴染のいる暮らし』(※リンク先感想)が良い感じだったので今作も購入してみました。
いやぁ、もう、創作で繋がるカプは良いぞ!!!
この一言に尽きます。
シングルマザーの母に育てられ過干渉を受け、意見を言うと否定され、何でも母の言う通り母の敷いたレールの上を歩いてきた主人公。
ある日住んでいたアパートが倒木により倒壊した事で自ら住む場所を決め、自分で決めた道を歩いてみようと新しいアパートに住む事に。
そこで出会った奇天烈な住人達とお隣の葉月という女性。
母との通話が煩く、壁を叩かれている内に古かった壁が壊れ、葉月の部屋と主人公の部屋が繋がってしまう。
壁の修理費を払う為に更にバイトに打ち込む中、バイト先であるレンタルビデオ屋に葉月が新人アルバイトとして入って来て。
レンタルビデオ屋で映像作品について熱く語る葉月は映像作品のオタクで映像作品の自主制作もしており、今まで趣味も無く、色々な物を母に取り上げられて来た主人公はひょんな事から葉月の映像制作に関わる事に。
今まで何も無かった主人公がやりたい事に出会い自主性を持って行き。
自称陰キャな葉月が今まではこだわりが強すぎて完成出来なかった作品を完成させて行く。
そんなボーイミーツガール物。
「何も持ってなかった人物」が何かを得て行ったり、「完成まで辿り着けなかった人物」が何かを完成させて行くという話にとても弱いので、主人公と葉月が共に作品を完成させていくという流れや二人が親密になっていく関係の変化がもう好きで好きで…
恋愛感情よりも先に主人公は葉月に対して「自分を必要としてくれて熱中できる物をくれた人」という感情から入り、葉月は「陰キャな自分の話も嫌がらず聞いてくれて作品を完成させてくれた人」という信頼関係から入るので見ててとても大好きで気持ちの良い関係でした。
こういう「信頼」や「友愛」から入る関係に弱いんです、ツボなんです。
主人公も色々奪われてきたけれどオタクな葉月の話を優しく聞いてくれて穏やかで良い人ですし、葉月もオタク陰キャですが好きな事には一途で一生懸命な良い子で。
主人公もヒロインも嫌な所が一切無く応援したくなる二人なのが大変良き。


サブキャラもアパートの住人が二人共優しく、そして清々しく。
大家さんの安寿さんはロリババアで見た目は幼女、実年齢は40以上という超人で守銭奴に見えますが、所々で大人を感じさせる振る舞いをして作中の誰よりも大人だと感じさせ。
貰ったお金もしっかりと管理し、主人公達が本当に悩んでいる時には手助けをしてくれ、主人公の母親が登場時あまりにもあんまりなのですが、その際にもしっかりと主人公達のフォローに回ってくれて、「住人は家族」という信条の通り、住人の大きな母親のような存在でした。
同じアパートの住人の繭香さんも、主人公を序盤惑わして来ますが彼女の誘いに乗っても全くエロい事が無くむしろ酒に溺れた駄目駄目な彼女を見て彼女の大失敗を見る事になるという超ギャグ展開で揺るぎない固定カプ作品が大好きな自分には超ヒット。
「固定ヒロイン作品」とかいう見た目でBADだろうがなんだろうが他の女性を抱いたり他の女性に揺らいだりする描写のある作品が苦手なので、安心安全の主人公×葉月ゲーで大満足でした。
序盤の分岐でBADに行くと大家さんのアドバイスを聞けるのですが、「今作は葉月だけがヒロイン!!」としっかりと言ってくれるのでメタな方面でも安心を頂き笑いました。
BAD分岐の大家さんの一言アドバイス面白いのですが、最後の分岐で「ここぞ!」というシーンで逆を選ぶと大家さんも出ずにBADに直行する所に「流石にここは本物のBADか…」と思ったり、「大家さんでもこの一大分岐点での失敗はフォローすらしてくれないよなぁ」と思ったりもしました。
しかし…繭香さんはこのイケイケお姉さんな見た目で35歳でCV:海原さんで処女はズルい!!アラサーメイデンと言われるの本当に、最高でしょう…
繭香さん最高だったので別の主人公で繭香さんを攻略出来る作品とか欲しいと思いましたし、安寿さんと繭香さんの掛け合いが好きだったので、エロとか特に無くアパートでの何気ない日常が描かれた小話とかも見たい!と思いました。
サブキャラが魅力的なゲームは良いゲーム。


ただ、一点だけ不満があるとするなら、主人公の自主性を奪っていた母親の行動原理や関係修復をもう少し書いてほしかったと思ったり。
主人公の母親はずっと主人公に理詰めで正論を良い自主性を奪ってきた過干渉のクソ親で、作中後半で主人公の元に自分が決めた所に住めとアパートまで押しかけます。
そこで、主人公の母親が実は名脇役女優であり葉月の母親と学生時代の同級生で、母親が女優になったのは葉月の母の影響だと分かり、葉月の母と撮りたかった未完の映像作品を撮る事で和解して行くのですが、「主人公が映像に真剣に打ち込む姿を見て考えを改めた」部分も確かにありますが、それよりも「葉月の母親の件や葉月が自分の大ファンであるという事を知りキツイ仮面が剥がれた」という印象の方が強く、主人公を見て~よりも「自分の過去に関係する相手や自分の気を許せる相手だから協力した」という感じで、主人公の事よりも自分の気持ちで主人公への対応を変えていたので、「どう見ても息子である主人公の事を考えておらず自分本意な女」という見た目にしかならず。
なので最後の方で「息子の事が好きで心配だったから過干渉に~」みたいな事を言うのですが、「いや、息子の事一切見てないが?」となり彼女の過干渉の理由が滑るんですよね…
もうちょっと「自分がこうやって失敗したから~」みたいな理由なら分かりますが彼女は失敗もしてませんし、「自分には演劇しか無くなっていたから息子には沢山の道が選べるようになって欲しかった」と行ってますが、その道を奪ってますし。
理由が全て「結局は自分の納得の行くように息子を動かしたかった」しか無いのにその理由に言い訳するように他の理由を覆い被せるので母親というか女性の駄目な部分を凝縮しているタイプで見ていてキツかったです。
葉月が母親の友人の娘だからなんとかなりましたが…葉月が完全に赤の他人だったら二人の関係に納得せずチクチク言ってきそうなので、主人公の母親のそういう人によって態度を変えそうな部分も嫌でした。
まぁ、最終的に葉月の母親と主人公の母親が知人だった所に運命力も感じるので「運命の相手」が大好きな自分としては万々歳なのと、主人公の母親が嫌いなのと、反省しても上っ面だけっぽくは見えつつも、主人公が許して和解して、葉月との関係を更に強固な物に出来たのでそういう意味では良かったと思っています。
ラスボス級の威圧感を持つ母親が葉月が役者としての母親のファンで「推し」を前にオタク狂いする姿を見てタジタジになるシーンは見ていて楽しかったですし、母親も葉月を気に入り、作中なんだかんだ葉月のオタク力が最強!という力の構図になっていたのは好きでした。


絵はあにぃさん。
今年(2021年)原画担当の「不運と幸運と恋占いのタロット」にも触れていましたが…一気に等身が高い絵柄になり、とっても好みの方向性になっていました。
「ふうタロ」も悪くは無いのですが、等身が低くあまり好みでは無く。
その点今作は絵柄も等身も、とても好き、好み!で見ててとても幸せでした。
最初等身が違い過ぎて「本当に同じ方か…?」と思いましたが、後半の葉月の正面絵の一枚絵を見て「あ、同じ方だ」となるくらいには違いがあり。
某イラストサイトを見ていると基本どちらの等身も描ける方みたいで画力を感じます。
しかし、おっぱいは、おっぱいは、それはもう「ふうタロ」の時からですが巨乳に良さが詰まっている絵柄です。
どの絵も文章に対応した差分がしっかりと用意されており、絵での不満は無く「流石大御所メーカー」という力を感じましたが、特に胸関係の絵の細かさは素晴らしい。
揺れるおっぱいの描写や、騎乗位で覆いかぶさった時に潰れているおっぱいの形、更に屈んでおっぱいが重力に従い垂れ下がった時のリアルな形にはビックリ。
垂れ下がった時の見た目はもう少しフィクションを含めて見た目を綺麗にも描けたでしょうに、あえて形を崩しリアルな垂れ具合にした所、称賛したいです。
そう、おっぱいはああいう風に垂れます!いやぁ…おっぱいを観察してないと描けない形です…あえてフィクションで描かない所とても良かったです。
葉月は陰キャな見た目から付き合う事で少しイメチェンをするヒロインなのですが、洋服や髪の毛を整えた見た目の変化もですが、綺麗な見た目になっても下着がスポブラなど野暮ったい所が残ってるのがめちゃくちゃ好きで好きで。
一応撮影があったからスポブラにしたという理由はありますが「見た目を整えても一部分整えられてない」みたいなのがツボなので見事に嵌りました。
綺麗な洋服を買ってもアパート内での一部では元の野暮ったい服を来てくれたり。
イメチェンするヒロイン大好きですが、イメチェン後も元の姿見せてくれないと「元の姿は拝めないのか…」となるので定期的に元の姿を見せてくれた方が好みな自分にはそれはもう最高でした。
眼鏡も場面によって着脱してくれますし、良いイメチェンの仕方だなと思いました。
「ふうタロ」の時ラストで主人公の一枚絵が出たのですが、その際に「主人公めっちゃイケメン!!」と驚いたのですが、今作の主人公も顔が出た際にイケメンで眼福。
主人公が女優の息子という事もあって顔が良いのも納得で、イケメンに描ける人がしっかり主人公を描いてくれて嬉しかったです。
ミニキャラのまろたろさんも初めて見た絵描きさんですが、好きです、可愛い、面白い所でプニップニのキャラが挿入されるのが話を盛り上げてくれました。
子供達(実は見ていたのは鳥)を怪しく撮る葉月のミニキャラ絵が好きです。


エロは回想で5回。
少なめに見えますが、個人的には丁度良かったです。
欲しいシーンはほぼ揃ってると思いますし、撮影の話らしくハメ撮りがあるのがGOOD。
話のコンセプトに合ったエロシーンがちゃんとあるのはとても良いと思います。
というか前半はちゃんと葉月との関係を構築する流れで話が回るので、エロばかりで話が削がれる事が無く逆に話に没入出来ました。
純愛物は関係を構築する流れが好きでそこをおじゃんにされると一気に萎えるので、前半の二人が信頼し合って行く丁寧さは本当に良かった。
お互い好きになっていく→告白→エロシーンで、しっかりと順を辿り布団の上でエロをするのも高評価。
「幼馴染のいる暮らし」も流れは悪くないのですが、初体験を教室でしたのが固定ヒロインゲーの純愛物としては二回目以降は良いとしても初体験を教室では如何な物か…と思っていたので、その辺りが違い大満足。
回想で少なく見えますが、発射の回数でカバーしているのでエロの長さでは長めにも感じました。
色々と制限されてきた童貞と陰キャ処女の初体験同士も初々しく初体験同士好きとして見ててニヤけました。
主人公よりも葉月の方が性欲強いのですが、これもまた最高。
ヒロインの方が性欲強いの良いですよね…性欲強いヒロイン増えろ…
主人公ももう少し性欲強くても良いなーと思いましたが、主人公は今まで色々と制限されてきた人生で、その辺りも制限の影響で乏しくなってても仕方ないので、キャラクター像で見ると主人公の性欲が日常で薄めなのも納得は出来ました。
とは言ってもエロシーンでは連続で出すのでエロゲ主人公らしい所もあり、日常での抑制とエロシーンでの開放というギャップがあった所は主人公の造形描写として上手かったなと思います。
ただ、関係の構築からエロの流れやエロシーン自体には文句無しなのですが、公式で「パイズリ3回」とあり、公式のエロシーン数で「5シーン」とあったので、「5シーンの内3つパイズリなの!!?」と思っていましたが…実質パイズリがあったのは5回中の2回でした。
CGは差分抜きで3枚パイズリCGがあるので間違いでは無いのですが…ですが…
いや、この書き方だと「5つの内の3つ」と思うじゃないですか…CG換算での3シーンとは思いませんでした。
「半分以上にパイズリ込みか、商業でやるなぁ」と思っていたのでそこはちょっと騙された気分にはなりました。
自分はパイズリにそこまでこだわりは無いのですが、パイズリ好きな人が公式見てプレイした後、「違うじゃん!!」とならない事を祈ります。


音楽は低価格作品でも音楽鑑賞モードを付けてくれるのがあざらしそふとさんらしく好きです。
「ワタシノキモチ」「Glass Heart」が切なくなるタイプの曲でしっとりとしていて好きでした。
主題歌の「君と紡ぐ恋語り」がジャズ調の曲でリズムが格好良くPricoさんの歌声が軽快で歌詞が葉月っぽい恋愛の淡さがあり良い曲でした。
声は葉月役の北見さんは北見さんとしては初。
他では2回くらいお聴きしていました。
大人しかったり性格がキツかったり全然違う演技でしたが今作もまた違い。
オタクらしく小声で話したりフヒフヒ笑う演技で、「顔は可愛いけど挙動がオタクをしている女子」の演技での解像度が高過ぎてビックリ。
好きな事になると早口なところとかもう、まさにオタク女子!で今までとは違う演技を見せてくれました。
良いですね、北見さんのオタク女子演技。
結構王道なヒロインを演じられてるイメージがありましたが、オタク女子演技が良く、もっと聞きたかったです。
他作でもオタク女子を演じられてないか探してみます。
安寿役のはちこさんは初聴き。
出演作は少ないですが、テンション高い時や落ち着いた大人な時の違いがしっかりとあり良い演技をされる方でした。
繭香役の海原さんは「幼馴染のいる暮らし」でも落ち着き穏やかで美しいメイドのイブ役をされていらっしゃいましたが、純粋に上手いので大御所力があります。
個人的にはこういうハッチャケたお姉さん演技が好きで好きで。
魂の双子の方がニチアサの某名作魔女っ子に主人公の女の子を好きな少年役で出ていらっしゃったのですが、ぶっちゃけ海原さん、エロゲ声優ですが少年声がたまらなく好きな方で…
低い時の声がモロに好みで…
今回ギャグシーンで「ウス」という声などが海原さんの好きな低音声で「うぎゃー!!」となりました。
エロゲ声優の少年声の好みで5本の指に入ります、低い声、最高でした。
梨花役の霧宮さんは今作が初出演でしょうか?
梨花自身は好みでは無いですが、キツイ性格やややこしい性格が感じられ、途中の作中劇でも演じ分けがされていて良い感じでした。
面倒臭い母親らしさが出ていました。


しかし…今作、「自主性を奪われていた主人公が自主性を得る話」という主人公の成長物でもありますが、ヒロインの葉月側からしたら「陰キャオタクの少女が顔が良く(実際血筋的にもイケメン…)包容力のある(とても聞き上手)王子系男子に惚れられる話」になるんですよね…
葉月はイメチェンしますが自己評価は低めなので「主人公は格好良いから私みたいな陰キャでは…」と思っちゃったりしますし。
オタクコンテンツ的にプレイヤー層から見ると葉月側の方が共感高い気がして、タイトルも「槇村葉月の恋語り」なので葉月主人公でも一切問題無いですし、最後の写真に写る一枚絵とか葉月が中心で。
葉月に共感すると昨今よく見かける「オタク女子が主人公の少女漫画」にも受け取れる気がします。
恋愛も段階をちゃんと踏んでいますし、話の筋もしっかりしているので「男性視点の少女漫画」が好きな人には刺さる内容ではないかな?とこういうタイプが好きな人に届いて欲しいなーと思えるような作品でした。



※ゲームの攻略で検索される方がいらっしゃるみたいなので参考にさせて頂いた攻略サイト様を失礼します。
参考攻略サイト様:誠也の部屋 様
https://seiya-saiga.com/
 槇村葉月の恋語り ページ
https://seiya-saiga.com/game/azarashi/makikoi.html