ひっそりと群生

ひっそりと持ってるCDの情報やゲームの感想上げたり。購入物の記録など。気ままに。飽きっぽいので途中で止まったらご愛嬌。

【Sugar+Spice2】感想

【男性向け18禁】



2010年07月30日発売
Chuablesoft(解散)』※リンク先公式HP(18禁)
Sugar+Spice2】(PC)(18禁) ※リンク先wiki
以下ネタバレ含めての感想です。








森崎亮人さんの作品に触れるのは3作目、「Sugar+Spice2」に。
今作はメインが森崎さん、サブで草壁さんがシナリオ担当。
プレイ時間は、約29時間30分くらい。
システム面は7でもインストール可。
ディスクレス起動可。
公式跡地に修正ファイル有り、導入すると各修正の他に「春瀬祭ルート」が追加される為、導入推奨。


共通ルートがべらぼうに楽しく、個別ルートに入ると失速して行った無印『Sugar+Spice!』(※リンク先感想)。
2になった事でスキップ機能が進化し、絵も進化、色々と進化した部分は確かにありますが、話に関しては正直、その楽しかった共通から「楽しさ」が減っていました。
「シュガスパ」って共通のヒロインや濃いサブキャラとの大勢のワチャワチャが楽しかったじゃないですか、そういう部分の「楽しさ」を増やさずに減らしてどうするのよ?と。
確かに主題などは分かりやすかったですが、ストロングポイントを上手く活用出来なかった2という印象。
無印での共通ルートに「楽しさ」を見出していたプレイヤーからすると大分コレジャナイとなってしまっていたのではないでしょうか。


まず個人的にマイナスだと思った点を語らせて頂くと、最初に、上記で書いた通り共通ルートでの「楽しさ」が減っていたのがマイナスポイント。
これは理由としてはいくつかありますが、理由の一つ目は無印よりも「静」寄りになっていた所。
無印が「動」なら2は「静」。
かなり大人しい作風になっていたかと。
ただ、「シュガスパ」はワイワイガヤガヤが楽しい作品の為、この変更は頂けなかったと思います。
明るくはあるけれど「静か」では無印にはどうしても強さが足りないかと。
季節が夏だけになったのも残念。
季節毎の楽しいイベントが減った所も「楽しさ」が減った原因の一つだと思ってます。
二つ目はヒロインの横の繋がりが今作では薄かった所。
無印では5人のヒロインと主人公が一つのグループになっていたんですよね。
ハモとジジとピョンが最初から友達だった所にミャンマーとオトメが加入し主人公が居て綺麗にグループが出来上がり、その内輪というか、仲間内での会話や空気感や凄く楽しかったんですよ。
「仲良しグループの一時」を一緒に体感できる楽しさというか、「内輪ノリ」を楽しめるみたいな、そういう。
でも、本作、一応集っては居ますが、基本的に4人ヒロイン全員が「個」で、それ以上でもそれ以下でも無く。
結構4人とも別々の方向を向いている+共通では我が強いという意味でクセが強く主人公に迷惑をかけるヒロインも居る為、話しているとストレスを感じる所もあって。
どうあがいても4人グループとして混ざり合わず、無印で楽しかった「仲間内の楽しさ」というのが伝わらなくて。
むしろ水泳部の方がそういうノリを有していた為、ヒロイン達との会話よりも男性陣+さなとの会話の方が楽しめるという空気になっていました。
三つ目はそれに連なりサブキャラに濃いキャラが居なかった事。
前作は黒越と佐藤やマサムネなど濃くて楽しいサブキャラがてんこ盛りだったのに対し、今作での濃いサブキャラが姉の玲音くらい。
しかも玲音もまた濃くはありますが、主人公に対して一種の迷惑をかける系でもあるので好き嫌いも分かれそうという。
純粋に濃くて一緒に居て主人公も楽しめる濃いキャラというのが少なかった気がします。
四つ目は主人公の記憶喪失設定が無い事。
記憶喪失があった事で、主人公とゼロからのスタートを共に出来たのと、「記憶を失う前に何があったか?」という部分に疑問を持ち謎解きに近い感覚で物語を追えたのは楽しかったです。
実際にその謎が綺麗に解けたかと言われると微妙な所ではありますが、「謎を追い求める気持ち」でプレイする感覚はまた別物なので、プレイしている時には良いスパイスで。
ですが、2にはそういうプレイ中のアクセントがあまり無い為、非常に平坦な場所を歩いているような気持ちでした。
そういう要素が重なり、「楽しさ」がかなり減っていたと思います。


次にマイナスだと思った点は、主人公の行動の駄目さ。
前作でも「お調子者」で「デリカシーの無い」部分があり、個人的に何故モテるのか分からなかった為クセはありましたが、個別ルートに入るとやる時はやる男だったので個別ルートでの行動で不快な要素はあまり無く。
むしろ個別ルートでのヒロインが非常に面倒臭く、ヒロイン達の行動の方にヘイトが向かったのですが、主人公には対してヘイトを感じた部分があまり無かったのでクセは強くても駄目主人公では無かったのだと思っています。
しかし、2の主人公は駄目、本当に駄目。
元々、「万能な姉の多趣味に付き合い、色んな事が出来るようになり様々な事を小器用にこなすけれど、全てが平均点以上を出せるだけで強い趣味や超得意な特技は無い」という性格形成の為、他ヒロインが一つの事に特化した特技を持ち、それに突き進むと直ぐに「自分には強い執着は無い…」と深層心理で凹みヒロインの目標を優先し身を引きます。
確かに一見すると聞き分けの良い男ですが、本気でヒロインの目標を応援するというよりも自分の劣等感でヒロインに付いて行けないだけで、単に自分に熱意が無いだけなんですよね。
そこで「夢も応援する、でもヒロインの事もずっと好きで居続ける!!」というカラッとした方向にはどのルートも全くならず、ジメジメとヒロインの目標と自分の恋心を天秤にかけて恋心を諦める為、恋愛物の主人公として見ていてとてもモヤりました。
劣等感があってそれに引っ張られるのは分かるけどさぁ、現実的だけどさぁ、エロゲの主人公としては……みたいな。
個別ルートで全くカラッと明るい選択をしない為、不快に感じる人はとても不快かと。
今作は数々の所で選択肢が出て、プレイヤーの介入があるのがゲームらしくて良いとは思いますが、「ここぞ!」という部分で選択肢が出る事が多いので、「え…ここでコッチを選ぶ事が出来るような主人公なの…?」と若干困惑した箇所がありました。
選択肢があるのは「選択権がある」という利点にもなりますが、「優柔不断な主人公にもなりえる」という欠点にもなるんだなと。
まだ無印主人公の方がキメる時には選択肢無しでサクッと決めていたので漢前だったと思います。


そういう上記の要素と今作の主題が「夢」の為、「恋愛」と「夢」がほぼ全てのヒロインでのルートで天秤にかけられます。
こういうの個人的に苦手で苦手で…
そりゃあ現実の恋愛のように、なぁなぁの関係で恋愛していて「夢」…将来と「恋愛」…別れや遠距離が立ちはだかった場合には「夢」を目指した方が将来的に実のなる事がある場合も多々あります。
ですがこれはエロゲーでギャルゲーで恋愛ゲームなんですよ。
話の中でなぁなぁで恋愛関係を築くなんてあんまり無くて、むしろ大恋愛している訳です。
そんな大恋愛をしていて「夢」と「恋愛」を天秤にかけて「夢」だけを取って「恋愛」を切り捨てて…「夢」にちゃんと集中出来ると思います?
自分は思いません、むしろ「夢」に集中出来ず途中でコケるか、例え成功してもその後の人生でずっと「あの時切り捨てなければ」と永遠に後悔すると思います、例え「夢」が成就しても。
そんだけの大恋愛しておいて、片方だけ選ぶような真似をするな!人生長いんだから遠距離でもなんでも続けろ!
手紙だけの時代ならまだしも、今の時代、電話もメールも果てはビデオ通話すらある!!と本気で思ってしまいます。
老人心としての心配と、そういう二者択一はよっぽど上手く描けていないと納得は出来ない為、どうしても展開が苦手でした。


最後にマイナスだと思った点は話とは別として、オトメカイセキの見た目がダサい!!
いや、ダサいとまでは言わないのですが、無印では各ヒロイン毎にフォントや見た目が違って凄くお洒落だったのに対し、2では全員同じ形になっていて。
しかもオトメカイセキのグラフの開示も無印だと「ここが開示された!」というのが分かりやすかったのですが、2では凄く分かりにくく。
UIが悪いとまでは言いませんが、全体的にセンスが落ちていたように感じました。


ですが、プラスになっていたと思う所も勿論あって。
とにかく絵の進化が凄い。
絵は無印と同じくぎん太さん。
結構今まではのっぺりした絵柄だったのに対し、キャラの表情が豊かになっていたのと、ポーズや動きも生き生きとしていて、絵柄での進化が凄かったです。
なんというか一気に華やかな絵柄になられたような。
ふと目を引く絵柄になっているので、凄く絵柄での強さを感じました。
エロはこのシリーズ恒例でコスプレエロが多かったです。
シチュエーションエロの方が好みなので、コスプレが多いのは好みでは無い感じ。
ただ、無印と違い倫ちゃんのように途中でサブキャラに食われるみたいなルート構築が出来ない為、付き合うと決めた女の子には(一部ルートラストを覗き)一筋プレイになりますし、元カノのような存在も居ない為、純粋な童貞×処女で初体験同士厨としては大満足させて頂きました。


音楽は無印と同じくけんせいさん。
音楽はエロゲBGMとしては普通に良かったのですが、銀河の話などでコンサートが絡むとちょっと微妙かなと。
演奏シーンで盛り上がるような演奏BGMではあまり無かった為、音楽がメインの今作ではもう少し力を入れて欲しかったです。
OPがRitaさんでは無く驚いたのと、無印では最初のOP、ヒロイン全員揃ってのOP、付き合ってからのOPなど3つのOPが無かった事は残念でしたが、付き合った後の2ndOPでRitaさん歌唱で少し安心しました。
2ndOPの「Fantastic Concerto」が好きです。
声は銀河役の金田さんは、やっぱりサイコーです、まひるー!サイコー!!
基本的に金田さんは「小柄のキャンキャン子犬系」が多くうるさい(褒め言葉)キャラがとてもお上手なのですが、今回銀河は小柄ではありますが大人しく品が有り今までの小柄キャラとは違う中、落ち着いた可愛らしさが見事出ていて。
金田さんのお声、今まで聞いたキャラから品があるイメージを描けなかったのですが、こんなに品を出されるとは思わず…
大御所の方には相応の技量がある事を突き付けられました、本当にお上手で…品がある気難しい小柄な少女、お見事でございました。風花役の柚木さんは「ユメミルクスリ」のあえか役でお聞きした事がありました。
あえかもですが、どこかたどたどしい話し方がクセになります。
薫子役の真中さんは、はい、こういう上から目線系ヒロインに強過ぎます。
「貴方がやってよ」「うるさいなぁ」みたいな時の台詞回しが上手すぎです、流石、Sの方。
そういえば「初恋1/1」でも元子役で役者時代のせいで家族関係が悪いみたいなキャラを担当されていたなと。
元子役キャラに縁がある方だなと思いました(出演本数が多いだけとも思いますが)。
さな役の茶谷さんも「ユメミルクスリ」と「初恋1/1」でお聞きしていました。
お調子者のテンションが凄くさなに合っている方でした。
サブキャラの玲音役の桃井さんは低い声、ロリ声とはまた違う声質で驚き…声のバリエーションあまりにも多すぎませんか?
しかもどの声質も違和感無いという。
驚異的な方だなぁと改めて思いました、今後も出演されていたら気にかけようと思います!
他は男性キャラに松田さん!?松田さんの少年声が聞ける???と思っていましたが…
優が思いっきり松田さんの女性声のままで話し出した時には!!?でした。
前作にも少女に見える少年の黒越が居て、黒越が女性声優さんの少年声だったのに対し今作ではモロに女性声で来るとは…そう来ましたか…
少年声を楽しみにしていたのでそこは残念でしたが、中性的な見た目で声は女性で、でも男という「男の娘」とはまた違う方向性の男の子キャラで、あまり見かけず面白かったです。
ヒロイン達のクセの強い性格面で見ると純粋に「可愛いヒロインの性格」なのは優だと思います、間違いないです。


システム面はオトメカイセキのデザイン以外はかなり快適化されていて非常に良かったです。
前作で微妙に飛ばせなかったイベントなどは改善され、イベントスキップは全箇所で実装。
無印の時に告白後のイベントが少なかった為、イチャラブ度は低かったのですが、2では付き合った後の特殊イベントがかなり多い為、イチャラブイベントが多いので、そういう意味では充実した恋愛を楽しめました。
分岐も多岐で、ヒロインの横の繋がりは無くなってはいますが、その分主人公との繋がりが豊富で。
ヒロインからの告白イベントや、好感度が高い状態で付き合う前に起こせる行動、ヒロインの好感度が高い時の細かい変化などが充実しており、ヒロインからの恋愛的なアクションとしては前作を越えていました。


Sugar+Spice!」、「!」の部分が無くなり「静か」になり、「楽しさ」は減ってはいましたが、「夢」という主題は結構一貫していたと思います。
「動」を求めていた「シュガスパ」で見たかった共通ルートは見れず、個別ルートは無印と同じく尻すぼみした部分はありますが、一部ルートで好きな描写があった為、個人的にその展開を見れたので満足でした。



プレイ順は
銀河→風花→薫子→さな→回収→祭
の順で攻略



『柊銀河 ルート』
技術の天才型の銀河と感性の天才型の主人公。
自分の才能には鈍感な中、お互いに才能を認め相手の才能に打ちひしがれながらも銀河はピアノしか自分には無いからピアノの道を極め続け、主人公は他の多彩な趣味の方に手を出しピアノから離れていた。
こういうベクトルの違う才能を持つ二人が自分の才能には鈍感なまま相手を羨んでいるという構図はとても好きです。
そして、銀河も作中で本人が言っている通り、「ピアノしか無い女でピアノしか選べない女」なので、「夢」と「恋愛」の天秤が立ちはだかった時、「夢」…海外留学の方を選びます。
この流れになるのは、まぁ分かります。
序盤から示唆されていますし、銀河の性格も真面目で融通が利かないので「夢」によって別れる別れないの話が出るだろうなと。
ただし、問題は後半の主人公の選択肢。
銀河の別れが切り出された後、「先輩の夢を尊重して別れる」と「先輩と別れたくないから縋る」の二択になるのですが…なんでこの二択しか無いんですかね???
いや、マジで、なんで「先輩の夢を応援しながら待ち続けて後で自分も海外に行く」とか無いの???
銀河の性格からこんな別れをしたら今後主人公以外の人間と恋出来る訳ないじゃないですか。
主人公さえ心変わりしなければ銀河は海外に行ってもずっと浮気せず彼女で居続けてくれるようなクソ真面目な女性ですよ。
そういう性格を分かった上で「別れません、追いかけます!」って言えばいいのにその選択がハナから無いのってどうなのよと。
この会話の時点では「ピアノの才能で劣等感を抱いているからピアノでは追いかけられない」と思ってるかもですが、追いかけるだけならピアノ以外色んな方法がありますし、海外なんて今の御時世お金さえ積めば簡単に行ける時代なのに何を迷うのかと。
「自分の存在が先輩の夢を邪魔する」と思ってるなら逆で、多分主人公が居なくなる事で銀河の性格から「夢」の道はガッタガタになると思うんですよ、例え成功したとしても後悔ばかりの人生にもなるでしょうし。
そういう銀河の性格を恋人の主人公が汲み取れないのが問題ですし、このルートの正解選択肢が「別れる」なのが意味が分かりません。
主人公からしたら「ピアノは先輩のアイデンティティで、ピアノを含んだ先輩を好きになったから自分はピアノの為に身を引く」で、銀河からしたら「「夢」を後押ししてくれた主人公の健気さに更に惹かれる」という構図だとは思うんですが、主人公の「身を引く」も先輩の事を思いつつも「自分には無い才能」という部分が絶対にあるので「誰かの為と言いつつ自分の為」でエゴが絡まり過ぎててスカッとせず。
最終的に主人公もピアノの道に足を踏み入れ同じ土俵に立てたから良かったのですが、最後の選択肢で「先輩は夢に向かって下さい!俺は諦められないので何らかの方法で後を追います!!」くらいの度量は見せて欲しかったです。


『天本風花 ルート』
風花との関係の築き方はシステム告白、海での告白、ソファで襲ってしまった際、風花の好感度が高い場合に両思いの3パターンありますが風花の立場上主人公からの告白しか無かったのが面白かったです。
実は実の兄妹だったよー、ルート。
こういう流れは見かけなくもないのでさほど驚きは無かったのですが、このルートでは一番駄目なのは主人公でもヒロインでも無く、主人公の実の親だなと。
だって、「主人公が生まれる」→「母親の体調が悪化して父親だけでは育てられないので叔母夫婦に主人公を預ける」→「母親の体調が回復したので妹を生む(!!?)」→「二人を従妹として育てる」
って大分意味分かんなくないですか?
いや、母親の体調が回復して子供を育てられるようになったら新しく生むのでは無く、預けた子供をまず引き取れよと。
「預けた先でもうその家の子供になってるから~」じゃないんですよ、自分達の子供なんだからまずは自分達がちゃんと育てるのが道理だろと思いますし、「体調が良くなったから二人目~」も意味分かんないです。
一度失敗してるのに危機管理が無さ過ぎ、子供を物か何かだと勘違いしてない??とめちゃくちゃ困惑しました。
最後には二人の関係を認める両親でそこは良かったのですが、見てるとぽわっぽわしてて「危機管理とか常識無さそうだなー」という印象に。
そういう風に離して暮らしてて、お互いの関係も従妹と言っておいて、一緒に暮らしたら「妹だから駄目」とか言うのもまた危機管理無いと言うか…
従妹は結婚出来る立場なんだから恋愛に発展してもおかしくないから関係が発展しても仕方ないですし、なら最初から兄妹と言っておいた方がまだ恋愛でのセーブは効くでしょう、どこまでもツメが甘い所かツメてすら無くて。
大人の危機管理の無さに兄妹の純情が巻き込まれた、そんな印象でした。
というか自分は一緒に暮らしている実の兄妹でも好きになったら好きになって仕方ないでしょう派なので、このルートに関しては「仕方なくない?」とずっと思っていました。
もし良い悪いで言うならば、これは、周りの大人が悪い。
自分達の常識の無さや危機管理の無さが招いた結果なので甘んじて二人の関係を受け入れるべきだと思いました。
唯一「夢」からは外れているように見えているこのルートなのですが、「夢」として見るなら…主人公の事が好きで恋が叶わないと思っていた風花の恋が叶うという意味での「夢」が叶った、というルートなのでしょうか?
一つだけ職業的な将来の「夢」の叶い方では無い為、かなり異端だったルートだと思います。


『遠野薫子 ルート』
主人公が駄目オブ駄目、その①。
このルート、元子役の薫子が今尚才能を衰えさせずに役者復帰する話ですが、その流れの中で芸能関係者の人が主人公の元に訪れ「今後の芸能活動に関わるから~」と別れをお願いしてきます。
ここまでは分かる、周りからの介入で別れろとか胸クソだけどよくある。
で、その後の主人公の行動なのですが…当然、才能に劣等感持ちなので別れる方向に舵を切ります。
まぁ、この時点で恋愛物の主人公としては大分駄目なのですが、薫子との会話の内容がマジで異次元過ぎて。
主人公「薫子は才能もある、本当は役者に戻りたいと思ってる、だから戻って」→薫子「いや、別に、自分は主人公と一緒に居たいんだけど」→主人公「そんな事無い!本心は違う!!」
みたいな問答しててひたすら???でした。
いやいやいやいや、薫子は言葉で「戻るのはどうでもいい、主人公と一緒に居るのが一番」って言ってんじゃん!本人がそう言ってるのに何で「本当はそう思ってない」とか言うんだよ…エスパーでも無いのに人の心を知ったように語るの単純に失礼じゃない?
このルート、確かに役者復帰に対しての薫子の本心が描かれないので微妙な所ではあるのですが、それはプレイヤーから見た判断のし辛さであり、主人公と薫子の二人の関係で見るなら、言葉でちゃんと「主人公と一緒に居たい」と言ってる薫子の言葉の方を信用するべきなんですよね。
なんで勝手にあるかも分からない言外の事を決めつけるのか…恋愛で「言わなくても察して」は通用しないと思っているのですが、「ちゃんと言ってる事を自己解釈で信じない」のもまた大問題だと思っているので主人公が本当に駄目野郎過ぎて。
そもそも、薫子の孤独に最初に踏み込み同居に誘い込んだのは主人公なのに、突然才能の劣等感を抱いて突き放すとか…薫子は自分を猫に例えていましたが、例え猫でも同じ事したら最悪ですよ。
最初に手を出すなら最後まで責任を持つ気持ちで手を差し伸べろや!と。
見ててずっと「主人公、勝手に相手の想いを捏造して最悪だな…この話、主人公がこんなに駄目駄目でどう収拾付けるんだ?」と思ってたらまさかの薫子パワー大発動。
「分かった、貴方の言う通り役者には戻るし建前は別れた事にしてあげる、でも、別れた後で何をしようが自由だから新居に貴方も連れて行く」という行動を取り、もう、拍手喝采!薫子様様でした!!
いや、本当に、最高です!グダグダしていた主人公に痺れを切らし全部掻っ攫って行く薫子様グッジョブ!!
主人公の駄目っぷりの反動で薫子の行動が輝いていたのもですが、「貴方は私の物」と才能や自信、カリスマを持って全てを手中に収める系女子大好きなので、見ていて非常に爽快でした。
薫子の一番は本当に「主人公と一緒に居る事」だったんだなーと、もう、主人公、薫子の絶対に揺るぎない相手への想い、見習え。
今後も薫子は才能を発揮し、今までの蓄え以上の収入を得て主人公を永遠に養って行く…これはもう主人公主夫になるしかないですね、薫子様の尻に敷かれ続けて下さい、となりました。
最初は正直、見た目と声は好みですが、主人公が家に引き入れてお金は払っているとはいえ、家事はしないし何でも主人公に任せるし自主性は無いし共同生活する上であまり好みのキャラじゃ無いなーとは思ってました、思ってたのですが…
最後の最後でやられましたね、大好きです、最高。
先輩の好感度が低く、薫子の好感度が高い場合に先輩にフラれると主人公の心の傷に滑り込もうとしますし、そういう強かさもあって大変好き。
「拾った猫はただの猫じゃ無かったのよ」と御主人様を越えて自らが御主人様になる姿、アッパレ。
今作で主人公に圧倒的差を付け一番の漢前キャラでした。


種子島さな ルート』
主人公が駄目オブ駄目、その②。
でもこのルートに関しては一種のすれ違いというか。
主人公に一緒の大学に進むと言われたさなは「いや、それは自分の「夢」の為の道で主人公の道じゃないでしょ、主人公はピアノとか別のちゃんとした自分の道に進んでよ」と思っていて、主人公は今まで小器用ではあったけれど一つの物に執着した事は無く、そんな中でさなと付き合って初めて「恋愛」には強い執着と持てて「さなと同じ道に行く」と言ったというすれ違いなのですが、まぁ客観的に見るとそりゃあ「好きな相手に対し自分に惑わされれずちゃんと自分の道を進んで欲しい」というさなの気持ちも分かります。
主人公の行動を起こされると「え?恋人の自分で将来の道を決めちゃうの?自分の道は???」となって、自分の存在が相手の足枷になってるようにも感じるので。
ただ、今まで強い執着を持てなかった主人公が初めて持った執着だという事なので、それを否定されるのも凄く苦しいのも分かる。
そうやってぎこちなくなった中でさなは「主人公への好きが恋愛での好きなのか友情での好きなのか分からない」という悩みも絡まって拗れて行く訳ですが…
個人的には友情でも愛情でも「一番好きな人が好き」で良いとは思っているのですが、今まで近過ぎたから出てくる悩みでもあるので、この悩みがこういうちょっとした発端で芽が出てしまうのは分からないでもないです。
今までは特に感じていなかった悩みがちょっとしてすれ違いで表に出るというのは凄く現実的だなと思いました。
ただ、この悩み、ルートの道筋的に主人公からの告白で付き合うのだったら納得なのですが、さなからの告白で付き合う流れのルートを辿るとさなが突然「主人公が本当に好きか分からない」と言い出し「え…さなから告白しておいて???」となるので、違和感が発生するルートではありました。
色んなすれ違いを得て最終的に主人公は自分の道を歩く事を決めるのですが…ラスト先輩が関わった際に「先輩に(恋愛的に)逃げ込む」or「逃げ込まない」の選択肢、あれはなんなんですかね?
主人公も悩んでたんだよーという流れですが、客観的に見るとどう見てもさなが「将来の話で自主性無く自分と同じ道に進もうとする恋人」に疑念を感じるのは当たり前だと思うので、「いや、主人公にも内情の色々理由はあるとしても将来選択で自主性が無いようにさな見える行動を取るのはどうかと…」&「というかせめて「さなは自分が初めて一生懸命になれる存在だから一緒に居たい!!」みたいな強い想いをさなにアピールしてさなを安心させなさいよ」とプレイヤー的には思ったので、そういう安心をさなにさせずに「銀河先輩が優しくしてくれたから~、先輩とはピアノという同じ道があるから~」と先輩に走るのは最悪の自乗でしかなく。
というか、先輩を選ぶにしてもまず、一旦ちゃんとさなとの関係を清算しろ!という話で。
さなとの関係をなぁなぁにしたままで先輩に逃げ込む(おそらく空気的にそのまま抱きそう)なので完全に浮気なんですよねこの選択肢。
他ルートでも優柔不断さが出てましたが、ここで確固たる優柔不断さを見せ付けて来て、主人公の株ダダ下がりでした。
BADルート後のオマケ会議でも優が言ってましたが本当にさなが可愛そう。
例えBADとはいえ、そういう選択を選べる主人公が駄目というか…お前、無印の主人公ですらジジルートで一旦ジジと別れた後にハモが肉体的に迫っても受け入れる事無くジジを選んだんですよ?と。
あそこで選択肢が無かったの、なんだかんだ言いつつ無印主人公は一途で漢前だったと思います。
一旦別れた無印主人公にハナから選択する選択肢が無く、関係を清算してない2主人公で選択肢が出る所に人間性が出ている気がします。
先輩に逃げなかった場合、話が進むと同じ水泳部の信九郎がさなに告白してフラれたという展開になりますが…正直、信九郎の方がさなを一途に幸せにしてくれそうなので信九郎と付き合った方が良く見えて。
この一連の流れがあるので先輩に逃げ込んでもさなは信九郎に告白されて、そちらではきっと付き合うという流れになると思うのですが、主人公の駄目さやクズさを見てるとソッチの方が良い流れだとも思います。
というか先輩も先輩でさなと別れた事実が無いのに主人公を誘うので、「二人のヨリを戻すため~」とか言いつつやってる事は最悪なんですよね、この選択肢、「先輩の手を取る」を選んでも先輩には主人公の顔を平手打ちして「甘い!」くらい言い放って欲しかった…
主人公が先輩を選ぶと先輩にもまた主人公への想いがあるからか先輩もコロッと主人公を受け入れる為、さなと関係を清算していないのに関係を持つ二人が描かれ、主人公だけでなく先輩にもヘイトが向かう事態に。
しかもこの展開、薫子の慰めの時とは違い先輩の好感度関係無く起こるので必須ルートなのがまた…
正直、主人公と先輩に良い思いを全くしないので、選択肢後に先輩が拒否る、もしくはそもそも選択肢自体が無く、主人公がサッパリと「受け入れられません」くらい言って欲しかったです。
今までも今まででしたが、優柔不断流され主人公が爆誕し、目も当てられませんでした。


『回収 ルート』
ほぼ作業、以上。


『春瀬祭 ルート』
修正パッチにより追加。
どのヒロインとも関係を築かないまま文化祭に進むと新しいイベントが発生。
内容は夢オチではありますが、祭は作中魅力的なサブキャラだった為、夢オチでもこういう形でルートがあるのは良いなと。
結構どのヒロインもクセがあるので、真っ直ぐに可愛いのは祭だと思ってます。
色んな面で自信が無く常に「すすす、すいません!!!」と言ってる子、好きです。
自信が無いヒロインスキーに刺さりまくりでした。
ただ、攻略するのがこの主人公な事は解せませんが…



総評すると「主人公が駄目」の一点になったと思います。
無印とは違いキメる時にキメず、カラッとヒロインを選ばないのが駄目。
人間としては分からなくもないけど自分の才能に劣等感がある所が主人公としては見ていてサッパリしない。
正直、薫子ルートで薫子が全部好みの展開を掻っ攫って行かれたのでそこで大満足はしていますが、正直薫子ルートのラストが無かったら個人的には面白さダダ下がりでした(主に主人公のせいで)。
色々とキャラの思考は現実的で、その点の描写は上手かったなと思いつつ、明るく!楽しい!「シュガスパ」でそれをするか?と思ったのも本音。
キャラ自体はハモやミャンマーなど無印のキャラが出たり無印のキャラの名前が出たりする時の方が楽しかったですし(声だけ出る彩弥とか話に出るジジとかオトメとかピョンとか、プロになってるマサムネとか都市伝説化してる佐藤とか)。
ですが、伝えたかった「夢」の部分は一貫していて、書きたかった題材は書いていると思ったのでそこは良かったです。


次回は森崎さん追いは「シュガスパPP」と「シュガスパ2」の間にあった「フェイクアズール・アーコロジー」を予定。
マイナーな方ではあるらしいのですが、好きな方が多いとも聞いているので、前知識全く無いですが楽しみにしています。



※ゲームの攻略で検索される方がいらっしゃるみたいなので参考にさせて頂いた攻略サイト様を失礼します。
 参考攻略サイト様:チュアブルソフト総合 Wiki* 様
https://wikiwiki.jp/chuablesoft/
 Sugar+Spice2 ページ
https://wikiwiki.jp/chuablesoft/Sugar%2BSpice2/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%88