ひっそりと群生

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【神様のゲーム -監禁された6人の男女-】感想

【男性向け18禁】



2017年01月27日発売
XUSE(解散)』※リンク先公式HP(18禁)
神様のゲーム -監禁された6人の男女-】(PC)(18禁) ※リンク先Getchu.com(18禁)
以下ネタバレ含めての感想です。








10作に一個は名作と呼ばれている作品を挟んでプレイしないと心が死ぬと学びました。
というわけで、この感想がいつ投稿されるかは分かりませんが、2022年の60作目は「神様のゲーム -監禁された6人の男女-」に。


プレイ時間は約16時間くらい。
7でも起動可能、ディスクレス起動可。


XUSEの作品は『風と大地のページェント』『風と大地のページェント 完全版』(※リンク先感想)と続いて3作目になりますが、出る度に作風や世界観が違う作品がお出しされるメーカー様だったので、あまり特定のメーカーをプレイしている感覚はありませんでした。
そのXUSEがシリーズ物以外は低迷していた中、メーカー消滅の最後の最後に出したのが本作であり、「小説家になろう」の系列である「ノクターンノベルズ」での連載作品をゲーム化した作品になります。


内容はもう、一言で言えば「心理戦や善性から出る葛藤、善人が打算的そして利己的にゆっくりと傾いていく描写に異常に特化した、心理描写に全振りした作品」でした。
女性のみに与えられたポイント制、ポイントには上限があり日数経過と食事により減っていくポイント。
ポイントが全て尽きると当然のように迎える死、そのポイントを補給できるのは男性との性行為のみ。
性行為を生存ポイントとして単なるエロでは無く生き残る為のタスクとして組み込み、エロをエロティックさよりもシステマチックに表現した、まさに「18禁ならではの要素」としてエロがありました。
男性は主人公のみであり女性の死が男性の死に結び付き、女性同士は争える中、男性には危害を加える事が出来ず。
しかしポイントやルール以外での死は神により無効化され、生き返させられます。
ルールの上では男性に優位性があり、だからこそ女性達は主人公になんとか気に入って貰おうとする打算が入った状態で媚びを売る…そんな最悪のハーレムゲーム。
それでも今作は「善人ばかりのデスゲーム」とあるように主人公も善人であり、一緒に巻き込まれた従姉妹の心を優先しながらもなんとか全員で生き残る事は出来ないか?誰も犠牲にせずに済む方法は無いか?と決してハーレムの王様の振る舞いをする事は無く、女性を気にかけながらゲームを進めて行きます。
とにかく主人公が頭が良く機転が利き行動力もあり、女性の中にも同じように頭の良いキャラが数人居て。
本作は一人称では無く三人称で進むエロゲでは珍しいタイプなのですが三人称視点が良い感じに俯瞰要素を引き立てており、所々で()により各キャラクターの心理を描く為、主人公以外の心理描写も丁寧に描かれ。
三人称視点の為、主人公とは別の場所に居る女性の行動や会話、目論見などがリアルタイムで描写されるので、「このキャラは何を考えているか分からない…」となるようなキャラがほぼ居ませんでした。


更には人間同士の心理戦の書き方がとにかく秀逸。
それぞれがそれぞれの目的の為に行動するのですが、その目的の為に発した言葉、ほんの少しの行動、それに要した時間までキッチリと後の人間関係に影響を与えます。
同じ「Cが取った行動」であっても「Aから見たCの行動」と「Bから見たCの行動」の印象が全く異なっており、Cに対する印象がほんの少しの言動で変わったり。
誰かに対しての善意が誰かを不利に貶めたり、誰かへの悪意が誰かにとっては救いになったり。
「あの時にあれを言ったから」「あの時にこれをしなかったから」というほんの少しの違いでキャラクター同士が向ける印象が180度変わり憎しみが利害の一致に、許容が拒絶に変わったりします。
状況、行動、心理描写が本当に凄まじく、それでも一貫しているのは「誰もが完全な悪人は居ない」という点。
この状況でなければ全員善人で居られたのに、この状況だからこそ生かす殺すの判断をしなければならない。
こんな状況でも根底では切り捨てたり傷付ける事に苦悩する善意が残っている人間ばかりという。
まさに「人間は白か黒かではなくグラデーションの生き物であり、常に灰色の部分にある」というのを体現した内面を持ったキャラクター達でした。
灰色にありながらも現代日本で普通の生活をして生きているから善性の方にある倫理。
けれど、このゲームにより、倫理のボーダーが緩やかに壊され、世間的に悪と呼ばれる事を行うのに躊躇いが無くなっていく。
緩やかに緩やかに削られ、壊れて、死んでいく倫理観と善性。
それでも完全に消えば楽になれるのに消える事は出来ないからボロボロの倫理観とほんの僅かに残った善性が傷付いていく…
人間の心の変化、「利己的だった人間に芽生えた善意」「善人だった人間に生まれた利己性」そういうものの描き方が素晴らしく、最後まで圧倒されました。
殆どのキャラクターが灰色のボーダーの上で傷付いていて、白か黒にブレた人間が居ない為、血が通ったキャラクター達が足掻く様を最後まで楽しむ事が出来ました。
…と、こう書くと苦しんでいる彼らを見て楽しむ所が作中のクズである「神様」と同じだなぁと思うと同時に、「エンタメとはそういうものである」というのも感じ取れて。
本作を楽しむ自分の醜さにも向き合う形になったのが中々に皮肉が効いているなとも感じました。


エロに関しても性行為がイコール生死に繋がっているので、何度も性行為をするしか無く。
しかもエロゲらしく「美女とヤリ放題!バッコバコ!!」という空気が全く無く、リアリティのある射精回数と性行為時間が換算されるので、めちゃくちゃにシステマチックなっており、エロさよりも性行為による男性側の苦痛の方が強く描写されるという。
更にはギリギリでポイントが無い事によりエロさよりも死にたくない気持ちで必死に射精に導くようなシーンもあり、「エロいとかよりも切羽づまった死の空気の方が強い」という空気があり、ホラーでの死に追い詰められた人間の焦りの心理がそのままエロシーンに絡む事があり。
「こんなに射精が、エロが辛い事ってある??」となるシーンが多々ありました。
その辺りも含めて18禁としてとても異端な作風だと思います。
このような気分にさせられる程に切羽づまったエロは中々に無いかと…文章、描写が上手い事もあり更にその要素が引き立てられていました。


ただ、「心理描写に全振りした作品」と言ったくらいには残念だった箇所もあり。
ゲーム内での心理描写、心理戦は完璧なのですが、この手の作品らしくラストが尻切れトンボな所。
この手の作品は真相が「電脳世界系」か「現実に不思議な力系」かで分かれるのが殆どであり、本作は後者の設定。
そして、神や悪魔、「生き返りの契約」など色々と次回作への伏線が張られますが、その伏線が回収されず謎のまま終わります。
…と言うのも本作を制作したXUSEが本作を最後に倒産してしまったのが原因であり、シナリオ担当であり原作小説を書いていた方曰く最初はそちらもゲーム化のご予定があったとか。
ただ、ゲーム化をする権利ともどもXUSEが消滅したっぽいのでゲーム化はほぼ不可能らしいです。
「アセリア」の永遠神剣シリーズは原作者の方が権利を持っている為、同人でも継続出来ますが…
そういう感じで上手い具合にゲーム化出来れば良かったのですが、そういうのは本当に難しいです。
ただ、小説としては発表出来るらしいので、続編の「悪魔のゲーム」は連載中みたいです。
一時期更新停滞中でしたが、最近連載再開されたらしく…作者様の状況が落ち着かれて安心しました。


もう一つは序盤のキャラが色々と心理描写含めて輝くキャラが多く、後半参戦のキャラへの印象が薄くなりがちだった所。
これに関してはプレイヤーもキャラクターを見ている時間が長ければ長い程感情移入する為、序盤のキャラへの印象が強くなるのは仕方ないのですが、そういうプレイヤー心理もあり後半参戦のキャラが若干不憫さがありました。


あとは立ち絵や一枚絵のバランスがあまり良くなく…
枚数自体は良いです、エロのシチュエーションや食事シーンの料理など文章に沿った描写がされており、齟齬による違和感は殆ど無いです。
ただ、構図や表情などで見るとバランスが良く無かったり雑さが目立つ所が大きく。
特にキャラクターの「悪人顔」があるのですが、「悪人顔」自体は良いと思うのですが、「ここで使うか?」という部分で使われたり、場面に合ってない箇所で悪人顔の立ち絵が多々使われます。
「ここでこの表情は過剰だろ…」という所で悪人顔が多用されるので、違和感が凄かったです。
もう少し「何かを企んでいる顔」と「悪人顔」の中間の表情があっても良かったり。
あとはギャグ顔が初期に使われるのは良いのですが、後半に行けば行くほど浮いていたなーという印象。
ただ、そこに関しては「この緊張感でその表情を?」というのが逆に効果的になっていた所もあったため、一長一短という感じでした。
エロゲあるあると言えばあるあるですが、血縁があるキャラクターがあまりにも似て無くて「本当に血縁者?」「ミスリード?」と思ったり。
塗りに関してものっぺりとしているので、色彩の良さもさほど…という。
背景は閉鎖空間な分、必要な文はありましたが、こちらもまたのっぺりとした感じが強かったです。


音に関しても閉鎖空間モノとしてBGM…バックグラウンドミュージックとしては申し分ないですが、一曲一曲が印象に残ったかというと普通。
機械的だったり緊張感があったり、場面場面には合っていますが、「これが好き!」という一曲は個人的には無かったです。
OPは歌詞がまさに本作通りですが、緩やかな曲調で自分の好み的には普通でした。
ですが、声に関しては本当に素晴らしかったです。
特に心役のshizukuさん、琴子役の水野さん、美月役の小倉さんの演技は本当に素晴らしく、心の中で色々と考えている時の演技の緩急が本当にお見事。
shizukuさんは初聞きでしたが、善人が利己的になっていく姿。
前半はただ守られるだけだった少女が後半、倫理的な悪も罪も何もかも飲み込んで受け止めた上で日常のように当たり前のように何事も無かったかのように「お兄ちゃん」と語りかけてくる演技は狂った状況でも変わらず発せられる「当たり前」の恐ろしさを感じました。
水野さんは「HarmonEy」と「ノットフィクション!」で良いお姉さん演技だなーと思っていましたが、今作は年下ヒロインでありながらも、品位のある知将のような貫禄のあるヒロインで。
年下キャラの演技も良く、安定の品のあるお声で場の状況を語って頂ける為、聞いててとても耳が気持ちよかったです。
もしかしたらヒロインの中で台詞数が多いキャラではないでしょうか?
小倉さんもまた同じく知将系ヒロイン。
「時間封鎖」の麻耶佳で心を奪われ、「翠の海」の知紗でもまた魅了されましたが、小倉さんはこういう主人公の気持ちを良い意味で引っ掻き回すヒロインがお上手なのと、負の感情が高ぶった際の演技が凄まじく良いです。
特に琴子との一対一の時の迫力ある演技には度肝を抜かれました…小倉さんのお声で殺意を向けられるとか、滅せます。
水野さんと同じく小倉さんも台詞数が多そうなので、今作での知将、知略系ヒロインはモノローグが多く大変そうでした。
他はアーニャ役の蒼原さんの最後の慟哭が凄まじかったり、香澄さんのブレない強い人妻は良いな…と思ったり。
ヒロインの演技が全体的にとても良かったです。
地味に男性の方々が「もののあはれは彩の頃。」の出ている方がお二人いらっしゃるなーと思ったりもしました。
本当に、「心理描写と声優演技で全部掻っ攫っていったような作品」と言えるほどに、声優さんの演技がどれも聴き応えがありました。



以下、キャラクター毎の感想



『桐山 一馬』
主人公、寝取られは無し、でも寝取りはします。
状況が状況だから仕方ないね。
そう、仕方ないんですが、それでも必死に女性陣に無理強いはしないように、最後の最後まで倫理を捨てないように努力をし続けます。
邪悪な行動を起こしても後半でその理由が明かされるので、どこまでも善人で居続けた人。
でも、とっさの時には自分の優位性が出て百合子を犠牲にしたり、アーニャを犠牲にしたり…
「命に順番は付けない」と言いながらもどうしようもない状況下で付けてしまう所がとても人間らしく、そしてそこが神様に気に入られてしまったよなぁ…と。
まぁね、普段から「俺が王様だ!」と言い権利を振りかざしている人間よりも、普段は善人の面をしててここぞという場面でとっさの時に倫理観カッスカスの判断をする人間の方が人間らしく、そして愚かであり、同時に邪悪ですからね…まぁ神様も気に入りますよね…
でも、だからこそ「人間」をやっていたと思います。
悪魔に「魂が美味しそう」「罪悪感がある上で自分にとっての悪にあたる行為を行う事で心が濁る」「濁った魂をよこせば生き返りの契約をする」という契約を後半投げかけられ、契約、おそらく「神様のゲーム」の後死んだ魂は悪魔の元にあると思いますが、琴子が次回の「悪魔のゲーム」で悪魔と神の戦いに参入し、主人公を助けようとする為、彼の魂は保留の状態かと。
頭が周り、決断力があり、行動力があり、そして善性と同時にふとした時の邪悪さもあり…確かに見ていて最上級に「楽しい」主人公でした。
彼に心惹かれて行く女性が多いのですが、ハーレムモノでなんとなく惹かれてハーレムに~では無く、しっかりと惹かれるのが納得できる過程があった上で女性陣が惹かれたので、とても納得のハーレム系主人公でした。
そんなハーレムにありながらも彼の射精が女性の死に直接結び付く為、全く羨ましくはないという…
そして彼ほど頭が良くないので、絶対にこの状況下にはなりたくないという…
こんなに羨ましく無いハーレムも珍しいなと思いました。


『桐山 心』
序盤は主人公に守られるだけ守られて善性を貫こうとするのでプレイヤー側からのヘイトも溜まってたと思います。
が、自分の手を汚す事を決めてからの行動や、後半の「どんな事があっても主人公を肯定する」という姿勢により善悪の倫理を無視する事も厭わなくなり、そして、「全てを肯定するという事はそれが悪であっても共に飲み込む事」という…
自分の善性に背いても主人公を肯定する、真の意味での「全肯定マン」になった姿がとても良かったです。
それが主人公の決断なら清濁併せ呑む、そんな後半はもう見ていて恐ろしく、でもどこか美しく。
琴子が利己的を失い善性を得ていったのなら逆に善性を失い利己的を得ていったヒロインでした。
彼女の徐々に善性がすり減っていく姿もまた言い方は邪悪ですがとても見応えがありました。


円成寺 琴子』
もう一人のヒロインであり、知将その①、そしておそらく「悪魔のゲーム」での主人公。
序盤誰よりも死にたくないという心の声を見せ、序盤に殺しを企み他のキャラクターを翻弄します。
色々な成り行きで生き残っていきますが、生き残った先に彼女の中に残ったのが自己愛では無く一馬と心への恋愛と友愛というのがまた…
彼女も悪…では無いのですが利己性から善性へ心を傾けていく描写がお見事。
琴子は心と真逆を行き、善性を得ていくのですが、最後に残るのが彼女だけというのもまた皮肉が効いていました。
過酷な状況で自分以上に大事なモノを手に入れたのにそれを失ってしまう…
だからこそ、琴子は「悪魔のゲーム」に意気揚々と参加するのだと思います。
ある意味で本作によって怖いもの無しなヒロインだと思うので、「悪魔のゲーム」で凄まじい行動を起こしそうです。


『石動 美月』
知将その②。
琴子と同様めちゃくちゃ頭が回る為、彼女の心理描写は見ていて楽しかったです。
それでも善性が誰よりも出る為、全ての行動に何らかの善意の意味があるという。
どこまでも身内を思いやり、どこまでも自己犠牲的だったと思います。
だからこそアーニャの件は本当に辛い。
美月の思いは叶わなかった所に主人公の利己を感じ、そして同時に人間らしさを感じました。
あそこで選ぶべきは序盤に事を起こした琴子なのに、自分をここまで好いてくれている人間は犠牲に出来ないという所に主人公の人間らしさがあったと思います。
悪魔との契約もあっておそらく生き返るとは思うのですが…その辺りも「悪魔のゲーム」で語られるのでしょう。


『水島 萌』
知能戦には向かない、いわゆるアホっ子ですが、自分は頭が回らない事を自覚しているので主人公に一生懸命媚びを売ります。
正しい戦略と同時に、ヒロイン達の知能戦には参加出来ない為、常にどこか蚊帳の外の空気を感じ、自分が置いていかれているような空気を感じ取っていました。
知能戦には向いていない、けれども空気は読める…これが彼女の最大の悲劇だったと思います。
他のヒロインが言ったように、主人公に忠誠を誓った上で頭が回らないので、主人公は萌が味方をする以上は萌を大事に扱っており、他のヒロインから見たら十分に大事にされていたのに、本人は常に蚊帳の外の空気を感じ取っていた為、「いつか自分が馬鹿だから切り捨てられる」という恐怖を抱えていました。
そこを椿に浸け込まれ悲劇が起こるのですが…
最期、「自分が助かるなら他人を殺せるなと思っちゃった…」と言い、自分の思い描いている善性と生命の危機の時にとっさに起こす行動の乖離に苦しみ、自分の本性に絶望して死ぬというのがとても切なく…
そして「自分の命が関わると自分の本性に絶望する」というのは誰もが通りそうな道で、アホっ子な所も含めて本当に人間らしかったです。
自分は頭が回らない方なので、萌の「馬鹿だから切り捨てられるかも」という不安がとても分かり辛さがありました。


『槇島 百合子』
最初の犠牲者。
自己犠牲を最初に持ちかけ、主人公の決断を恨まずに死んでいった善人。
デスゲーム系は序盤で死ぬキャラというのは結構忘れられていく中で、彼女が最後まで出会ったキャラクターの心に残り続け、忘れられない人として居続けたのはとても良かったと思います。
ただし、同時に残り続けるからこそ「百合子さんの死の上に私達は立っている」という強迫観念を植え付けても行ったので、トラウマメイカー的な役割も成しているのがお見事。
彼女は間違いなく善人であり善人のまま受け入れて死にましたが、この状況下の序盤で死ねたから善人で居られたとも思っています。
「神様のゲーム」は善性を破壊していくので、「自分の醜さを見たくない」となると死ぬしか無いんですよね…
おそらく後半まで彼女が居続けたら彼女もまた善性から利己に傾いていく姿が描かれたのでは無いかな?とは思いました。


『石動 アーニャ』
ここから後半参戦キャラなので上記キャラよりも印象が薄くなりがちですが…
アーニャの最期の慟哭は凄まじかったです。
美月の分まで生きないといけないという命を背負っているのに生贄にされる悲惨さが…もう…絶望感半端なかったです。


円成寺 椿』
琴子以降のトラブルメーカー、凄いぜ、円成寺家!円成寺の女!!
あまりにも利己に傾いており、言う事は無いのですが、唯一人間っぽい「白か黒かでは無い灰色」の上に居なかった人だと思います。
悪…では無いですが、完全に利己に傾いており、清々しいくらいでした。
他キャラが人間味がある中で、彼女だけは唯一フィクションの悪人っぽさを感じました。
今作の中でそういう意味では異端な人だったと思います。


『榊 穂乃佳』
印象薄いも何も最後の登場なので…
主人公の罪悪感を増やして魂を汚させる為に死に追いやられた所はありました。
…が、主人公以外の人間生還の為には仕方ないですね。
身内を殺すのがおそらく一番主人公にとっては響くので、彼女が選ばれるのは仕方ない。
悪魔との契約がアーニャ後、心を壊した際に行われ、その後の主人公の行動がマジで邪悪過ぎてビックリだったのですが、真相が明らかになるとなるほど…でした。
参加時期が時期の為、特に悪性を見せる必要がない彼女で、所々綺麗事を言う為、プレイヤーからしたら「それは今までを知らないから言える事だよな…」と「神」の邪悪さのように白け気味になるのですが、彼女を閉じ込めた時に必死に「死にたくない!!」と叫ぶ姿はおそらく序盤から参加していたら生きる為には色々行う人なんじゃないかなーというのを示唆していてとても良かったです。


『月宮 優奈』
彼女もまた印象が…でも可愛そうキャラ。
幼馴染の前で寝取られるは幼馴染を殺す宣言の片棒をかつがされるわ…
生き残りはしましたが、悪魔との契約の為にボロボロにされます。
幼馴染スキーからしたら主人公の行動は超地雷な気がします。
…が、生き返らせる為には仕方ない。


『春日部 遼太』
彼をボッコボコにする理由がよく分からなかったのですが、契約を知り納得。
「魂を汚す」を目的にしている為、おそらくマジで主人公からしたら本意では無かったのでしょう。
いや、本当に、可愛そうですが…でも、彼もまた生き返る為なので…
あと、本ゲームのルール上、「王様気質になる男性」というのも見たかったので、その辺りは見る事が出来て満足です。
わりと普通の男性は彼のようになると思うんですよね…主人公が異端なだけです、マジで。


『桐山 壮士&悪魔』
次回作「悪魔のゲーム」の時のメインキャラになるかと。
この二人と琴子が組むとは思いますが…壮士は一馬ほど頭が良くないと言われているので心理戦がどうなるのかは気になります。
契約の内容は神もクソいですが悪魔も中々にクソいですね。
両者どちらも最悪過ぎて神も仏も居ない世界観だなぁと思いました。



本当に素晴らしい心理描写の数々に震え上がりました。
キャラクターが心理戦をする度に楽しく、色々と目に付く要素がありながらも心理描写の凄まじさで駆け抜けていった作品でした。
次回作「悪魔のゲーム」がノベルゲーム化されなさそうなのが本当に残念です…
現在web上で連載されている「悪魔のゲーム」が完結されましたら小説版の方もお読みしたいと思います。
願わくば権利などが帰ってきて、ノベルゲームとして読める時が来るととても嬉しいです!!